アウディA4アバント低走行物件が100万円台! ただし「旧型の前期」という部分をどう考えるか?
▲性能とビジュアル、ブランドイメージ、使い勝手等々においてほぼ文句なしなアウディ A4アバント低走行物件の相場が下がっているが、ただし下がっているのは「旧型の前期」。……それって果たして“買い”なのか?
走行3万km台までの物件も車両100万円台! だがしかし……
複数のアウディ正規ディーラーにヒアリングしたところによれば、A4とA6においては圧倒的にアバント(ステーションワゴン)の方がセダンより人気が高いとのこと。さもありなんである。筆者個人も仮にアウディのA4またはA6を買うならば、使い勝手良しでイメージも良好なアバントを選ぶだろう。
そして今、アウディ A4アバントの旧型がけっこうお安い。
具体的には走行3万km台までの物件が、車両価格100万円台で狙えてしまうのである。まぁ「100万円台」というのは多少オーバートーク気味というか演出過多かもしれず、決して120万円とかの格安価格で買えるわけではない。ボリュームゾーンはおおむね170万円前後といったところだ。
だが、それにしたって「走行2万kmとか3万kmぐらいのアウディ A4アバントが170万円」というのは衝撃的にお安いと思うのだが、どうだろうか。
もちろん、その安さには理由がある。
まず第一に、単純な話「型遅れの旧型だから」である。
ご承知のとおりアウディ A4は16年2月のフルモデルチェンジで現行の通称B9型に生まれ変わり、アバントの方も2ヵ月遅れの16年4月、同じくB9型へと刷新された。で、現行B9型の中古車流通量が近頃それなりに増えてきたため、それに押し出される形で旧B8型A4アバントの相場がじりじりと下がってきたわけだ。要するに「古くなったから安くなった」ということである。
▲08年8月から16年3月までの比較的長きにわたり販売された旧型アウディ A4アバント。写真は前期型
▲搭載エンジンは1.8Lまたは2Lの4気筒直噴ターボが基本で、その他モデルライフの途中までは3.2Lの自然吸気V6も用意されていた。駆動方式はFFと、アウディお得意のフルタイム4WD
第二の理由は「旧型のなかでもさらに古い“前期型”だから」だ。
「旧型A4アバントの低走行物件が100万円台!」と書くとなかなかセンセーショナルだが、実際に170万円前後の車両価格で狙えるのは、08年8月から12年3月までのいわゆる前期型。シュッとしたデザインに変更された12年4月以降の後期型は今なお220万~330万円あたりが相場で、ボリュームゾーンも280万円前後といったところだ。
「旧型A4アバントの低走行物件が100万円台!」というフレーズに決して嘘はないが、「でもやはり型遅れの旧型で、なおかつその前期型である」というネガ要素はさすがにあるのだ。
そこをどう考えるべきか? というのが当原稿の主たるテーマである。
▲ちなみにこちらが12年4月から16年3月までの後期型。ビジュアルを小変更するとともに、エンジンは1.8L直噴ターボと3.2L V6が廃止され、出力特性が異なる2種類の2L直噴ターボのみとなった
旧型と現行型の性能差は気にする必要なし。問題はビジュアル面か?
