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竹原ピストル、阿部真央、椎木知仁、三者三様の自己表現で新宿LOFTを熱く盛り上げる―宮川企画「マイセルフ,ユアセルフ」OTOTOYライヴレポ

竹原ピストル、阿部真央、椎木知仁、三者三様の自己表現で新宿LOFTを熱く盛り上げる―宮川企画「マイセルフ,ユアセルフ」OTOTOYライヴレポ

10月5日(水)新宿LOFTにてライヴ・イベント〈LOFT 41THANNIVERSARY宮川企画「マイセルフ,ユアセルフ」〉が行われ、竹原ピストル、阿部真央、椎木知仁(My Hair is Bad)がそれぞれ弾き語りで超満員の会場を盛り上げた。

このイベントは、数々の激アツな対バンイベントを企画・実現させている宮川企画「マイセルフ,ユアセルフ」の主催によるもので、新宿LOFTの41周年として行われるもの。よくぞこの3人を集めたものだというくらい、それぞれ大会場を満員にできるアーティストということもあり、チケットは早々にソールドアウトしていた。また、2度とないかもしれないイベントということで、会場限定の「マイセルフ,ユアセルフ」×フテネコ コラボアイテムも販売され、人気を博していた。

ステージ前から後方のPA前まで、お客さんでギッシリ埋め尽くされた会場には、普段はライヴハウスに来ることがない人もいるようで、「初めて来たけどなんだかすごいね」と呟いているお客さんもいたほど、開演前からフロアは異様な熱気だ。

●椎木知仁
トップを飾るのは、My Hair is Badのボーカル・ギター、椎木知仁だ。椅子に腰かけて「今日はゆっくり寝よう」からライヴをスタート。続いてソロ・アルバム『ガイハンボシとアコギ』から「ヒモと女」を披露する。軽快なストロークと少ししゃがれ気味の特徴的な声で歌う生活感と気分の描写は私小説のようにリアルに耳に届いてくるが、どこかユーモラスで軽やかな聴き心地だ。MCに続いてアンサーソング「元ヒモとして」のタイトルが告げられると、思わず笑い声が起こるなど、和やかなムードの中でライヴは進んでいった。1曲ごとにMCをしながらのステージングは、とてもリラックスしてマイペースに見える。途中、お客さんのことなどツアー中のエピソードを語ってから歌い出したもののやり直す場面も。そんなシーンもなんだか逆に観る者をのんびり良いムードにしてくれる。そんな中、会場に詰め掛けた多くの椎木ファンが感情移入してしていたのではないかと思われるのが、女性目線でバンドマン・ライフを歌う「ハイエースに乗って」。歌詞の1節1節が、見事にファン側の心境を表現しており、こんなことを歌われたらますますファンになってしまう女性ファンも多いのではないだろうか。弾き語りらしい牧歌的な前半から、後半は徐々により熱を込めた歌声に。力強いストロークで歌われた「だらしない」から、普段の弾き語りでは歌わないというMy Hair is Badの曲を歌うことに。しかも11月に発売されるニュー・アルバム『mothers』の中から、まだバンドのライヴでもやっていないという「いつか結婚しても」を初披露した。叫ぶように歌われるメロディアスなサビが印象に残った。コンビニでバイトをしながら日々を送っていた頃に書いた曲を最後に、と語り、「あれがあったから今があるとも思います。これからどうなるかわからないですけど、いつかどうかなれ、なんとかなれ、何者かになれ、と思って日々歌を歌っています」との言葉から「あの頃のバンド、2つ目のバイト」を歌い、じんわりと胸に染み入る余韻を残してライヴを終えた。

