全方位で進化した、BMW 5シリーズ(試乗レポート)
▲7年ぶりに7世代目へと進化した“エグゼクティブ・セダンの代名詞”とうたわれるアッパーミドルセダン。部分自動運転を可能とした運転支援システムや、新世代モジュラー・エンジン・コンセプトに基づくターボエンジンなどを搭載する
駆けぬける歓びと、時に委ねる快適さを
7年ぶりのモデルチェンジで7 世代目になった5シリーズ、BMWマニア的呼称は、G30型ということになる。ボディサイズは先代比で全長25mm、全幅10mm、ホイールベースは5mm大きくなったというが、サイズ感よりも全体の質感がより7シリーズに近づいた。ボディ骨格はアルミと高張力鋼板とマグネシウムを組み合わせて100㎏の軽量化を達成しており、動き出した瞬間に軽さを感じる。ステアリングの操舵感はBMW好きな人にとっては軽すぎると思われるかもしれない。ボディ剛性や静粛性の高さも相まって3シリーズよりも軽快に感じられたほどだ。
事前のプレゼンで、運転支援システムの精度向上により45秒は自動でレーンを保持してくれると説明を受け喜び勇んで高速に乗る。2基のカメラが瞬時に白線を読み取りACCをセットするとスムーズに半自動運転へ移行する。前走車との車間距離が詰まったときのブレーキ制御や速度回復時のアクセルコントロールも滑らかだ。レーンキープ作動中にステアリングから手を離していると、センターディスプレイ中のステアリングマークが緑、黄色、赤と信号のように変化していき約45秒後に解除される仕組みだが、100㎞/hでもそれなりのRのコーナーを難なくクリアしていくのには本当に驚いた。
BMWいわく5シリーズは“世界でも最も成功しているビジネスセダン”というが、駆けぬける歓び方向だけでない全方位での進化に、さすがとうなずくほかなかった。
▲ディーゼルモデルやプラグインハイブリッドもラインナップ。スタンダードモデルに加え、上質な装備を充実させたラグジュアリーとスポーティな装備のMスポーツをそれぞれのグレードに用意した
▲2つのステレオカメラと5つのミリ波レーダーセンサーを用いたドライビング・アシスト・プラスを採用。後輪を60km/h以下では前輪と逆位相に、60km/h以上なら同位相に操舵するインテグレイテッド・アクティブ・ステアリングも装着する
▲タッチパネル機能付きワイドコントロール・ディスプレイを採用。3Dカメラがドライバーの手の動きを認識して、車載コントロール・システムが操作可能なジェスチャー・コントロールを備えた
【SPECIFICATIONS】
■グレード:523d Luxury ■乗車定員:5名
■エンジン種類:直4DOHCターボ ■総排気量:1995cc
■最高出力:190/4000[ps/rpm]
■最大トルク:400/1750-2500[N・m/rpm]
■駆動方式:FR ■トランスミッション:8AT
■全長x全幅x全高:4945x1870x1480(mm) ■ホイールベース:2975mm
■車両価格:768万円text/藤野太一
photo/河野敦樹
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