で、いきなり結論めいた話で恐縮だが、「ま、そこはあんまり気にしないでいいんじゃないでしょうか?」というのが筆者の意見だ。
確かに、現行型のアウディ A4アバントは素晴らしい。各種ハードウエアがブラッシュアップされた分だけ、乗り味はより洗練され、より硬質で上質なものとなり、そして最大120kgの軽量化に成功している点もデカい。軽量化とは、車にとってある意味何物にも勝る「チューニング」であるからだ。
……しかしですね、現行型がイイのは当たり前ですが、旧型だってそんなに悪くないと思うわけですよ。例えて言うなら「A5ランクの牛肉は確かに美味いけど、A4ランクの牛肉だって十分美味いじゃないですか!」という感じでしょうか。
クズ肉(やたらとボロい中古車)であれば話は別だが、コンディション良好な旧型A4アバントの中古車とは、決してクズ肉などではない。せいぜい「さすがにA5ランクの牛肉ではない」という程度なのだ。であるならば、予算等との兼ね合いで一つ下を選んだって良いではないか。少なくとも筆者はそう思う。
▲新旧A4アバントで「乗り比べ」のようなことをすれば、当然ながら新型の方が何かと上だと感じられるはず。しかしそうでない限り、旧型であっても「それなり以上」の満足感は得られるものだ
それよりも、第二のネガとして挙げた「旧型のなかでもちょっと古い“前期型”である」という点の方が少々やっかいかもしれない。
なぜならば、アウディ車のデザインというのは基本的に「新しければ新しいほどイイ感じ」に見えるもので、逆に言うと「ちょっと古くなると途端に色あせて見えたりもする」という特徴を備えているからだ。
そう考えると、旧型の前期は分が悪い。
同じ旧型でも12年4月以降の後期型は、現行型とよく似たデザインというか、率直に言ってしまえば「遠目には現行型と見分けつかねえよ!」というニュアンスの造形で、そのビジュアル的戦闘力はいまだかなりのモノがある。しかし前期型は、さすがにちょっと古く見えてしまう可能性も否定できない。
▲こちらが16年4月からの現行アウディ A4アバント。かなりのイケメンといったニュアンス
▲こちらは旧型の後期。……現行型と似てるといえば似ているような?
▲で、こちらが今回取り上げている旧型の前期。「古い」と感じるか、「似たようなもの」と思うか?
本人が良いと思えば、基本的には旧型の前期でも何ら問題なし
この問題についての対処策は2つある。
一つは「気にしないこと」だ。自動車のフルモデルチェンジ、ましてや輸入車のフルモデルチェンジについて仔細な知識を有している人間など、一部の車好きまたは業界関係者だけであり、大多数の人はそんなものにはほとんど興味と知識がない。それゆえ、本人が「でもボクのアウディは旧型の、しかも前期だから……」などと気にする必要はさほどないのだ。
もう一つは「旧型前期を買ったなら、その内外装を常にキレイにしておくこと」である。
人は、対象に関する詳細な知識がなかったとしても、「オーラ」のようなものを通じて本質を察知することも多い。それゆえ旧型前期のアウディ A4アバントをホコリまみれの泥まみれみたいなビジュアルで乗っていると、アウディに関する知識ゼロの人からも「……なんかこの車(とこの人)、ビンボーくさいかも」と思われてしまう可能性は高い。
しかし逆に言えば、低走行物件の内外装を常に小ぎれいにさえしておけば、新型だの旧型だの、前期だ後期だということは、ほとんどの人にはわからない。というか興味もない。「なんか、ステキで高そうなガイシャですね。これ、アウディですか? ……アウディって確かイタリア車でしたっけ?」ぐらいのものだ。ついでに、車の内外装だけでなく己の内外装(衣服と精神)を常にビッとさせておけば、ほぼ完璧である。
ということで、車としてのデキだけで言えば高額な最新現行モデルがいちばんなのは言うまでもない。しかし予算モロモロとの「兼ね合い」で考える場合は、およそ170万円前後の車両価格で狙える「旧型前期」のアウディ A4アバントも、なかなかの実力と破壊力を備えていることがおわかりいただけたと思う。
あとは下記物件リンクで実際のブツを見ながら、じっくりご検討いただけたなら幸いだ。
▲ちなみに旧型アウディ A4アバント前期モデルの内装は、グレードやオプションなどによって細部は異なるが、おおむねこのような雰囲気。十分シュッとしている。写真は本国の左ハンドル+MT仕様
【関連リンク】
車両価格100万円台、走行3万km台までの旧型アウディ A4アバントをチェックしてみるtext/伊達軍曹
photo/アウディ
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