外食チェーンの本店を巡礼する男、BUBBLE-Bさんに聞く“本店にしかない魅力”とは

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実家に帰省して家族で夕飯を食べに外に出た。目当てのお店が閉まっていて、少し悩んだ挙句、近くのファミレスに入る。

「うーん、あのお店閉まってたの残念だったなー」という感じで少しテンション下がり気味で入店したのだが、メニューを広げてみると家族がそれぞれ食べたいものは一通りなんでもあり、さらには酒類のメニューが充実していてどれも安く、私と父は「おっ、安い!」、「いいな」とニンマリ。母や妹はデザートの選択肢の多さがうれしかったらしく、結果的には「ファミレスもいいもんだね」という話になった。

身近にありながら、当たり前過ぎてありがたみがちょっと薄れ、たまに行ってみるとその実力を目の当たりにして「そりゃあ流行るわけだ!」と驚く。それが私と外食チェーン店の付き合い方である。同じような人も結構多いんじゃないだろうか。

当たり前のように私たちの周りに存在する外食チェーン。その価値を根底から問い直す人がいる。ミュージシャンとして活動するBUBBLE-Bさんである。

BUBBLE-Bさんは、2004年頃から外食チェーンの本店、1号店ばかりを巡るという試みをスタートし、全国々浦々にある本店を食べ歩きながらそのレポートをブログにつづり、2013年にはその結果を『全国飲食チェーン 本店巡礼 ~ルーツをめぐる旅~』(大和書房刊)という本にまとめた人物。 全国飲食チェーン本店巡礼 ~ルーツをめぐる旅~

全国飲食チェーン本店巡礼 ~ルーツをめぐる旅~ 作者: BUBBLE-B 出版社/メーカー: 大和書房 発売日: 2013/07/28 メディア: 単行本(ソフトカバー)

例えば牛丼の「吉野家」、「マクドナルド」、「はなまるうどん」などなど、日本全国どこでも食べることのできる大手外食チェーンの“本店”がどこにあり、それがどんなお店だか知っているという人はほとんどいないのではないだろうか。私もまったく知らなかった。というか、考えたこともなかった。

BUBBLE-Bさんの著書を読むと、実はチェーン店の本店とは、創業者の熱い思いが感じられる貴重なスポットであることが分かる。自分が普段感じてこなかったチェーン店の“人間くささ”が、本店には漂っているらしいのだ。

今回は、独自の観点で外食チェーンを見つめ直しているBUBBLE-Bさんに会い、本店巡りの面白さやその裏の苦労、そして著書出版以降のことなどについてたっぷりお話を聞いた。

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BUBBLE-B :音楽家、1号店ジャーナリスト、麻婆ドーファー、ドローングラファー、車好き、旅人。滋賀出身、川崎在住を経て、京都在住。音楽活動とともに、外食チェーン店の1号店を巡ることをライフワークとし、日本唯一の1号店専門ブログ「本店の旅」を更新中。2013年に大和書房より書籍「全国飲食チェーン本店巡礼 ~ルーツをめぐる旅~」を上梓。Amazon外食本カテゴリ1位にランクインする。また、麻婆豆腐の食べ歩き活動も行い、本店・麻婆豆腐ともにTBSラジオ『ライムスター宇多丸のウイークエンドシャッフル』の「サタデーナイトラボ」のコーナーにゲスト出演し、麻婆豆腐の素晴らしさを啓蒙している。さらには旅好きが高じ、ドローンを用いた絶景映像撮影とそのための音楽制作といった活動も行っている。

本店はパワースポット?

──『全国飲食チェーン 本店巡礼 ~ルーツをめぐる旅~』のまえがきには、そもそも本店巡りのきっかけになったのはラーメン店の「天下一品」だったとありますね。

「京都市左京区にある『天下一品』の総本店に行った時に、スープの味が他店より明らかにとろみがあってまろやかだと感じたんですよ。すごくおいしくて、これは、なぜだろう? と。1号店だから気合を入れて作ってるのかなとか、あと、1号店だけはお店の中でスープを作っているらしいなんていうラーメン通の間でのうわさもあって、どこかにそういう違いがあるのかなと思ったんです。ある時、思い切って『本店のスープは他店とは違うんですか?』ってお店の方に聞いみたところ、『いえ、違いはありません。他の店舗とまったく同じです』とキッパリ否定されて(笑)。ということは食べる側の気持ちや感じ方のせいでおいしくなっているんじゃないか? ひょっとして本店には、ピラミッドパワーのようなスピリチュアルな力があるんじゃないかと思ったんです(笑)。それで他のチェーン店の本店にも行ってみようと思って巡り始めました」

── チェーン店だから基本的にはどの店舗も均一の味を提供しているはずなのに本店は何かが違う! と。実際その後、いろいろな外食チェーンでそのことを検証してみてどうでしたか?

