ホントにお得なのは? 固定通信とスマホのセット割『auスマートバリュー』『スマホBB割』を徹底比較
先月、2月14日にKDDIが『auスマートバリュー』の受け付けを開始し、2月27日にはソフトバンクモバイルが『スマホBB割』を発表しました。いずれも、指定の固定通信サービスを利用するユーザーとその家族に、「ネット回線+スマートフォン+固定電話をセットで割り引きする」という料金プランです。いったいどちらが「よりお得」なのでしょうか? それぞれのプラン内容を詳しく見てみましょう。
割り引き後のパケット定額サービス料金は「3980円/月」とほぼ同じ?
au、ソフトバンクともに「毎月のスマートフォン利用料金から、最大2年間1480円(税込み)を割り引き。4人家族の場合、合計割り引き額は最大毎月5920円」とうたっています。まずは申し込み条件と対象となるスマートフォン向けパケット定額サービス(以下、パケット定額サービス)の料金を比べてみましょう。
『auスマートバリュー』対象パケット定額サービス(下記のいずれか)
・ISフラット 5460円/月
・プランF(ISシンプル) 6340円/月(『誰でも割』適用時)
『スマホBB割』対象パケット定額サービス(下記のいずれか)
・パケットし放題フラット(iPhone向け) 4410円/月
・パケットし放題フラット for スマートフォン(Android) 5460円/月
パケット定額サービスの料金は、iPhoneについてはソフトバンクの『パケットし放題フラット』が安く、Androidは同額に設定されています。それでは、割り引き額を適用したときの月額はどうなるでしょうか?
プラン適用による割り引き額は、auは「すべてのスマートフォン(iPhone含む)を対象に最大2年間1480円/月、2年以降は980円/月)」としているのに対して、ソフトバンクは「Androidは1480円/月、iPhoneは430円/月、2年以降はAndroid980円、iPhoneは割引なし」とiPhoneの割り引き額を低めに設定しています。これをパケット定額サービスから引き算してみました。
『auスマートバリュー』
ISフラット 5460円 – 1480円 = 3980円『スマホBB割』
パケットし放題(iPhone) 4410円 – 430円 = 3980円
パケットし放題(Android) 5460円 – 1480円= 3980円
つまり、『auスマートバリュー』『スマホBB割』のどちらも(iPhone/Androidともに)、割り引き後のパケット定額料金の月額は3980円とキレイにそろっています。ただし、iPhoneについてはソフトバンクは「最大25か月のみの割り引き」としているので、長期的にはauの方が割り引き総額が大きくなることは押さえておくべきでしょう。
回線スピードや対象世帯数で差をつけるau
割り引き後の料金は同じですが、実は他にも見逃せないポイントがいろいろあるのです。両社サービス内容の違いをわかりやすく比較するために、通信会社(au、ソフトバンク)ごとに割り引き額、割り引き対象となる固定回線の種類、対象となる世帯数、回線速度、割り引き期間をまとめたのが冒頭の表です。
まず、固定回線の種類やスピードについては、『auスマートバリュー』は、光回線を中心にサービス提供しており最大で下り1Gbps(1000Mbps)、『スマホBB割』はADSLが中心となっており下り最大50Mbps(一部、光サービスでも下り最大200Mbps)と大きな差があります。
また、割り引き対象世帯数は、auが約1040万世帯であるのに対しソフトバンクは約150万世帯。先日、両社から追加発表になった提携事業社数でも、43社118局にもおよぶ事業社とタッグを組んでいるKDDIの強みが数になって現れています。さらに、割り引き期間はソフトバンクはキャンペーン期間(2012年3月5日~5月31日)に申し込んだ場合にのみ適用ですが、auはいつ申し込んでもOKな永年受け付けと太っ腹な対応です。
一見すると同じような割り引き額を提示しているようでいて、「回線種類とスピード」「割り引き対象世帯数」「割り引き期間」などでは、最初に「固定+スマホのセット割」を打ち出したauのほうがより良質なサービスを長期にわたって提供していることがわかります。割り引きプランを選ぶとき、なかなか内容までしっかり吟味するのはメンドクサイのですが、ちゃんと調べていくと「ああ、こっちの方がいいなあ」と納得できるはず。料金プランは、一度契約するとなかば無意識的に利用しつづけてしまうもの。長期的に見て一番よいプランを選んでおくべきですね。
引越しを予定している人は、新規契約時に「何が一番おトクか」を選ぶチャンス! また、スマホを所有する家族の数×1480円の月額割引サービスは上手く活用すれば、年間で大きな節約が期待できるサービス。固定回線を契約している人は、利用中の回線と組み合わせたプランを家族で相談してみてはいかがでしょう。
京都在住の編集・ライター。ガジェット通信では、GoogleとSNS、新製品などを担当していましたが、今は「書店・ブックカフェが選ぶ一冊」京都編を取材執筆中。
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