マウスコンピューターの『親子パソコン組み立て教室』レポート 真剣な顔でパソコンと向き合う親子の姿がそこに
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7月29日に長野のマウスコンピューター飯山工場にて『2017年度 親子パソコン組み立て教室』が開催。親子が協力してパソコンを組み立てる同イベントは今回で8回目となる。体験者から「また来たい」と評判の高く、遠方からも参加者がいる激アツイベントと話題だ。実際、どんなことをしているのだろうか。マウスコンピューターは手作りにこだわりを持つパソコン製造メーカーである。これは期待感がある。
サブカルライター・モトタキがマウスコンピューターさんの協力の下、密着取材してきた。
会場は満員御礼
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東京駅から最寄りの飯山駅までは北陸新幹線を利用すれば1時間51分。意外と近い。駅もきれい。そこからタクシーに乗って、やってきましたマウスコンピュータ飯山工場。
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受付をする参加者たちが絶え間なく現れる。
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会場に入ってみると満席だった。35人の子供たちが参加。学校1クラス分は集められていることになる。
会場ではマウスコンピューターの手作業への思いが込められた歌『もしもロボットがいてくれたら』 が流れていた。
関係者からの挨拶
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小松永門社長からの挨拶があった。「自分で自作のパソコンを組み立てると、そこからパソコンとの長い長いお付き合いがスタートする。パソコンがどんな風にできているのかを実感してほしい」。
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イベントには飯山市市長である足立正則氏も訪れた。「飯山市は沢山の自然に囲まれた環境です。しかし、コンピュータを作っています。これから先の時代は、全てがパソコンとつながっていきます。ぜひとも飯山で最先端のテクノロジーに触れてください」。
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親子パソコン組立教室校長の勝山友和氏の挨拶もあった。“自作パソコンの楽しさ”について語る勝山氏。後でパソコン組み立てをする上で注意したいパーツ解説のコーナーを実演する様子もお伝えする。その時の子供たちの食いつき具合いはすごかった。
まずは工場見学へ
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挨拶が終わると工場見学の時間になった。参加者たちは3グループに分かれて、工場内へと入っていく。
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マウスコンピュータのパソコンの多くを製造する飯山工場の製造ラインや、組み立てたパソコンの動作をチェックする検査エリア。そしてパソコンを箱に詰める出荷エリアまでを見学。
先生役のスタッフが溌剌な声でエリアごとに「ダンボールに貼り付けた紙の色の違いでスケジュール管理をしている」などの小ネタを挟みつつ、どんなお仕事をしているのかを伝えてくれた。
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参加者の子供たちはもちろん、保護者の方々も興味津々で聞いていた。
校長が熱演“パーツ解説コーナー”
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工場見学の次は校長による“パーツ解説コーナー”だ。これから自作パソコンを組み立てるうえで、何に気をつけるべきなのかを熱く語ってくれる。
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実際のパーツを見せながらの解説。どこを触ってはいけないのかを重点的に伝える。パーツひとつひとつが、どんな働きがあるのかも、もちろん伝えた。
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モニターで簡易な説明も表示。スマホやゲームなど子供たちにとっても身近なアイテムが例に挙げられる。
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子供たちも真剣そのもの。まるで新聞文化面のような絵があふれる。熱気が伝わるだろうか。ノートに必至に書き留める少女もいた。
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パーツ解説が終わると、パソコン組み立てのためのパーツを自分で集める“ピッキング作業”だ。スキャナーでバーコードを読み取ると、棚にある必要なパーツが光って音が鳴る。パーツを取ると光はボタンを押して消していく仕組みだ。
親子が熱中“パソコン組み立て教室”
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ピッキングが終われば、ようやく本番。パソコン組み立て作業に親子で挑戦することになる。先生役としてスタッフが一組に一人つく。だが基本的にアドバイスはしない方向性である。
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子供たちはガチンコでパソコンを組み上げる作業に熱中。保護者の反応も様々で、思わず手を出してしまう人やジィッと見守り続ける人、一緒に組み立てるのを楽しんでいる人がいた。
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組み立てるのは大きくデスクトップとノートパソコンの2タイプに分けられる。ノートパソコンのほうが比較的カンタンに作れる傾向がある。とはいえ、パソコン組み立て自体はじめての子供たちにとっては、なかなか難しい作業の連続のようだった。
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組み立てれば、最後は起動コードを打ち込んで最も緊張感が高まる瞬間。動けば、これまでの作業すべてが報われる最高の瞬間でもある。子供たちの喜びの声があふれていた。
『パソコン組み立て教室』参加者の感想は
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参加者である親子一組に話を聞いてみた。今回のイベントには父親が参加を申し込んだとのこと。娘さんが楽しんでくれるか心配だったが、当の娘さんは「とっても楽しかった」と満面の笑顔。父親も思わず安堵の息。娘さんにパソコンは使うのかと聞くと、主にYouTuberの動画を観るのだそうだ。お気に入りは“おるたなChannel”。
本当にYouTuberは小学生に人気なんだな、とちょっと関係ないことで感心。親子は今回は福井から車で数時間かけてやってきたとのこと。このあとは宿で一泊。温泉を楽しんで癒やされるのだとか。
社長にインタビュー「親子パソコン組み立て教室を続ける原動力」とは
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主催者である小松永門社長に『親子パソコン組み立て教室』に関するあれこれをインタビュー。
小松社長:
「『親子パソコン組み立て教室』は今回で8回目。7月下旬か8月上旬に催しています。最初のきっかけは、地域のユーザーと交流の場を求めてでした。年々参加者は増えています。しかし規模感としては今がもっともベストだと感じてます。
遠くは関西や沖縄からの来訪もありました。兄弟のいる家庭ではリピートすることもあり、今回はベトナム出張中の家族がはるばる海外から参加してくれたようです。
自作パソコンを一度作れば、親と子の話題になります。パソコンは一生もの。中身をきちんと知っている同士であれば、故障してしまった時に、より深いレベルで話をすることができます。ここで自作パソコンを作った子供たちが末永くパソコンと付き合ってくれると嬉しいですね」
パソコンで深まる親子の絆。それは今回の教室を見ていても感じるところがあった。親子は家族でありながらも共通の話題は意外とないものだ。自作パソコンは、とてもよい架け橋となってくれるだろう。
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パソコン組み立てが終わると修了証が授与される。一組一組に先生からの採点があり、ベスト5にはパソコンのパーツやシャツがプレゼント。参加賞も、もちろんある。
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最後は豪勢なBBQでシメ。パソコン教室の前には毎年長蛇の列ができる「訳ありセール」も開催。キズありのパソコンやイベントなどで展示されたパソコンを再整備したアウトレットセールである。
気になる人は来年の今頃のマウスコンピュータをチェックすることを忘れないようにしよう。親子で参加すれば忘れられない夏休みの思い出になること間違いなしだ。
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(執筆者: mototaki) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか
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