「本店、1号店には創業者の思いの強さが感じられる痕跡がいろいろとあるんです。どんな大きなチェーンでも最初は小さなお店からスタートしていたりして、そこから創業者の熱意で発展していった。つまり、パワースポットなんですよね。思いの強い場所だからおいしく感じるのかもしれない。いきなりスピリチュアルな話になっていますが(笑)」

── ワクワクします! そうやって実際に本店を巡り始めて感じた難しさみたいなものはありましたか?

「まず、本店がどこなのかという情報を探すのが難しい。特に地方にあるチェーンだと、公式サイトが存在しないところが結構多いんですよ。そういう時は、『WebArchive』を見て、WEB上に何年からそのチェーンに関する記述があるかを掘り起こしたりして、とにかく大変なんです。グルメ系の口コミサイトには『ここが1号店だ』とか書いてないですから。企業サイトがあった場合は企業の“沿革”を見ますね。『何年に、1号店をどこどこにオープン』と書いてある場合があります。とにかくひたすら調べていくしかない。まとまっているサイトがあるわけじゃないので大変です」

── それでようやく目当ての本店を探し当てたとして、お店に着いた時にまずチェックする場所はどこなんでしょうか。

「まず外装ですよね。ぐるっと建物の周りをまわると、1号店らしいモニュメントがある場合がある。『発祥の店』みたいなプレートがあるとか、看板に『1号店』という文字があるとか。次に店内に入って、内装もチェックします。創業当時の写真が飾ってあったり、店内にも何らかのモニュメントがある場合があります。そして一通りメニューを見て食事をして、最後に、お店の方に『ここって1号店なんですか?』って聞くようにしています。『そうなんですよ』と親切に教えてくれるお店もあれば、新人らしいバイトの方で『うーん。わかんないっす』っていう時もあります(笑)」

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▲「はなまるうどん」の本店には発祥の地であることを示す看板がある(撮影:BUBBLE-B)

── 著書の中にも書かれていましたが、外装や内装からあまり本店であることが分からないお店もあるんですよね?

「ありますよ。“カモフラージュ本店”と呼んでいます。パッと見ではまるで他店との違いが見つからないっていう」

── そういう時は、どうするんですか(笑)。良さを探すわけですか?

「まったく本店らしくなくても、そこはもう感じたまま記録するようにしています。あとは妄想を膨らませて……。例えば寿司チェーンの『はま寿司』の本店は栃木県の足利市にあるんですが、特に規模が小さいわけでもないし、どこからどう見てもただの普通の『はま寿司』なんです。タクシーに乗って何千円かかけて行ったんですけど(笑)。そういう本店もありますね」

── 本店巡りをライフワークにしているBUBBLE-Bさんにとっては、そんなことも苦じゃないわけですね。

「いや、ちょっと苦です(笑)。何か本店らしいところがあって欲しいなとは思いますけど。とはいえ、こっちが勝手にやってることですから」

地方の立ちそばチェーンに感動

── BUBBLE-Bさんは2004年頃から本店巡りを始めたそうですね。これまでにどれぐらいの本店に行ったんでしょうか。

「この本では全部で48の外食チェーン本店、1号店を紹介しているんですが、本が出たのが2013年で、その時点でブログには全部で70店舗ほどのレポートを掲載していました。当初は日本全国に店舗があるような大きなチェーンの本店を優先してまわっていたんですが、本が出てからしばらく経って、本店巡りが100店を超えたあたりでもうだいたいの大手チェーンは訪れてしまったんです。そこで一旦停滞して、ブログの更新も滞っていたんですが、今年に入ってから、地方にしかない“ローカルチェーン”の本店もめぐってみようと思い立って、今年だけで80店舗ほどめぐっています。なのでこれまですべて合わせて180店舗ほどでしょうか」

── 今年に入ってからの勢いがすごいですね!

