コーヒー初心者こそ行くべき! 自分でひいて自分で入れられる「Drip & Drop Coffee Supply」【京都】

ラテとカプチーノの違いがわかりません。メシ通レポーターのナガオヨウコです。
Googleで「コーヒー 違い」を調べてみると、予測検索では「コーヒー 違い 豆」の次に出てきたのが「コーヒー 違い わからない」ですからね。コーヒーの違いがわからないのは、私だけではないはず……。
わたくし、コーヒーを飲めるようになったのは30歳を過ぎてから。それ以降はコーヒーが好きになり、いろんなお店であれこれ飲んでいます。が、どのコーヒーショップで注文するのも「本日のコーヒー」です。だって、何を注文していいのか、自分が何を好きなのかわからないんだもん。
でも、おいしいコーヒーを飲みたーーーい!!!
そんな私に、知り合いのカメラマンさんが「一度行ってみるといいよ」と教えてくれたのがこちらのお店「Drip &Drop Coffee Supply」です。

場所はおしゃれなお店やカフェが点在する街中、富小路三条下ル。

「ピースホステル三条」というホテルの地下にあります。

中に入ると……おしゃれ過ぎる!!! うひょー、カッコええ〜。運営しているのは、京都のデザイン会社「Marble.co」。2015年10月にこちらをオープン後、2017年2月に2号店を京都・河原町通りと寺町通りの間の蛸薬師通りに開店。そして2017年4月にタイ・バンコクに3号店を出店しています。

「 コーヒーわかってる人が通ってます」風なオサレ具合で、一瞬ひるんでしまいます。
が、しかし。安心してください。
「コーヒー初心者のためのお店なんですよ!」と、店長さん。「コーヒーがわからないけれど、気になるなという方が、コーヒーを身近に感じてもらえるように工夫しているんです」とのこと。あっ、もちろんコーヒーマニアの方も歓迎ですよ!

入り口あたりには、焙煎機があります。営業時間中にも焙煎していることがあるので、運が良ければ、焙煎の様子を見学できます。

ちなみにこの焙煎機は大阪のメーカーによる完全手作り。軸に付けられているのは、本来はプリン用のカップだそうですよ……フフ。
自分で豆をひく
「Drip &Drop」では、7種ある豆を選び、さらに抽出方法を選んでオーダーできます。お店の方にすべてをおまかせしてもいいのですが、自分で豆をひき、自分で入れることもできます。
となれば、わたしも挑戦したい!!!

まずは入れ方マニュアルをチェック。それぞれ、豆の量やお湯の量、器具のメーカー&商品名、入れ方が書いてあります。このマニュアル、持ち帰りもOKです。

私が選んだのは、こちらです。……あっ、嘘です。お店の人に「とりあえず初心者の私向けに」と、選んでいただきました。
豆はオリジナルブレンド。抽出方法はペーパードリップです。

まずはミルで豆をひきます。お店のマグカップ用で、豆の量は20g。

ごりごり。

ごりごりごり……。
ハンドミルって、意外と体力要るんですね。

ごりごりごり……。まだ終わらんのか……
(ナガオ心の声)
「しまったな、今日のために右腕を鍛えてくれば良かったな……」
(店長さん)
「この、ひく時間が無心になれるから好きという方は多いんですよー。お店ではおしゃべりしながらひく方も多いですけどね」

(再び、ナガオ心の声)
「生まれ変わったら、朝からミルで豆をひいてくれるダンナがほしいなあ……。あっ、生まれ変わらなくても、家で誰かにひいてもらえばいいのか、じゃあ私か。いや、ネコ飼ってネコにやらせればいいやん、んなわけないよな。いや、やってくれるかなあ……」
はい、雑念だらけです。無心でひくのは無理でした。
自分で入れる

