福岡では珍しいパレスチナ料理のお店が大名に登場! ベツレヘムから直輸入の蒸留酒が飲めるのはココだけ

人生初のパレスチナ料理
皆さん、パレスチナについてはどのくらいご存じですか?
日本ではニュースでたまに耳にするエリアですが、残念ながら紛争の絶えない危険なエリアというネガティブなイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。ましてやパレスチナの料理についてはまったくどんなものか想像もつかないでしょう。
かくいう私も恥ずかしながらあまり知識はなく、「パレスチナ料理のお店がある」といわれてもあまりピンときませんでした。それもそのはず、パレスチナ料理を提供しているお店は全国的にみても珍しく、福岡市内ではこのお店だけしかないとか。
ということで、今回は人生初のパレスチナ料理をいただきに、福岡市の大名にあるパレスチナ料理専門店D-TRANOIへ行ってみました。
おしゃれなお店が集まる大名の一角
お店の場所ですが、おしゃれなカフェやファッション雑貨のお店などが集まる「福岡の下北沢」こと中央区の大名エリアにあります。最寄りは地下鉄天神駅あるいは西鉄福岡駅になります。駅を出たらまずは天神西通り方面へ進んでください。

▲天神西通りを国体道路方面へまっすぐ進みます

▲しばらく歩くと右にswatch storeがありますので、その角を右へ

▲そのまままっすぐ50メートルくらい進むと左手に一風堂本店があります。そのすぐ先の角を左へ曲がると

▲すぐ左手にお店があります

▲着きました。ここがお店の入り口です
通りに面したお店の窓が開放されており、お店の様子をうかがうことができます。なんか雰囲気よさげなお店ですね。

▲どことなく異国情緒あふれる外観ですね。大名の街に似合ってる気がします
そもそもパレスチナ料理ってどんなの?
このお店にお邪魔したのはランチタイムが終わった後。ちょうどカフェタイムがはじまり、少しゆっくりした雰囲気の中で店長の菅さんにお話をうかがいました。

▲店長の菅さん。ものすごくアクティブな女性です!
──そもそもパレスチナ料理とはどういうものですか?
比較的スパイスを多く使っているので、香りと味を楽しむ料理が中心です。インド料理ほど辛くなく、やさしい味が特徴です。
──スパイスですか……?
はい。実はパレスチナの多くの一般家庭では「ザータル」と呼ばれるブレンドされたスパイスが常備されています。タイム、オレガノ、レモングラス、ゴマ、塩などを混ぜ合わせた調味料ですが、このザータルを使った料理もパレスチナ料理の特徴のひとつですね。うちのお店で使っているスパイスはすべてエルサレムから直輸入したものです。
──え?? ゴマ???
そうです。ゴマは日本の食材と思っている人も多いのですが、実はアラビアンナイトの「開けゴマ」(open sesame)の呪文でも使われているくらい、アラブ諸国でも大昔から流通している食材なんです。
──なるほど。ではそのザータルをはじめとしたスパイス類が特徴だと。
他にも、ヨーグルトなどの乳製品を使った料理も有名です。ヨーグルトソースをライスにかけて食べたりしますし、お肉をヨーグルトソースで煮込んだりすることもあります。
──ちなみに、パレスチナの魅力ってどんなとこですか?
旧市街にあるダマスカスゲート付近の活気のある街並みや人の温かさ、聖地と呼ぶにふさわしいエルサレムの幻想的な街並みとかですね。私も何度も現地を訪れ、パレスチナ料理の作り方を見知らぬレストランに飛び込んで習ったこともあります。
このお店では、現地に行きたいという人に私の体験談を話したりもしていますよ。
では、少し遅めのランチをいただきます
いろいろお話をうかがっていると、すっかりおなかがペコペコになりました。ちょっと遅い時間帯ですが、自慢のランチをいただくことにします。

▲壁にはランチメニューとアラカルトメニューが書かれています
菅さんによると、代表的なパレスチナ料理としてファラフェル(ひよこ豆のコロッケ)がおススメとのこと。ランチのパレスチナプレートにはファラフェルをはじめとしていろいろなパレスチナ料理がワンプレートになっているとのことなので、そちらをオーダーしてみるとしましょう。