「今は自分の中で“地方編”というモードなんです。全国に店舗を構えるチェーンとはちょっと違ったローカルならではのとんがり具合というか、個性があるところが面白いです」

── 最近の“地方編”の中で特に印象的だったお店はありますか?

「静岡県を中心に展開している立ち食いそばチェーンの『スマル亭』ですね。『スマル亭』の本店は静岡の由比というところにあるんですが、まずお店に行きにくいんですよ。大型トラックがバンバン走る幹線道路に面していて、その上り線側からしか行けない。お店の反対側は東海道本線の線路で、海側に出るには東名高速道路が邪魔しているという。車で行くしかないような場所なんです。道路ギリギリに店舗が立っていて、そばを食べているお店の前を長距離トラックがガンガン走り去っていくという(笑)。あれは感動しました。そういう場所にあったからトラックの運転手さんたちに愛されて、それで評判を呼んで店舗が増えていったようで、本店であるからこその立地という感じでした。基本的に、本店が辺ぴな場所にあったり建物が小さかったりする方が燃えるんですよ(笑)。そういう意味でも『スマル亭』の本店はちょっと秘境っぽくてよかったです」

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▲富士由比バイパスに面して建つ「スマル亭」1号店(撮影:BUBBLE-B)

巡礼先では1日8食!

── BUBBLE-BさんはダンスミュージックのトラックメイカーやDJをしていたり、他にも麻婆豆腐を食べ歩いたりとか、幅広い活動をしていますよね。一方で会社勤めもしているとのことで、単純にすごく忙しいと思うんですが、どれぐらいのペースで本店をめぐっているんですか?

「もともと旅好きなので、土日は家にいることの方が少ないですね。ほぼ毎週末どこかに行っています。ただ、本店巡りは毎週ちょっとずつ行くっていうのではなく、事前に行くエリアを決めて、何時にここ、何時にここっていう風なルートを組んで、事前にかなり計画を立ててから行っています。先週は九州に行ってきたんですけど、何時何分にどこに到着して、お金をいくら使って次は何時にここ、とか、計画の段階で細かくエクセルに書き込んでいくんですよ。移動距離がこれぐらいだからここは無理とか、そういうことを事前に把握しておかないと効率良くまわれないので。綿密に計画を立てて1日に平均5店舗ぐらいは行きます」

── 次々と食べたり飲んだりするわけですよね。

「そうです。ポリシーとして、行ったお店では必ず残さずに食べることにしていて、そうすると、胃袋とも相談する必要があるんです。最大で7~8店舗ぐらいまわる場合もあるんですが、外食チェーンってほとんどのお店が11時オープンとかなんですよ。昼からしかやってない。そうすると、昼にいきなり3食とかになる(笑)。そば系のチェーンなら朝やってるところが多いから、まずはできるだけ早くそこに行って、それで昼は、ラーメン食べてその次にカレー、またラーメンとか(笑)。そこから移動して、夕方にもう1店、夜もう1店とか行くんですよ。ラーメンが3つ続くのはさすがにキツいけど、でも地図上に線を引いたらそれが一番効率が良いっていうこともよくあるので、そういう判断がすごく難しいです」

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── そう聞くとかなりハードですね……。しかもせっかく遠出したのに特産物とかを食べるわけじゃないんですもんね。

「そうです。近くでも食べられるチェーン店に(笑)。でも、現地ならではのおいしいものも食べますよ! 両方食べてます。1日8食とか食べますから! まあ、1軒1軒での量はそれほど多くないんですけどね。お店に小さめのメニューが用意されていればそれを食べるようにしています。次がありますから。わざわざ高速道路に乗って回転寿司に並んで、寿司3貫だけ食べてスッと帰る(笑)。そして次のお店へっていう。少し味気ないんですけど、使えるのが土日しかないんで仕方がないんですよね」

── ブログを拝見していたら、それに加えてさらに過去に行った本店を再訪するっていうこともやっていますよね!

