昭和な雰囲気の店内で昭和な感性を持った姉妹が生み出す昭和な味のグルメ「みその葉」【福岡】

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警固の路地裏の隠れた名店

テレビのカウントダウン番組が隆盛だった子どもの頃、家族みんなでランキングを楽しみにしていた時代を過ごした方も多いのではないでしょうか。

「今のヒット曲は知らないけど、昭和の時代のヒット曲なら歌詞を見なくても歌える」

そう豪語できる方は意外と多く、昭和の時代の曲がいまだに人々の記憶に根強く残っていることを実感します。かくいう俺も昭和のヒット曲は大体頭の中に残っており、取材中に流れてきた某銀河鉄道が宇宙を旅するアニメの主題歌が頭の中で何度もリピートしています。

さて、今回の取材は福岡市の警固エリア。近年新しいお店が続々誕生しており、しかもどのお店も「隠れ家」的雰囲気に包まれている大注目のエリアです。

この警固エリアに2017年3月に誕生した「一汁一菜 みその葉」は、これまで取材してきたお店の中でもとびぬけて”隠れている”ため、初めて訪問する方はきっと戸惑ってしまうことでしょう。

しかし、一旦お店に足を踏み入れるとそこは昭和感あふれる居心地のいい空間が広がっています。

これ、お店の場所絶対わからんやろ!?

思わずこんな方言が出てしまうほど隠れている「一汁一菜 みその葉」。隠れ家マニア(?)はきっと狂喜乱舞してしまうはずです。

お店への行き方ですが、まずは警固の四つ角を目指しましょう。

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警固四つ角を薬院方面に向かって進みます。

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途中、左手に警固小学校を見ながらさらにまっすぐ進むと

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左手に秋本病院が見えます。その先の角(薬局がある角)を左に曲がりましょう。

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薬局の角を左に曲がると、すぐ左にこのような細い道が通っているのが見えます。車がギリギリ通れるくらいの細さなので見落としてしまうかもしれません。この細い道を進みましょう。

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細い道に入って約10メートル。金網にこのような看板を見かけたらもうすぐそこです。右側に進めばお店があると……

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ん?? アパートの入り口なんですけど……? でも奥に何かあるなあ。何だろう?

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あ、ここにも案内板あった。で、左を見ると……?

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あった! ていうかここアパートの一室?

105号ということは、この一番奥がお店なんですね!

これ、初めて来る人はすごく戸惑うことと思います。こんな奥まったアパートの一室にお店があるなんて思いもしないでしょうし……。

では、お店に入ってみるとしましょう。

お店に入ると流れてくる昭和のヒット曲

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お店の扉を開けると、まずこぢんまりとした6人掛けのカウンター席が目に飛び込んできます。

外観こそアパートですが、中はれっきとした飲食店。木目のカウンターや自然の木を活かしたテーブル、そしてBGMは誰もが知っている昭和のヒット曲。お店に入った途端、心が落ち着くのを実感できます。30代、40代にとってはどこか懐かしさを感じる空間でしょう。

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カウンターの後ろ側には、このようにテーブル席も用意されています。

なんか広いぞ? と思って聞いてみると、何とアパートの壁をぶち抜いて2部屋を使って1つのお店にしたとのこと。また、内装はほぼ手作業で床板から壁のしっくいから天井から照明まで手掛けたそうです。なるほど、窓のあたりは確かにアパートの面影が残っていますが、それ以外は完全に飲食店のそれです。

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カウンターの奥には地元福岡のお酒を中心に、何種類かの日本酒や焼酎が並べられています。ちょっと気になるラベルもありますね……。

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棚の上にはちょっとこだわりの器などが並んでおり、この場でいただける料理に対する期待が高まりますね。

いくつか気になる点があるので、お店の方にお話しを聞いてみましょう。

「お酒と料理をゆっくり楽しんでもらう」ことをコンセプトにしたお店

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▲今回お話しをおうかがいしたのは、左からみどりさん(妹)とあけみさん(姉)の姉妹

ーーどことなく懐かしさを感じるお店ですね

2人とも昭和の人間ですし、お客様も比較的昭和を生きてきた方が多いんですよ。お出ししている料理も昭和の時代の懐かしさを感じてもらえるよう意識しています。

ーーちなみにBGMの選曲は?

私たちの好みです(笑)

昔のヒット曲が懐かしいので、あの時代の曲をいろいろ選んで流しています。

ーー店名に「みその葉」と付けているということは、おみそにこだわっているのですか?

そうですね。みそはお店オリジナルの手作りみそを使っています。昔からみそは手作りにこだわっていて、おいしいみそ料理には自信があります。

ーーみその手作りって難しそうなのですが……

そうでもないですよ。確かに手間と時間はかかりますが、手作りみそのおいしさは別格です。個人的に食育事業も手掛けているので、食べ物はできるだけ手作りにこだわるようにしています。

ーー食育ですか?