▲店長自らテーブルまで運んできてくれました

▲パレスチナプレート(スープ付き) 1,000円
手前に3つあるのが自慢のファラフェル。その上のライスがマクルーバ(アラブの炊き込みご飯)。右側のペーストがフムス(豆とゴマのペースト)、その上が自家製のパン。ライスの左にあるのがヨーグルトソースです。
ではまずスープから。

スープの具には玉ねぎとレンズ豆が入っています。一口飲んでみると……
おお! 確かにスパイスの香りが口の中に広がります。一瞬カレー風味のように感じますが、そこまで辛みがなくやさしい味です。そしてスパイスの風味がさらに食欲をそそりますね。
次にファラフェルを食べてみましょう。

断面をみるとこのようにすりつぶされたひよこ豆がぎっしりと詰まっています。おいしそうですね~!
こちらもスパイスの香りをかすかに感じます。
食べてみると、外側のサクサク感と中のしっとり感が絶妙にマッチしていて味も食感も楽しめる一品です。聞けば、コロッケとはいうものの衣をつけずに揚げているためこういう食感になるのだとか。
では、次はライスをと……。
ライスにはヨーグルトソースをかけて食べるのがパレスチナ流だとか。早速チャレンジしてみます。

ソースを満遍なくマクルーバ全体にかけて、混ぜて、いただきます!
ほぉぉ。
ヨーグルトの酸味が炊き込んだマクルーバのしつこさを打ち消してさっぱり風味に仕上がります。酸味もそこまで強くなく、わずかに感じるくらいなのでちょうどいいですね。
初めて味わう味覚なので他に例えようがないのですが、一気に平らげてしまう程おいしかったのは事実です。
さて、まだ外は明るいですが、こういうおいしい料理を食べるとアルコールが飲みたくなります。
ちょうどカウンターにはお酒のボトルがいくつも並んでますしね~。一杯いっときますか!
アルコール50度!? 無理! 撤退します!

▲カウンターに並ぶお酒たち。アルコールの輝きに思わず誘われてしまいそう
──すいません、こちらのお酒は何ですか?
こちらは「アラック」というぶどうとアニスから作られた蒸留酒です。ベツレヘムから直輸入しているので、福岡ではおそらくうちのお店でしか飲めないお酒です。でもアルコール度数が高く、50度ありますよ。
50度……。
無理っす。飲めません。残念ながら撤退します……。
まだ日も明るいしね(言い訳)
落ち着いた雰囲気の店内は異国情緒たっぷり
おなかもいっぱいになったので、そろそろ失礼するとしましょう。
大名の一角で見つけたパレスチナ料理専門店。まだほとんどなじみのないパレスチナ料理ですが、福岡ではここでしか食べることができないというメニューもあり、貴重な体験ができた一日でした。
店内はどことなく異国の雰囲気にあふれており、新鮮な驚きとともにおいしい料理を味わうことができます。

▲異国のレストランに迷い込んだような、不思議な空間ですね
まだパレスチナ料理を食べたことのない方はもちろん、中東・アラブ系料理に興味のある方はぜひD-TRANOIへ足を運んでみてはいかがでしょうか。

お店情報
D-TRANOI
住所:福岡県福岡市中央区大名1丁目13−12 大名ことうビル1F
電話番号:092-724-3443
営業時間:ランチタイム
11:30~16:00
カフェタイム
16:00~18:00
ディナータイム 18:00~23:00(LO 22:00)
定休日:木曜日
※この記事は2017年5月の情報です。
※金額はすべて消費税込です。
書いた人:桂浩一

1968年生まれ。福岡出身。東京で就職するも福岡の味が忘れられず、何のあてもあなく退職してUターン。 現在フリーライターとして活動中。メシと酒とホークスをこよなく愛する自由人。 一応、人事組織コンサルタントみたいなこともやっているが本業は食べ歩きと思っている。
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