●阿部真央
続いては、新宿LOFTに出演するのは初めての阿部真央の出番。大きな拍手に迎えられてステージに上がるなり太陽のような明るい笑顔を客席に向けると、「みんな楽しんでますか!?」と第一声。「かわいい~!」と女性ファンからの声が飛びかう。ここまで間近で見る機会もなかなかないはずで、ステージ前の観客たちも興奮を隠せない様子だ。「初めて観る人もいると思うので、今日はドメジャーな曲を」とのことで、まずは「ふりぃ」からライヴをスタート。少し鼻にかかった歌い出しは、どこかボブ・ディランを彷彿とさせる。サビでは一緒に歌うファンも。後半、自然に手拍子や「スーハースーハー!!」とコーラスが起こり、1曲目にして初めての新宿LOFTで観客の心を掌握するさすがのライヴ巧者ぶりだ。2月に発売された7枚目のアルバム「Babe」収録曲の「逝きそうなヒーローと糠に釘男」ではマイナーコードを刻みながら迫力のボーカルを聴かせる。この辺りは所謂“ギタ女”とは一線を画す阿部真央のアーティストとしての魅力の感じさせる。「開演前にタオルが見つからなかったら、竹原ピストルさんがご自分のタオルを貸してくれたの!」と、客席に向かい竹原ピストルのタオルを掲げる微笑ましい場面も。スポットを浴びながら片想いをしっとりと歌った「貴方の恋人になりたいのです」から、男性を想うにしてもかなり対照的な内容の「ストーカーの唄~3丁目、貴方の家~」と、多彩な角度からの楽曲で楽しませる。

中盤では、先ほど椎木が「ハイエースに乗って」を歌ったことに触れ、「じつは私にもハイエースの曲があるんです」と、セットリストを変更して「相模ナンバーのグランドキャビンに乗って」を披露。こんなフットワークの軽さも、弾き語りでライヴができるアーティストの強みだ。「最近はファンクラブイベントでやるくらいで、弾き語りのツアーなども全くやっていないので、すごく刺激になる」とのMCから、おもむろに歌い出した「I wanna see you」にドッと歓声が上がり、コーラスの合唱が沸き起こる。盛り上がったまま続いて歌われたのは代表曲「ロンリー」。悲痛なくらいの切ない歌詞を、ハイトーンのボーカルで揺るぎのないピッチで聴かせ、ボーカリストとしての実力を改めて知らしめた。そして最後に歌われたのは、デビュー以来ライヴで歌っているという未音源化の楽曲「母の唄」。柔らかいギターの音色と静かなストロークの序盤から、ギターのボディを鳴らしながらのパーカッシヴな演奏で激しく歌うサビまで、ドラマティックな演奏と歌で母親への気持ちを表現して、万雷の拍手の中ステージを降りた。

●竹原ピストル
いよいよ、新宿LOFT LOFT 41THANNIVERSARY宮川企画「マイセルフ,ユアセルフ」のトリを務める竹原ピストルが登場。アルペジオが静かに鳴り出すと幕が上がり、1曲目に歌われたのは、いきなりの「Forever Young」。レコーディング音源と全く遜色がないクオリティの高い歌唱とアコースティック・ギターの演奏、ラストのサビで「Forever Young」とマイクから口を離してロングトーンで聴かせる迫力のボーカルに、思わず「すげぇ…」と声を漏らす者もいたほど。実在のモデルを歌い“薬づけでも生きろ”と連呼する「LIVE IN 和歌山」はこの日も強烈に胸に突き刺さった。固唾を飲んで聴き入っていた観客が声を上げたのは、賑やかなシャッフル・ナンバー「みんな~、やってるか!」。サビになるとたまらなくなったかのように「みんな~、やってるか!」と張り裂けんばかりの声で叫んだ男性ファンがいた。感情豊かな歌と対照的に、淡々と次の曲を歌っていくピストルだが、流れる汗とギターを頻繁にタオルで拭いつつ、「残りの曲数とタオルの枚数がつり合ってなくてドキドキしているんですけど(笑)」と笑わせた。まるで1ラウンドごとにコーナーに戻って来るボクサーのようだ。ライヴに足を運んでくれる人たちへの感謝を込めて、と歌われた「ぼくは限りない ~One for the show~」のダウンストロークによる朴訥とした演奏と抒情的なメロディが心に沁みる。ラップ調に韻を踏みながらで矢継ぎ早に言葉を重ねていくド迫力の「ママさんそう言った ~Hokkaido days~」から、息継ぎまで聴こえるほど少ない音数で祈るように歌われた「Amazing Grace」と、観客はただただ、そのパフォーマンスにくぎ付けになっている。

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