さて、ひき終わった豆をペーパーにセットします。ペーパーの端を両手で持って、豆を平らにならします。

80〜90℃のお湯を少量、中心に注ぎます。ペーパーにはお湯をかけないように注意。

ここで、20〜30秒ほど豆を蒸らすのがポイント。豆の中のガスが抜けるそうです。

その後、お湯をゆーーーっくり注ぎます。中心のふくらみがへこんできたら、またゆーーーっくりと注ぎます。
これ、意外と難しい。お湯がどばーっと出てきたり、手をうまく回せなかったり。

できました。
う、う、ウマーーーー!!!
すべてが私好みです。そうそう私、こういう正統派が好きなんだよな。私、なかなかやるやん。
ああ、毎朝これ飲めるならむっちゃ幸せだろうし、その日一日をウッキウキで過ごせそう。
3種の抽出方法を飲み比べ

せっかくなんで、同じ豆(オリジナルブレンド)を、抽出方法3種類で飲み比べてみることにしました。
今まで、コーヒーって「粉にお湯をかけて、注いだだけ」 だと思っていました。
が、入れ方が違えば、味が違う。見た目も違う。
生演奏とレコードとCDくらい違う。衝撃でした。

こちらはエアロプレスという抽出方法。チャンバーという筒状の器具にひいた豆を入れて、お湯を注ぎます。

パドルという棒でかきまぜて……。

ブランジャーという器具で、上からぎゅーーっとプレスします。これだけ。
●エアロプレス
すっきりクリアな味わいで雑味なし。すいすい飲める感じ。
例えるなら……誰の心にもすっと入ってくる、無邪気で素直な男性。流行りものに敏感ではないけれど拒否もせず、誘われたらパンケーキ店に行列するのもうきうき派。塩顔系サブカル君って感じです。

次に、フレンチプレスという抽出方法。専用のポットに豆とお湯を注ぎ、パドルで混ぜ混ぜ。
●フレンチプレス
豆本来の味が楽しめる。豆の脂分、粉っぽさもそのまま出ます。良質の豆ならおいしく、どうでもいい豆ならどうでもいい味になってしまう。
例えるなら……飾らず、自分をストレートにあらわしたのがそのまま芸風。白のタンクトップというどこにでもありそうな服でも、品質にはこだわる。実直なスポーツマン。

ふたをして2分30秒待ち、ふたについている棒を上に引き上げます。

そして、私が挑戦したペーパードリップ。
●ペーパードリップ
苦みと酸味のバランスが抜群。ゆっくり入れると濃いめ、早めに入れるとスッキリした味わいに。
例えるなら……個性がびしばしありながら誰からも愛される。知的でユーモアもあるフリーアナウンサー的な。

こんもり。

ぷくーー。ここで私、衝撃を受けました。
先ほど、私が入れた時の状態と比較してみましょう。

左:店長さんが入れた状態/右:私が入れた状態
明らかに見た目が違う、違いすぎる。
そして味も、全然違っておりました。
私が入れたのも、むちゃくちゃおいしかったんですよ。「私、明日から喫茶店開けるかも!」って錯覚してしまうほどに。
しかし当然と言えば当然すぎるのですが、プロの技と味は、マーベラスでありアメージングであり、ファビュラスでした。ああ、おいしすぎた。
フードも本気
「Drip &Drop」はカテゴリーとしてはコーヒーショップなのですが、フードにも力を入れています。
フードで使われているパンは、京都・二条寺町のリベルテのもの。リベルテは、京都のみならず全国からも注目を集める、ハイレベルなベーカリー。私も大好き。
パリの有名ベーカリーとつながりがあり、レシピを提供してもらったり情報交換をしたりしているパン屋さんなんですよ。
ということで、昼も夜も人気の4種をいただいてきちゃいました!

