リッカルド・シャイー率いるルツェルン祝祭管弦楽団、交響曲のみのプログラムで11年ぶりの来日
世界の名手たちが年に2回集い結成されるルツェルン祝祭管弦楽団が、11年ぶりの日本ツアーの為、来日中だ。10月6日のツアー開幕を控え、六本木ミッドタウン内に展示された移動式コンサートホール「アーク・ノヴァ」内で10月4日に記者会見が開かれた。
オーケストラとしての来日は11年ぶりだが、ルツェルン・フェスティバル自体は2013年から3年連続で福島復興支援プロジェクトを通して日本との繋がりをますます強くしてきた。今回は、東北での会場となった巨大な移動式コンサートホール「アーク・ノヴァ」が、六本木ミッドタウンの広場に展示されているタイミングでの来日。21_21DESIGN SIGHTの「『そこまでやるか』壮大なプロジェクト展」で、アーク・ノヴァの模型や映像を含め、既存の表現方法の垣根を超えた作品群が10月1日まで紹介されており、「アーク・ノヴァ」ではこの日もコンサートが行われ、多くの人が詰めかけていた。
今回ルツェルン祝祭管弦楽団(LFO)を率いるのは、昨年夏、正式に音楽監督を務めることになったマエストロ、リッカルド・シャイー。ロイヤル・コンセルトヘボウ管やライプツィヒ・ゲヴァントハウス管のトップを経て、現在はミラノ・スカラ座の音楽監督を勤めている。LFOを率いてきたトスカニーニ、そしてアバドというイタリア音楽史の系譜に思いを馳せるクラシックファンも多いことだろう。
今回予定されているプログラムは、ベートーヴェン「エグモント」「交響曲第8番」、ストラヴィンスキー「春の祭典」、そしてR.シュトラウス「ツァラトゥストラ」「死と浄化」「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」となっている。
全てのプログラムがソリストを伴わないオーケストラ曲であることについて、シャイー音楽監督は「世界最高峰の音楽家達が集まって演奏しているこの特別なオーケストラの音色というのを、皆様に堪能して欲しいと思っています」と語り、「ストラヴィンスキー『春の祭典』を、日本の皆様は非常に楽しみにされているのではないでしょうか。LFOは優れたソリストの集まりです。個々のソロが非常に際立ってきこえてくると、色々な発見があるのではないでしょうか」と自信を見せた。いずれの交響曲についても、それぞれのソロパートについてソリスト級の演奏家達による、最も高いレベルのシンフォニーを味わう絶好の機会になりそうだ。
他、ルツェルン・フェスティバル総裁 ミヒャエル・ヘフリガー氏、KAJIMOTO 代表取締役社長 梶本眞秀氏、そしてルツェルン音楽祭とスポンサー契約を締結しているアデコグループジャパン社長 川崎健一郎氏が登壇した。記者会見の様子、またその後続けて披露された室内楽コンサートの全貌は、YouTubeで公開されている。text:yokano
◎公演概要
リッカルド・シャイー指揮
ルツェルン祝祭管弦楽団
2017年10月6日(金)19時 東京・サントリーホール
2017年10月7日(土)17時 東京・サントリーホール
2017年10月8日(日)15時 ミューザ川崎シンフォニーホール
2017年10月9日(月・祝)15時 京都コンサートホール
◎ルツェルン祝祭管弦楽団 来日記念記者会見&コンサート
https://youtu.be/IuHkoN7rcnY
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