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Interview with HONNE

HONNE03_NeoL | Photography : Riku Ikeya

女優のミラ・ジョヴォヴィッチが熱烈なサポーターであることも知られるイギリスのポストR&Bデュオ、HONNE。ヴォーカル、プロデューサーのアンディはかつて日本に滞在し、グループ名に「本音」と付けるほどの日本びいきの彼らは昨年リリースのアルバム『Warm On A Cold Night』がヒットを記録し、その後のライヴを通じて、じわじわとロングセールスを続けている。生楽器を織り込んだトラックにソウルミュージックのあたたかみが注ぎ込む彼らの音楽哲学、HONNEの本音について話を訊いた。

──HONNEの音楽は、James BlakeやRhye、Inc. No WorldをはじめとするポストR&Bの系譜にありつつ、生音がふんだんに用いられていて、さらに言えば、そのミックス具合が独特ですよね。

アンディ「僕らのサウンドはプロフェットというシンセサイザーが一つの鍵になっているんだ。ただ、僕らはエレクトロニック・ミュージックが好きではあるけれど、同時にいい曲を作りたいと思っていて、それが独特なミックスに反映されているんだと思う」

ジェームス「エレクトロニック・ミュージックにはダンサブルなものとエクスペリメンタルなものがあって、例えば、James Blakeはエクスペリメンタルなものだと思うし、Caribouはダンサブルなものだよね。僕らの場合はそうではなく、ソング・オリエンテッドなものを作りたいと思っているし、そうなった時、やっぱり、曲の主軸はヴォーカルとピアノということになるよね」

──特にライヴにおいては、生楽器が用いられることで、HONNEの楽曲に変化が生まれていますよね。

ジェームス「そうだね。ラップトップのみのライヴが機能するアーティストもいると思うんだけど、僕らの場合はバンドと一緒にライヴをすることで、確かに一回一回のライヴに変化が生まれているし、レコーディングで作り込んだ楽曲をライヴで演奏しているうちに、どんどんライヴが面白くなってきているのは確かだよ。周りを見渡しても、そういうアーティストが増えているんじゃない? 例えば、Chance the RapperにはThe Social Experimentっていうバンドがあるし、Frank OceanやKendrick Lamarもミュージシャンと積極的にコラボレーションしているよね。そういったアーティストに刺激を受けつつ、僕らも僕らなりに同じような音楽を繰り返し作るんじゃなく、サウンドをどんどん進化させていこうと心がけているんだ」

HONNE_NeoL | Photography : Riku Ikeya

──曲のアイデアはお互いが出し合うんですよね?

アンディ「まず、それぞれが集中しながら作って、最後にそれぞれのアイデアを合わせていくんだけど、お互いが出したアイデアに対して、どういうリアクションをするか分からないでしょ?だから、相手の反応を想定しながら、アイデアを出すんだけど、それに対して、相手が上手く乗れなかったら、そのアイデアはそれまでだし、それが上手くハマれば、作業はスムーズに進むんだ」

ジェームス「そうかと思えば、“Gone Are The Days”って曲は自分たちのなかで出来がイマイチだと思ってて、お蔵入りになりかけたんだけど、何人かに聴かせたら、この曲すごくいいじゃん!っていう反応があって。結果として、作品としてリリースされたんだけど、自分たちがイマイチだと思っても、リスナーにとってはいい曲だったりすることもあったりして、音楽には何があるか分からないし、出したアイデアに対して、こうだと決めつけないで、柔軟に対応することも大事だなって思うよ」

──昨年リリースされたアルバム『Warm On A Cold Night』は制作に2年を要した作品ということですが、今の音楽シーンのめまぐるしいトレンドの移り変わりを受けて、その2年の間に目指すアルバムのイメージはぶれることがなかったんですか?

ジェームス「なかったね。2人で音楽を作り始めた当初はとりあえず沢山、曲を作ろうというところから始めたんだけど、そうした試行錯誤を踏まえつつ、アルバムを作る段階では真っ新な状態から始めることができたし、僕らにとってはそうやって作品を作ることができたのは、その間に移り変わるトレンドを取り入れるより、何より大切なことだった」

アンディ「いい曲っていうのは、トレンドは関係ないし、タイムレスなものだよね。僕らがライヴでカヴァーしているDarondoの“Didn’t I”という曲は70年代の曲にもかかわらず、いまだにフレッシュに響くし、どうしてフレッシュなままなのかというと、当時のトレンドに則った曲だからではなく、ヴでカヴァーしているダロンドの“Didn’t I”という曲は70年代の曲にもかかわらず、いまだにフレッシュに響くし、どうしてフレッシュなままなのかというと、当時のトレンドに則った曲だからではなく、それ自体がいい曲だからじゃない? そんなタイムレスな作品を作るのが自分たちの目標だよ」

──お二人がお好きなアーティストの一人、Michael Jacksonもまさにそんなタイムレスなアーティストですもんね。

ジェームス「ホントその通りだよ。Justin TimberlakeもBruno Marsもアルバム丸々一枚でマイケル・ジャクソンをコピーしているだろ? そうやってみんながコピーしたがるのは、彼の音楽には時代を経ても変わらない素晴らしさがあるからでしょ。まぁ、Michael Jacksonになりたいと言うと恐れ多いけど(笑)、彼が生み出した名曲の数々に一歩でも近づけるといいね」

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