「何年か経って行ってみるとリニューアルされていたりするんですよ。外壁や内装のデザインが変わるとか、それを追うのも使命かなと思って。変わっていなかったらホッとするし、変わっていたらハッとするし、どっちでも楽しいんですよ。先日、『リンガーハット』の本店に再訪したら外壁の色が9年前と変わってましたし、大分の『ジョイフル』1号店も5年ぶりに再訪したんですが、看板のロゴがオシャレになっていたりして、その変化を楽しむっていう」

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▲再訪した「ジョイフル」1号店の看板は新ロゴにリニューアルされていた!(撮影:BUBBLE-B)

1号店に漂う人間くささ

── ところで移動は車が中心ですか?

「ほとんど車です。本店って、地方のロードサイドにポツンとあることが多いんですよ。電車も2時間に1本しかない場所だったり、バスもどこを通るか見極めるのが難しいですし。最悪、帰れないってこともあり得る(笑)。なのでやはり車ですね。自宅から遠い場所ではレンタカーを使うこともあります。行きたいお店と次のお店が200キロぐらい離れていると1日に2店しか行けない。そのためにレンタカー代1万何千円か使って。そんなことばっかりしているわけです(笑)」

── それを10数年に渡って続けているという。改めてすごいですね。

「そうですね。同じことをしている人が自分以外誰もいないです(笑)。たまに都内で10店舗ぐらいの本店をめぐってみたりっていうぐらいの方はいるようなんですが、わざわざ出かけて行ってっていう方はいないでしょうね」

── ずっと本店を巡っている一番のポイントというか、面白味っていうとBUBBLE-Bさんにとっては、どんなところだと感じていますか?

「そもそも旅が好きなので、本店巡りをすることが旅に行く目的になるんですよね。ブログが充実していくのも単純にうれしいし、その上に旅までできるという。“1号店ツーリズム”です。それがまずあって、あとはもちろん本店ならではの面白さですよね。チェーン店って人間味があまりない感じがするじゃないですか? マニュアルがあって、匿名性が高いっていうようなイメージですよね。そんな中で、1号店には人間くささが漂っているんですよ」

── どんなところに人間くささを感じますか?

「例えば香川県の高松にある『はなまるうどん』の本店なんかは最高でした。創業時から2016年まで、武市さんという方が名誉店長としてお店にいらっしゃったんですが、創業時にその方が作ったうどんによって銀行から融資を受けられることになったり、『はなまるうどん』で提供しているカレーは武市さんが家で作っていたカレーのレシピがもとになっていたりと、まさにお店の基礎を作った方なんです。その方がずっと1号店に立ち続けていて、目の前でかき揚げを揚げている。残念ながら今は退職されましたが、そんな方と会ってお話させてもらうと、普段食べていた『はなまるうどん』がすごく人間味のある味に思えてくるんです」

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▲本店に残る“人間くささ”を見つけるのが本店巡りの醍醐味(だいごみ)(撮影:BUBBLE-B)

── 巡りがいのある本店ですね。それ以降に本店以外のお店で同じメニューを食べても「あの人が作った味なんだな」と思うと一層おいしくなりそうです。

「最後は人に行き着くというか、どんなチェーン店でも最初に誰かがそれを作っているわけですよね。それを知るとおいしく感じるんです。晩ごはんを食べるお店を探す時に『チェーン店か……』って、なんか個人店よりも下に見ることが多いじゃないですか。あれがあまり好きじゃなくて、創業者の思いはどっちも同じだろ! って思うんです(笑)」

チェーン店は世を映す鏡

── 本の中で、ファミレスのドリンクバーで粘る人々に生まれたドラマは数えきれないだろう、と書いている部分を読んで、その通りだなと感じました。あのドリンクバーで粘る時間や、そこでの一見無駄話のような会話の中からきっとすごくいろんな文化が作られてきたんじゃないかと。そういうように、外食チェーン店は食だけじゃなく生活そのものにも多くの影響を与えていますよね。

