1Kの部屋でもロボット掃除機は役立つ?コンパクトな3機種で試してみた

1K、22平米の部屋でもロボット掃除機は役に立つ?コンパクトな3機種で試してみた

いつの間にかずいぶんと普及してきているロボット掃除機。一人暮らしで1Kや1R住まいならば「どうせ狭いから関係ない」と思っている人も多いかもしれませんね。でも、ひょっとして使いこなせたら便利かも……? 1K、22m2ほどのフローリング住まいの筆者が、3万円以下の機種3種類を厳選。「はじめてのロボット掃除機」を体験してみました。果たして、わが部屋でロボット掃除機は活躍できるのでしょうか?

これ1台で完璧!妥協したくない派に「DEEBOT MINI」

最初に使ってみたのはECOVACS JAPANの「DEEBOT MINI」。「予算は抑えたいけど、性能の良い商品が欲しい!」という人から人気を集めているということで、家電量販店でもおすすめされている機種です。箱から取り出してみて、家電量販店などで主流のずっしりしたイメージのものとは違う、コンパクトさ(幅270×奥行270×高さ82mm、本体約2.2kg)に驚きました。【画像1】充電中のDEEBOT MINI。ここから自力で動き出し、またここに戻ってくる(写真撮影/近藤智子)

【画像1】充電中のDEEBOT MINI。ここから自力で動き出し、またここに戻ってくる(写真撮影/近藤智子)

充電ドックでパワーチャージをして、スタートボタンを押してみます。音を立てながら動く姿に、「これがロボット掃除機か」と感動。感涙にむせぶ間にも、せっせとほこりを吸い込んでいきます。本体の厚みは約8cmで低めのテーブルの下にももぐりこむので、家具を片付けておく必要がありません。床をから拭きするモップシステムもあるため「掃く」「吸い込み」だけではなく、「モップ掛け」も一度にこなせます。

わが家は1Kで、キッチンと居室が段差なしにつながっています。必然的に、居室を掃除し終わると自然とキッチンも掃除をしてくれることに。玄関には2cmほどの段差がありますが、DEEBOT MINIは段差を察知すると、後戻りをしてくれました。【画像2】「あ!危ない!」と思ったけれど戻ってきてくれたDEEBOT MINI。落ちても少しの高さであれば登ることができる(写真撮影/近藤智子)

【画像2】「あ!危ない!」と思ったけれど戻ってきてくれたDEEBOT MINI。落ちても少しの高さであれば登ることができる(写真撮影/近藤智子)

こうして、20分ほどで掃除が終わりました。普段からきれいにしているお部屋であれば、もっと短い時間で済むかもしれません。仕事をしている間に掃除が終わったため、とてもありがたく感じました。掃除機をかけおわったら拭き掃除をしようと思っていたのですが、モップ機能で拭き掃除の必要がなく、得をした気分に。稼働音もさほど気になりません。

DEEBOT MINIにはリモコンが搭載されており、リモコンを使えば掃除の際の進行方向を選択したり、タイマーを設定したりすることが可能です。24時間対応のタイマー機能を使えば、留守中に掃除をしてもらうこともできますし、家にいるときにもいちいち腰を上げて操作する必要がありません。

難点は、わが家には充電ドックを設置するためのコンセントがあまりよい場所にないことと、コンパクトとはいえ、しまっておきたい日にはやはり少し存在感のあるサイズということ。それでも、「ロボット掃除機ってこんなもの?」と思ったときに想像する機能のほとんどを兼ね備えたコンパクトなDEEBOT MINIは、ロボット掃除機デビューにぴったりの1台としておすすめです。価格は約1万7000円。

フローリングをピカピカにしたい! 拭き掃除派に「ブラーバジェット」

ロボット掃除機の元祖は、代名詞ともなっている「ルンバ」。ルンバを世に送り出したiRobotから登場したのが拭き掃除に特化した「床拭きロボットブラーバ ジェット」です。床拭きと一口にいっても、から拭きや水拭きなどさまざまですが、ブラーバ ジェットは専用のパッドを用途に応じて付け替えることで、そのすべてに対応してくれます。パッドには繰り返し洗って使うものと、使い捨てのものの2種類があります。【画像3】面倒な拭き掃除をかわりに行ってくれるブラーバ ジェット(写真撮影/近藤智子)

【画像3】面倒な拭き掃除をかわりに行ってくれるブラーバ ジェット(写真撮影/近藤智子)

まずは、から拭きを試すために「ドライスウィープパッド」を装着。スイッチを入れると、楽しげな起動音が流れ、もう一度スイッチを押すと動き出します。すいすいと丹念に動きます。一見ルールのないような動きですが、じっと見ていると、規則正しく床を拭き残すことなくまんべんなく拭いてくれているのが分かります。こちらもやはり20分ほどで部屋を一通り拭き終えることができました。終わったら、スタート地点に戻り、自動的に電源もオフに。

続いて水拭きに挑戦。「ウェットモップパッド」を装着した本体に、水を注ぎます。そうして動かせば、なんと本体から水を噴射!その上をブラーバが動いて拭き掃除を行います。まさに「ジェット」、見ていて飽きません。障害物を感知して動くので、壁や家具、ラグなどに水を噴きつけてしまうことはありません。また、バーチャルウォールモードを設定すれば、調理中のキッチンやバリアフリーの玄関など、入ってほしくないスペースを設定することが可能です。このほかにも、水分量少なめの拭き掃除に対応する「ダンプスウィープパッド」があります。場合によって3段階を使い分けられるので、便利です。

