デキる人が欠かさない「何気ない5つの習慣」
世間の評価と自分の努力は、必ずしも一致するとは限りません。よかれと思って取り組んだことが逆効果となり、評価を下げてしまう時すらあるのが現実です。そんな厳しい世の中で、すいすいと仕事で成果を出し、会社で評価を上げる人が稀に存在します。
そこで今回は、広告代理店勤務時代に、周囲の評価を思う以上に上げたVIPと3000人以上交流し、彼らの働き方の秘密を研究している「気配り」のプロフェッショナル・後田良輔さんに「デキる人の何気ない習慣」についてお話を伺いました。
期待以上の評価は「ターゲット設定」で決まる
自分の努力を確実に実績に変換し、周囲の評価を上げていったVIP達は、「誰からの評価を先に上げるべきなのか」の答えを持っていました。
あなたは評価を上げるべきターゲットの優先順位をきちんと決めていますか?周囲の評価を全般的に上げようとするのは失敗の元。川の流れと同じように、周囲の評価は上から流れて大きく広がってゆくものです。そのため、まずは上流にいる「キーマン」から評価を獲得すべき。キーマンの評価が上がれば、そこから周囲の人間に評価が広がってゆくでしょう。
キーマンの評価は「5つの習慣」で獲得できる
「下足番を命じられたら日本一の下足番になってみろ。そうしたら誰も君を下足番にしておかぬ」と、阪急電鉄・宝塚歌劇団・阪急百貨店・東宝をはじめとする阪急東宝グループを創業した実業家の小林一三氏は言いました。
キーマンはあなたの出来る範囲のことしか期待していません。キーマンだからといって、いきなり無理難題をいう訳ではないのです。当たり前の課題を出し、当たり前の答えを返すことで、信頼関係が生まれ、評価が少しずつ上がっていきます。
また、キーマンは大きなことよりも、あなたの小さな習慣に目を向けています。まずは「デキる」より「失敗しない」ということを目指してください。キーマンの評価は「ロープの綱渡り」と同じです。バランスを取り、その場にとどまっているだけでも、ライバルはどんどん脱落していきます。
まずはキーマンが気にしている「口ぐせ」「しぐさ」「メモの取り方」「姿勢」「持ち物」という「5つの習慣」を身に付けることから始めましょう。どれも3秒もあればできることなので、取り組まない手はありません。
■5つの習慣-1 「口ぐせ」
あなたは忙しいときにどんなことを言っていますか?もし忙しいときにそのまま「忙しい」と言っていたら要注意。忙しい時こそ「忙しい」と言わず、「バタバタしている」と言い換えてみましょう。「バタバタしている」は「忙しい」に比べ、ネガティブな印象を含みません。仕事に前向きでいつでも引き受ける姿勢がある人はすぐに「忙しい」とは口にしないもの。「いまバタバタしているから、1時間後でもいいかな」というように代替案を提案しています。そんな人のところに良い情報と面白い仕事は集中していくのです。
■5つの習慣-2 「しぐさ」
キーマンと一緒に歩く時、あなたはどんな風に歩いていますか?評価される人はキーマンを「三角形の頂点」に据えて、自分はやや後方に位置するように歩いています。これが自然とキーマンの優越感をくすぐり、どんどん気持ちよくさせる歩き方なのです。
三角形をキープしながら、状況に応じ、小走りで前に出てドアを開けたり、エレベーターのボタンを押し、手際よく用件をすませたら、今度も小走りで後方に戻る。また、二人のときはキーマンの3歩斜め後方を歩けばOKです。キーマンはこんなちょっとしたしぐさで人を判断しています。
■5つの習慣-3 「メモの取り方」
メモを書く時、あなたは何に書いていますか?ルーズリーフやミシン目つきの紙、または手のひらサイズのメモ帳を使っているなら、A4サイズ以上の大きなノートに変えてみましょう。
キーマンは自分の話をとても重要だと思っています。だからこそ切り離しが可能だったり、風が吹いたら飛んでいくかもしれないメモ紙だったりすることを嫌っている傾向があります。キーマンの話を書き留めるときは、A4サイズ以上の大きなノートで相手にきちんと見えるようにメモする。たったこれだけで「コイツはよく話を聞いているなぁ」という評価を得られます。だからこそ大きなノートに、しっかりと相手に見えるようにメモする必要があるのです。
■5つの習慣-4 「姿勢」
自分の力だけで出来る仕事には限界があります。あなたは人の力を借りるために、どんな工夫をしていますか?キーマンは野球の送りバントのように「手柄を人に譲る」ということを仕掛けています。自分が一発かっ飛ばしたいという気持ちを抑え、チームの勝利のために行う献身的な姿勢です。自分の手柄をわざわざ主張せず、手柄を仲間に譲ってみてください。たったそれだけで「チーム思いの人」という評判が立ち、結果、自分ひとりでは到達できなかった高みに達することができます。
■5つの習慣-5 「持ち物」
キーマンはすべての持ち物に意味を持たせています。例えば名刺入れ。私は3000人のVIPと名刺交換してきましたが、彼らの名刺入れは100%革製の立派な名刺入れでした。
なぜなら名刺入れはいただいた相手の名刺を乗せ、名刺の座布団として使うから。お客様をお招きして、冷たい鉄や汚れた座布団を出す人はいないですよね。
いただいた名刺はお客様の分身。その分身を硬くて冷たい座布団に座らせるのは失礼です。名刺入れは金属製ではなく、革製を使いましょう。あなたが使っている持ち物は「お客様を大切に扱う姿勢」で選んだものになっていますか?この視点がキーマンの視点なのです。
――「こんなところ、誰も気がつかない」という細部に、キーマンは気を配っています。なぜなら自分が若い頃に、自分もそこで損や失敗をした苦い経験を持っているから。「神は細部に宿る」ということわざがあるように、まずは些細な習慣から始めてください。
たったそれだけで本当に信じられないくらい、いろいろなことがどんどんつながりはじめ、人生が劇的に変化していきます。
後田良輔氏/ビジネス書作家・コラムニスト
1972年生まれ。大手3大広告代理店に勤務し、「誰でも使える気配り術」を駆使する気配りのプロフェッショナル。これまで応対したVIPは、東証一部上場社長、世界企業のCEO、政治家、医者、弁護士、大学教授、大物俳優・女優、ミリオンセラー作家、世界No.1クリエイターなど総勢3000名を超える。この特別丁寧に接しなければならない顧客との交流で磨かれたスキルと「東京・名古屋・大阪」の現場勤務で身につけたリアルな経験を組み合わせた、独自の「誰でも使える気配り術」に定評がある。
著書に、『気配りの正解』(ダイヤモンド社)『<落ちこぼれでも3秒で社内エースに変わる!>ぶっちぎり理論38』(ダイヤモンド社)、『逆境を活かす! 就活面接「エモロジカル理論」2015年度版』(実務教育出版)『1秒内定面接術」』(インプレス)など。これらの実績を買われ全国の大学や企業から講演・研修依頼が殺到。新聞・雑誌などメディア露出は50回以上。「世界からキャリアの悩みをなくすこと」をミッションとする。
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