「日本では、ファミレスとファストフードの大手が1970~1975年に集中して創業しているんです。1970年に開催された大阪万博の『アメリカ館』というパビリオンには、『ロイヤルホスト』の前身の『ザ・ロイヤル』が出店していて、日本人がそこでアメリカのチェーンの味に初めて触れるきっかけになりました。それ以降、洋食系のチェーンが続々オープンしていくんです。外食ブーム、核家族化、モータリゼーションっていう時代の変化に乗って成功を収めていくわけです。そういう時代背景とは密接に関係しています。例えば2017年時点の印象で言うと、24時間営業のチェーンが急激に減っていて、全体的に高級化している傾向を感じます。一時期は激安競争のようになっていたのが落ち着いて、単価が上がってきている。企業が労働環境の改善に努めているということもあるでしょうね。そういうことを見ていても、外食チェーン店は世の中を映しているし、いろんなことにつながっていると思います」

── 考えれば考えるほど深いテーマに思えてきます。

「知れば知るほど面白いし、チェーン店で食事をするのが楽しくなります。食事をする楽しみの中で、純粋な“味”って実は3割ぐらいの要素でしかないと思うんですよ。例えばよく飲食店で『元祖〇〇』とうたっているようなお店がありますよね。あれって味と関係ないじゃないですか。あるメニューを考案したのが早いか遅いか、っていう。でも『元祖』って言われるとなんだかおいしい気がする。あとは、オシャレな内装で、きれいな食器で食べるとおいしく感じるということもありますし、実はみんな味だけじゃなくてその他のいろいろな要素も同時に楽しんでいる。“味”そのものはあくまで3割なんだと考えれば、『天下一品』の本店で感じたあのおいしさも納得できるんです。そのお店の歴史を知るだけでよりおいしくなるのは当然なんだと。『ここが本店か!』と思いながら食べればそれだけでもうおいしいんですよね」

── 本当にそうですね。最初はスピリチュアルな世界の話になるかと思いましたが、おいしさの理由が理解できました。ちなみに、本の続刊の予定などは?

「好きで続けているだけですが、ストックはどんどん増えているので、出版のお話がきたらぜひ! って感じですね。今はひたすらブログを更新していこうと思っています。この前は九州で8店ぐらい行って来たので、それをドドッと更新しようと思っています」

── “地方編”もめぐり終えたらどうしますか?

「どうでしょうねー。終わるのかな? そんなに先のことは考えてないんですけど、カテゴリーを広げていけば、例えばパン屋さんと弁当屋さんもこの先には待っているんですよ(笑)。家と外食の間のいわゆる“中食”というジャンルですね。そこまでやっていくといくらでもありそうだし。あとは海外のチェーンの本店巡りも行きたいですね」

── まだまだ先は長いですね! 最後に、初心者におすすめの“本店”を教えてもらえますか。

「東京の築地にある『吉野家』の1号店はいいですよ! 市場で働く人にあわせて、朝5時から昼の1時までしか営業していないんですが、歴史の重みを感じる素晴らしい本店です。本来、築地市場の移転とともに閉店するはずだったのですが、移転が延期されているためにまだかろうじて食べられる。築地にある波除神社の境内に昨年、『吉野家』の歴史を記した石碑が建てられたんですが、そこには『ここ築地の地に、牛丼の吉野家の創業店がありました』と過去形で書いてあるんです。でもすぐそばでまだ営業してる(笑)。これは今だけの不思議な状況だと思うのでぜひ行っておいた方がいいと思います!」

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▲築地・波除神社に設置された吉野家の記念碑(撮影:BUBBLE-B)

── それは急がないといけないですね! 今日はありがとうございました!

身近にある、ありふれたものとしか思っていなかったチェーン店がグングン魅力的に感じられてくるお話だった。

BUBBLE-Bさんのようなレベルで本店めぐりをするのは難しいかもしれないが、ブログや書籍をチェックしてみると自分の家の近所に意外なチェーンの本店が見つかったりすることもあるので、ぜひ確認してみて欲しい!

取材協力:BUBBLE-B ブログ「本店の旅」

※この記事は2017年8月の情報です。

書いた人:スズキナオ

スズキナオ

1979年生まれ、東京育ち大阪在住のフリーライター。安い居酒屋とラーメンが大好きです。exciteやサイゾーなどのWEBサイトや週刊誌でB級グルメや街歩きのコラムを書いています。人力テクノラップバンド「チミドロ」のリーダーでもあり、大阪中津にあるミニコミショップ「シカク」の店番もしており、パリッコさんとの酒ユニット「酒の穴」のメンバーでもあります。色々もがいています。 Twitter:@chimidoro

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