ブラーバ ジェットのサイズは幅178×奥行170×高さ84mm、本体約1.2kgととてもコンパクトで、ちょっとした隙間であればすいすいと拭いてくれます。段差からは落ちず、拭き掃除なので、カーペットやラグなどには乗り上げません。稼働音はほとんどなく、とてもしずか。充電ドックなどはなく、本体についているバッテリーを取り外して充電を行います。【画像4】スマートフォンのアプリ「iRobot HOME」の画面。Bluetoothで接続し、ブラーバ ジェットを動かすことができる。このアプリで、ブラーバ ジェットに好きな名前をつけることも可能(画像提供/アイロボットジャパン)

【画像4】スマートフォンのアプリ「iRobot HOME」の画面。Bluetoothで接続し、ブラーバ ジェットを動かすことができる。このアプリで、ブラーバ ジェットに好きな名前をつけることも可能(画像提供/アイロボットジャパン)

スマートフォンにアプリ「iRobot HOME」をインストールすれば、清掃スタート・ストップ、清掃モードの設定などを行うこともできます。ブラーバ ジェットの動いた後を指でこすり、そのつるつる具合に感動しました。ただし、予約機能が搭載されていないのが少し残念です。それでも、子どものころのように走りながら床掃除をするには体力が足りない仕事のあとや、腰痛が気になったりする日には、ブラーバ ジェットは心強い味方になってくれます。ウエットモップパッド、ダンプスウィープパッド、ドライスウィープパッド各2枚が付属で、価格は約3万円。

エスキュービズムの「ロボット掃除機」は3.2cmの超薄型!

「それでもやっぱり、狭い家でロボット掃除機を動かすのは大変では?」と思われている方に紹介したいのが、一人暮らし向けに特化したお掃除ロボットです。エスキュービズムは、一人暮らし向けの家電を取り扱っているベンチャーメーカー。そこから登場したのが、その名も「ロボット掃除機」です。1万5000円以下と、通常のロボット掃除機よりかなりお手ごろな値段で入手できるのが魅力。【画像5】エスキュービズムの「ロボット掃除機」はとにかく薄型でコンパクト(写真撮影/近藤智子)

【画像5】エスキュービズムの「ロボット掃除機」はとにかく薄型でコンパクト(写真撮影/近藤智子)

このロボット掃除機は、びっくりするほどコンパクト(幅274×奥行281×高さ32mm、本体約0.8kg)です。そのまま本棚にしまえそうな薄さが特に魅力で、四角いフォルムもロボット掃除機にはめずらしく、新鮮な驚きがあります。動かしてみると、本当にわずかな隙間にも入っていきました。四角い形状がゴミの取り込みにも活かされているようです。

動きは、やや遅めで、念入りに掃除をしたいときは少し時間がかかります。稼働音は静かで気になりません。段差もしっかり認知してくれ、落ちることはありませんでした。動きをみていると、子どものころ遊んだラジコンのような感じが愛くるしいのですが、しっかり吸引してくれる力強さがあります。【画像6】4cmほどの椅子の脚にももぐれるのが魅力(写真撮影/近藤智子)

【画像6】4cmほどの椅子の脚にももぐれるのが魅力(写真撮影/近藤智子)

ロボット掃除機には、「通常モード」と「家具下重点モード」の2種類のモードがあり、自分の必要な用途によって、使い分けが可能です。家具下重点モードは、地上高50cm以内なら、隙間に入ったことを検知した際に、15分間家具の下を重点的に掃除してくれるモードです。また、部屋の隅などであっても、2本のサイドブラシでかき集めて吸い込んでくれ、小回りが利くことが実感できました。

リモコン操作はできず、タイマーなどもありません。むだな機能を省き、スリムに設計されたロボット掃除機は、「掃く」「吸う」に特化した製品だといえます。小さい分、吸引力が少し弱めな感じは否めませんが「狭い部屋だけど、どうしてもロボット掃除機を試してみたい」という方向けの、入門の一品にはおすすめです。

一人暮らしのロボット掃除機 使ってみた感想

【画像7】今回試した3種類のロボット掃除機をiPhone5sとならべて、大きさを比較(写真撮影/近藤智子)

【画像7】今回試した3種類のロボット掃除機をiPhone5sとならべて、大きさを比較(写真撮影/近藤智子)

正直なところ、これまでは「ロボット掃除機なんていらないな~」と思っていたのですが、使ってみるとまったくそうではありませんでした。自分が適当にするよりも、何倍もていねいにすみずみまで掃除をしてくれる、とてもありがたい存在でした。加えて、自分が仕事をしたりだらだらしたりしている間、あるいは留守中に、けなげに掃除をしてくれるロボットには次第に愛着が湧き、ペットのような家族のような不思議な気持ちにもなりました。

そしてなにより大きかったのは、ロボット掃除機が動けるようにするため、床に物を置かないようになったことです。邪魔になるものを「とりあえず置いておこう」ということがなくなったので、部屋はすっきり。ロボット掃除機の効果は、単に「掃除をしてくれる」にとどまらないのかもしれません。

結論として「一人暮らしにもロボット掃除機は必要」だと思いました。なんとなく、人間とロボットの未来の歩みが垣間見えるような気がしたりもします。一人暮らしでも迷っているかたがいれば、試してみる価値はあるかもしれません。●取材協力

エコバックスジャパン株式会社

・アイロボットジャパン合同会社

・株式会社エスキュービズム
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