【沿線調査】~京成本線沿線の住み心地~ 空港だけじゃない! 穴場スポットが多く混雑が少ない
京成上野駅から成田空港駅までを結ぶ京成本線。お盆の帰省や家族旅行などで利用したことのある人もいるのでは? 空港に直結というのももちろん便利だが、途中には京成津田沼駅や京成船橋駅などの大きな駅もあり、“千葉県民の足”的存在だ。では、そんな沿線に住む人たちは、その住み心地をどう感じているのか。京成本線沿線に住むユーザー150人を対象にアンケート調査を実施し、ユーザーの本音を探った。
混雑が少なく座れる頻度が高い!? 家賃・物価の安さもユーザーお墨付き
京成本線は、文字通り東 “京” と “成” 田(千葉県)を結ぶ路線。京成電鉄のスカイライナーに乗れば、最短36分(日暮里駅から空港第2ビル駅まで)で、IC利用時は2465円。しかし京成本線の特急に乗れば、京成上野駅から成田空港まで約1時間20分ほどかかるが、料金は半分以下の1025円(IC利用時)だ。乗車運賃の安さやその輸送スピードの速さが上位に来ることが予想されるが、ユーザーが思う、沿線の好きなところ・気に入っているところは?
●好きなところ(複数回答)
1位:どこに行くにも便利(50.4%)
2位:家賃や物価が安い(30.7%)
3位:座れる頻度が高い(25.5%)
4位:ほかの沿線に乗り換えしやすい(24.8%)
5位:乗車運賃が安い(24.1%)
6位:ラッシュ時も混雑が少ない(23.4%)
7位:遅延が少ない(19.7%)
8位:運行本数が多い(16.1%)
9位:走行中の景色が好き(10.2%)
10位:好きな駅やスポットがたくさんある(6.6%)
「どこに行くにも便利」の項目が50.4%で第1位となりユーザーからは「空港へも行きやすいし、東京にも出やすい」(37歳・男性)、「JR線にも、東京メトロ線にもアクセスしやすい」(33歳・女性)などの意見が挙がった。予想通りの結果といえばそうなのだが、今回SUUMOジャーナルが調査した15路線で比較すると全体で最下位。最もポイントが高かったJR山手線の93.2%には遠く及ばない。
それとは逆に、「ラッシュ時の混雑が少ない」の項目は15路線の中で最もポイントが高く、20%を超えたのは京成本線のみ。「ほかの沿線に比べると、通勤は多少楽だと思う」(46歳・男性)や「通勤に便利であり、JR線ほどの混雑がない」(37歳・女性)、「座れる確率が高い」(50歳・男性)といったコメントが多く見受けられた。通勤や通学時の混雑は、多くの人がストレスに感じてしまうもの。そのストレスが軽減されるということだけでも、ユーザーには大きなメリットとなるだろう。
また、「座れる頻度が高い」の項目では、6位「ラッシュ時も混雑が少ない」と絡んでくるようで、「混雑していないから座れる頻度が高いと思う」(51歳・女性)、「いつも座れて混みあってイヤな思いをしたことはない」(65歳・女性)、「子連れなので、座れると安全だし、助かる」(29歳・女性)など、特に女性からの意見が多かった。
さらに、2位「家賃や物価が安い」は15路線中3位、続く「座れる頻度が高い」の項目も15路線中2位となかなかの高評価。コメントでも、「家賃や物価が安い」では、「以前住んでいた何カ所かに比べ、食料品など物価が安い」(68歳・男性)、「物価が安く、利便性もさほど悪くない」(60歳・男性)といった意見が散見された。
「京成線最強説」は本当だった!? 一方「設備面」では不満も……
一方で、「ここだけは改善してほしい」と感じているところはないものだろうか? そこで、続けて「今住んでいる沿線で、もう少し改善されると良いのに…と思うところはどこですか?」と質問。TOP10は以下のような結果になった。
●改善してほしいところ(複数回答)
1位:あてはまるものはない(26.0%)
2位:ほかの線との乗り換えが不便・面倒(20.0%)
2位:運行本数が少ない(20.0%)
2位:駅やホーム、トイレが清潔ではない(20.0%)
5位:乗車運賃が高い(18.0%)
6位:終電が早いもしくは始発が遅い(17.3%)
7位:駅のエレベーターやエスカレーターが少ない(15.3%)
8位:通勤ラッシュ時の混雑が激しい(12.0%)
9位:乗客のマナーが悪い(11.3%)
10位:車両内が汚い(6.7%)
1位が「あてはまるものはない」であることから、なんとなく不満が少ないように感じるが、コメントを見てみるとそうでもないようだ。いくつかの項目をピックアップして紹介しよう。
●「ほかの線との乗り換えが不便・面倒」
「行きたい場所にたどり着くのに、何度も乗り換えなくてはならない」(52歳・男性)
「JRと駅が近いのに、便利に乗り換えできない」(62歳・男性)
●「運行本数が少ない」
「普通列車しか止まらない駅の不便さを考えてほしい。本数を増やせないのなら、乗降客数を見定めて急行停車駅など、再検討してほしい」(62歳・男性)
「時間帯によっては、20分に1本しか電車が来ないところもある」(23歳・女性)
「日中、本数が少なくて不便だから」(36歳・男性)
●「駅やホーム、トイレが清潔ではない」
「暗いし狭いし、古くて清潔でない」(57歳・男性)
「トイレなどに、前の日にポイ捨てされていたゴミが、次の日になってもある」(46歳・女性)
「古いままのトイレで清潔感がなく、洋式の数が少ない」(68歳・女性)
また多くの路線では、「悪天候時や事故など、遅延が多い」の項目が上位にランクインしていたのだが、京成本線ではランク外となっているのも興味深いところ。一度は聞いたことがある人もいるだろうが、ネット上では、「台風や大雪などがあっても、京成線が動いている限り休校にならない」「人身事故からの復旧が早い」など「京成線最強説」がささやかれており、それはユーザー自身が身をもって実感しているということかも?