▲クロックムッシュ(550円)
※11:00〜15:00のランチタイムはデリ1種とサラダ、キャロットラペ、ポテト、ドリンク付きで980円
※18:00〜21:30のディナータイムはデリ1種とサラダ、ポテト付きで750円
バロンという、ドイツっぽい固すぎないパンに、自家製ベシャメルソースとベーコン、5種のチーズをはさんでいます。
ずっしり重そうに見えますが、意外と軽め。ベシャメルソースとスモーキーなベーコンの香り、重層感がたまりません。

▲ホットドッグ(550円)
※11:00〜15:00のランチタイムはデリ1種とサラダ、キャロットラペ、ポテト、ドリンク付きで980円
※18:00〜21:30のディナータイムはデリ1種とサラダ、ポテト付きで750円
ホットドッグを持ち上げたときの、最初の感想は「重っ」。決して、わたしが非力だからではありませんよ。ホットドッグというと軽食のイメージがありますが、これはボリューム感ありあり。
上にかかっているのは、セロリ、大根、キュウリ、ニンジン、パプリカ赤&黄色に、オレガノやカルダモンなど6種のハーブを合わせた自家製ピクルスです。ウマいんだこれが。

▲サンドイッチ(パテ)(750円)
※11:00〜15:00のランチタイムはデリ1種とサラダ、キャロットラペ、ポテト、ドリンク付きで1,180円
※18:00〜21:30のディナータイムはデリ1種とサラダ、ポテト付きで950円
重量感ナンバーワンなのがこちら。パテとドライいちじくをはさんだ、食べ応えずしずしのサンドイッチです。

パテは約2センチというぶ厚さ。一般的なパテはミンチを成型したものですが、こちらはごろんごろん肉の成型。鶏レバー、鶏ムネ肉、豚肩ロース、豚ムネ肉をお店でカットし、ローズマリーなどのハーブで1晩マリネ〜低温調理〜さらに2晩寝かせる、とかなり手間暇がかかっています。
じゅわわ〜っと口の中でほどける肉とハーブの複雑な香り。
ああ、これ絶対お酒に合いそう。ここで「ビール!」と叫んでしまっても構いませんよ。お店にはビールもありますし、コーヒーベースのカクテルもあります。
もちろん、コーヒーとも相性バツグンです。

▲サンドイッチ(たまご)(550円)
※11:00〜15:00のランチタイムはデリ1種とサラダ、キャロットラペ、ポテト、ドリンク付きで980円
※18:00〜21:30のディナータイムはデリ1種とサラダ、ポテト付きで750円

生クリーム入りのオムレツが主役。ベーコン、オニオンマリネが名脇役です。どかーんとでかいのですが、意外と軽め。
「今日は軽く食べたい」という時だけでなく、自家製ドーナツやどでかクッキーなどのおやつも食べたいという日にいかがでしょうか。

フリーのお水は、ライムとレモン入り。本当に無料でいいんですかと聞きたくなるレベルです。これ、絶対に飲むべきです!

コーヒー豆は販売もしています。100g 540円〜。

オリジナルのコーヒー缶。デザイン会社がプロデュースするだけに、さすがのおしゃれさです。
今回は3種類の抽出方法の違いを教えてもらいましたが、まだまだコーヒー道は奥が深そう……。「Drip & Drop」では焙煎、ラテアートなどのワークショップを開催されていて、こちらも気になる! ワークショップは不定期開催ですので、マメにチェックしなければ!
お店情報
Drip & Drop Coffee Supply
住所:京都府京都市中京区朝倉町531 PIECE HOSTEL SANJO B1F
電話番号:075-231-7222
営業時間:11:00〜22:00
定休日:無休
ウェブサイト:http://www.drpdrp.com/
※この記事は2017年4月の情報です。
※金額はすべて消費税込みです。
書いた人:ナガオヨウコ

ライター歴22年、京都在住のフリーライター。食、手芸、子育て、京都関連の雑誌や書籍、webに執筆中。10年間続けている自然農業の畑では、20~30種の野菜やハーブ、花を栽培。 ブログ:しましま畑でつかまえて
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