はい。高校や大学など地域の教育機関と連携して、主に子ども料理教室や料理イベント企画、講演などを行っています。食育指導士とみそソムリエの資格を持っているので、いろいろなところからお声をかけていただいています。

ーー幅広い活動をされているんですね

実は食育用にオリジナルのまな板も開発して、大手量販店などで扱ってもらっています。子どもが使いやすいようにいろんな工夫を詰め込んでるんですよ。

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▲お店に展示してあるまな板。持ち手やフォルムなどにさまざまな工夫が活かされています

ーーこのお店のセールスポイントを教えてください

おいしいお酒と、おいしい肴、だしやみそにこだわった料理などを、懐かしい味付けで提供しています。仕事終わりや買い物帰りなどにふらっと立ち寄っていただき、お酒と料理を楽しんでもらえたらうれしいですね。

まずはおすすめ「ただいまセット」から

さて、おなかもすいてきたので、

まだ日は高いですがお酒と肴をいただくとしましょう。

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▲このようなセットメニューの他に、単品メニューも充実しています

メニューのトップを飾る「ただいまセット」がおススメとのことなので、こちらをオーダーしてみます。

通常は飲み物としてビール中瓶がついてくるのですが、日本酒が飲みたい気分だったので、ビールからおススメ日本酒の「一鳥万宝(瑞穂菊酒造)」に変更しました。

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▲ただいまセット 1,600円

前菜3品は日替わりとなっています。この日は左から「バンバンジー」「茄子とカボチャの揚げびたし」「トマトの塩麹和え」。それぞれ彩り豊かな盛り付けでおいしそう!

「一鳥万宝」はアイガモ農法で作られたお米を使っている純米酒。口あたりは純米酒特有のすっきりした感じですが、鼻への抜け方がワインのようです。結構好きなタイプかも。

続いて前菜。まずは「バンバンジー」からいただきます。

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この「バンバンジー」、自家製のごまだれがものすごくおいしいです!

口に近づけるだけでごまの風味が広がり、上品でさっぱりした味付けは日本酒にベストマッチ。「いいもの食ってるなあ俺」って実感する瞬間です。

「トマトの塩麹和え」も塩加減抜群! カウンター越しの会話も弾みます。主に昭和な時代の話ですが(笑)。

続いて、この店自慢の定番メニュー「出汁巻き玉子」をオーダー。

ちょうど出来立ての「出汁巻き玉子」を特別に撮らせていただきました。

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▲出来立ての「出汁巻き玉子」。まだ湯気が立っているのがわかりますでしょうか

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▲それをこのサイズにカットしていただきます。「出汁巻き玉子」 300円

さすが定番というだけのことはあり、出汁の風味がめちゃくちゃいい感じです。九州らしい甘さを伴った味は、単身赴任や出張などで東京から来ている方は少し違和感を抱くかもしれませんが、九州人としてはこれ以上ないベストな甘さの「出汁巻き玉子」です。これも日本酒に合いますね。お酒が進みます。

続いておすすめの一品料理へ!

次に、「めんたいコロッケ」をオーダー。揚げ物なのでお酒は焼酎にしてみましょう。焼酎は気になっていたカウンター奥の緑のラベル、屋久島の芋焼酎「大自然林」をいただくとします。

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▲大自然林 700円、めんたいコロッケ 1,000円

「大自然林」は、屋久島にほれ込んで大阪から移住した女性杜氏の手による芋焼酎。数々の賞を受賞しているそうです。芳醇(ほうじゅん)な味わいが特徴で、ロックでもお湯割りでも楽しめそうです。

「めんたいコロッケ」は、外側にじゃがいも、内側に福岡名物の明太子を入れて揚げた一品。じゃがいものほくほく感と明太子のつぶつぶ感のハーモニーが絶品!

じゃがいもと明太子の相性がこれほどいいとは思わなかったです。

そしてやはり最後の〆は「ぶたみそおにぎり」と「みそ汁」で。

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▲ぶたみそおにぎり 300円(奥)、みそ汁 500円(手前)

「みそ汁」の香りがもう最高!!

「みそ汁」の器を抱えたまま深呼吸したいくらいです。お前はネコか! と言われるくらいクンクン匂いを嗅ぎたくなります(笑)。

味も塩分薄めの優しい感じ。健康に良さそうですね。

おいしい料理とおいしいお酒、そして懐かしく楽しい会話。姉妹自ら「昭和の店」を名乗るだけあって、どこか懐かしく、落ち着いた感じのするお店です。

初めての人はあまりの隠れ家っぷりにお店に入るのに勇気を必要としますが、一旦入ってしまえばリピーターになること間違いなし。ぜひ勇気を振り絞って(?)このお店を訪れてみてください。きっと大満足の夜となるでしょう。

お店情報

一汁一菜 みその葉

住所:福岡県福岡市中央区中央区警固1-3-6 警固フラット105号

電話番号:092-725-6383

営業時間:平日17:00~22:00、土曜日・日曜日・祝日15:00~22:00

定休日:月曜日・火曜日

Facebook:https://www.facebook.com/misonoha/

※この記事は2017年7月の情報です。

※金額はすべて税込みです。

書いた人:桂浩一

桂浩一

1968年生まれ。福岡出身。東京で就職するも福岡の味が忘れられず、何のあてもなく退職してUターン。 現在フリーライターとして活動中。メシと酒とホークスをこよなく愛する自由人。 一応、人事組織コンサルタントみたいなこともやっているが本業は食べ歩きと思っている。

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