空港だけじゃない! 商店街やプラネタリウム、グルメも充実の沿線
ここまで、「気に入っているところ」と「改善してほしいところ」を聞いてきたが、今度は「今住んでいる沿線は好きですか?」と聞いてみたところ「とても好き・好き」と回答した人は70.0%。反対に「あまり好きではない・嫌い」と回答した人は8.7%という結果に。「沿線が好き」の割合は、15路線の平均で74.9%なので、やや下回る形となった。
京成本線沿線を住まいの候補としている人や住まい探しで悩んでいる人に向けて、より具体的な魅力を挙げてもらおうと沿線のオススメポイントを聞いてみたところ、以下のような回答が得られた。
「これから発展しそうな地域がまだまだある」(57歳・男性)
「子どもがたくさんいて、下町情緒があふれている」(37歳・女性)
「下町らしく、気さくな人が多い。大きめの公園も多いので子育てするには便利だし、交通の便が良いので通勤にも便利」(41歳・女性)
「電車の混雑も少なく、住宅地はとても静か」(52歳・男性)
「のんびりしていて、都会とは思えないくらい落ち着く」(22歳・女性)
上記の意見はほんの一部ではあるが、アクセスの良さはもちろんのこと、「子育て世帯にオススメ」という声は多い。また、沿線の好きなところランキングで2位に入った「家賃や物価が安い」という点を挙げる人も多いようで、「環境が充実していて、物価が安く暮らしやすい」(59歳・男性)、「庶民的で住みやすいと思う」(27歳・男性)といったコメントも見受けられた。
今回はさらに、「デート」「子連れ」「穴場」という3つのシチュエーションでのオススメスポットについても、それぞれ教えてもらったので紹介しよう。
●デートするなら?
・船橋競馬場駅周辺「ららぽーとTOKYO-BAYやIKEATokyo-Bayなどがあり、ナイター競馬も楽しめる」(49歳・男性)
・堀切菖蒲園駅/堀切菖蒲園(改良工事のため休園中)「今は改装中だが、入園無料でちょっとした憩いの場」(63歳・女性)
・京成成田駅/成田山新勝寺「自然に囲まれて、のんびり散歩できる」(37歳・女性)、「成田山新勝寺へ行く参道は、酒屋やお菓子屋、うなぎ屋などバラエティーに富んだ色々なお店があり、10数分だが楽しみながら、昔を感じつつ歩けるところ」(59歳・男性)
・京成佐倉駅/国立歴史民俗博物館「色々な歴史文化を知ることができ、一日中満喫できる」(46歳・男性)、「周辺の古い町並みも味わいがあり、桜のシーズンは特にキレイ」(51歳・男性)
●子連れでおでかけするなら?
・京成佐倉駅/佐倉草ぶえの丘「ミニ鉄道や動物との触れ合い、体験学習ができるから」(43歳・女性)、「広くて、秋は芋掘りもでき、祝祭日は園内の古民家でお餅などを食べられる」(51歳・男性)
・成田空港駅/成田空港「飛行機を眺めるだけでも楽しいと思うし、お腹が空いたらレストランもたくさんある」(37歳・男性)
・ユーカリが丘駅/アクア・ユーカリ「ボーリング場やプール、お風呂などもあるので、年齢を問わず楽しめる」(46歳・女性)
・お花茶屋駅/葛飾区郷土と天文の博物館「プラネタリウムがある」(57歳・男性)
●穴場なスポットは?
・京成大久保駅/大久保商店街「昔ながらの商店街で、個人経営の店も多い。学生街なので物価も安い」(38歳・女性)
・宗吾参道駅もしくは公津の杜駅/宗吾霊堂「成田山はメジャーだが、ここは落ち着いていてのんびり気分で良い」(51歳・男性)
・京成成田駅からバス/さくらの山公園「春はキレイ」(26歳・男性)、「飛行機が間近で見られる」(42歳・男性)
・町屋駅周辺「都電(都電荒川線)が走っていて、レトロな雰囲気がある」(27歳・男性)、「乗り換え路線があるし、飲食店も色々ある」(32歳・女性)
筆者自身、京成本線=空港への交通手段という認識が強かったし、実際そういった目的での利用しかしてこなかった。しかし沿線ユーザーのリアルな声を聞いて、通勤・通学時のストレスが比較的少ないことや設備面での不安・課題があること、そして数々の魅力的なスポットがあることを知ることができた。これらの意見を参考に、空港以外の駅にも降りて、それぞれの駅がもつ空気感を味わってみるのもよいのではないか。●調査概要
[沿線に関する調査]より
・調査期間:2017年2月23日~2017年2月27日
・調査方法:インターネット調査(ネオマーケティング)
・対象:京成本線沿線に現在住んでいる、20~60代の男女
・有効回答数:150名
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