【鉄道メシ】鉄道博物館「カフェテリア日本食堂」で、懐かしい食堂車の味に舌鼓!

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三度のメシより鉄道大好き! ライターの望月崇史(もちづき・たかふみ)です。

大好きな「鉄道」を見ながら「メシ」を一緒に味わえば、もっとおいしいハズ……。

そんな飽くなき「美食」追求の思いからお届けしているのが「ライター望月崇史の鉄分補給メシ」。

列車を見たり、レールの音を聞いて、“鉄分”を補給しながら、メシを楽しめるお店を訪ねます。

今回は、首都圏を代表する「鉄道の街」へ行ってみました!

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降り立ったのは、埼玉が誇るターミナル駅「大宮駅」。

大宮では東北・上越の新幹線が分岐し、在来線も東北本線(宇都宮線)、高崎線、京浜東北線、埼京線、川越線が乗り入れます。

このほか東武野田線(東武アーバンパークライン)、埼玉新都市交通・ニューシャトルも発着する、一大ジャンクションとなっています。

ホームには、E233系電車の高崎線「特別快速」高崎行が15両で入ってきましたよ。

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「鉄道の街・大宮」のシンボルといえば、何と言っても「鉄道博物館」

大宮駅からはニューシャトルで1駅「鉄道博物館(大成)」で下車します。入館料を「Suica」でピッ! と払って、自動改札を通るように入館することが出来ます。

ちなみに、開館したのは平成19(2007)年10月14日の「鉄道の日」。早いもので、今年10月には開館10周年の節目を迎えるんですね。

鉄道の殿堂「鉄道博物館」

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「鉄道博物館」のメイン展示、ヒストリーゾーン!

日本の鉄道史に名前を刻む名車両が、転車台のまわりに勢ぞろいしています。

ほぼ“不動のセンター”と言ってもいいのは、C57形蒸気機関車の135号機。今から42年前の昭和50(1975)年、北海道の室蘭本線で、国鉄最後の蒸気機関車による旅客列車でけん引機を務めたメモリアルな蒸気機関車なのです。

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日本の鉄道の歴史は、明治5(1872)年、新橋~横浜間に開通した鉄道から始まりました。

日本初の蒸気機関車は、イギリスから輸入された「1号機関車」。今では国の重要文化財に指定され、鉄道記念物として大切に保存されています。

この蒸気機関車から始まって、半世紀あまりで先ほどのC57形蒸気機関車を自前で作るまでに、日本の鉄道技術は、急速に発展していったのです。

ああ懐かし! 181系「とき」

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筆者、望月が「鉄道博物館」で一番好きな車両が、特急「とき」で活躍した181系電車。元々は昭和30年代、東海道本線で活躍したボンネットのこだま形電車に由来します。

実は私、最初に乗った在来線特急こそ、この181系「とき」!

昭和57(1982)年夏、最後の活躍を見せていた181系電車にぎりぎり間に合って、上野~小出間で乗車することがかないました。

この181系電車の車内に足を踏み入れる度に「初めての特急の旅」が思い出されます。

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181系電車のリクライニングしない回転クロスシートに腰掛けて、かすかな記憶を思い起こせば、「初めての特急の旅」は、「初めての新幹線の旅」でもありました。

地元の駅から165系電車の急行「富士川4号」三島行に乗って、東海道新幹線「こだま」~山手線と乗り継いで、上野で自由席に並んで、181系「とき」に乗ったのです。

昭和57年の夏、「新幹線」といえば、この青い団子っ鼻の0系しかありませんでした。

165系~0系~103系~181系と、今思えば、なんともぜいたくな「国鉄形電車」の旅!

こんな「記憶の旅」もよみがえらせてくれるのが、「鉄道博物館」の魅力なのです。

バーチャル食堂車を追体験!

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181系「とき」には何とか間に合った私ですが、今をもって心残りなのが、国鉄時代の「食堂車」をリアルタイムで体験できなかったこと。

そんな心のすき間を埋めるべく、「鉄道博物館」を訪れるたびに足を運ぶのが、「鉄道博物館」の1階、エントランスの正面にある「カフェテリア 日本食堂」です。

ココでは昔の食堂車で提供されていたメニューを中心に、懐かしさ満開のメシが食べられます。

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「カフェテリア 日本食堂」の流れがこんな感じ。

トレーを取って並ぶ → レジで注文(もちろんSuica決済が可能!) → 支払い → 料理を受け取る → 空いている席に座る。

で、これがメニュー。

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「日本食堂」は、かつて新幹線や特急の食堂車などを手がけていた会社で、国鉄の分割民営化に伴って地域ごとに分かれ、東日本エリアは「日本レストランエンタプライズ(NRE)」となっています。

もちろん、この「カフェテリア 日本食堂」もNREが手がけています。

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「カフェテリア 日本食堂」は、開放感あふれる一面のガラス張り!

ガラスの向こうには、手前から埼京線、奥に高崎線の線路が一望出来ます。ちなみに一番手前の線路は、JR東日本の車両のメンテナンスを行う大宮総合車両センターの試験線となっていて、しばしば試運転の列車が往来しています。

実はココ、普段は滅多に見られない車両に出逢える可能性も秘めた、日本トップクラスの「鉄分補給スポット」なのです。

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奥の高崎線の線路にやって来たのは、651系電車の特急「草津」号!

温泉マークのLEDヘッドマークを引っさげて上越線に直通し、渋川から吾妻線(あがつません)に入って長野原草津口へ向かいます。

反対のすれ違うE231系電車は、上野東京ライン経由の普通列車熱海行でしょうか。

下りに乗れば草津、上りに乗れば伊豆……と、今や大宮は、お好みに合わせていろんな温泉へ、乗り換えなしで行けちゃう街になっているんですね。

ハチクマライスで乗務員気分

ではそろそろ実食タイム。

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まずは「食堂車のお客さん」になった気分で、定番「懐かしの列車食堂のビーフシチュー」(1,250円)からいただきます。

デミグラスソースの香りを感じながら、白いご飯と一緒に一口。

窓際の席で行き交う列車を眺めながら、ちょっとした「食堂車」気分!

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決して気取ることなく、少しだけ背伸びしたような気持ちが感じられてきます。

あゝ、こんな感覚が昭和の鉄道旅だったかも!?

一方で「乗務員さんの立場」を感じられるのも、「鉄道博物館」ならでは!

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ココならではのメニューとして知られるのが「列車乗務員まかない丼 ハチクマライス」(700円)です。

「ハチクマライス」とは、食堂車の付いている長距離列車の乗務員さんたちが、業務の合間にサッと食べられるように、「卵(目玉焼き)」を使って作られたまかない飯のこと。

名前は、一説には、江戸古典落語の『八っあん熊さん』に由来するのだとか。

落語の八っあんはおっちょこちょいで乱暴者、熊さんは乱暴者として描かれていますが、そんな「八っあん熊さんでもカンタンに作れて、気軽に食べられる」……ことから「ハチクマライス」となったようです。

「カフェテリア 日本食堂」では、この目玉焼きを温泉卵にアレンジ。

期間を区切っていろんなバージョンで提供していて、この鶏そぼろタイプは「第22弾」です。

温玉をツンと崩して、トロッとした食感と共に、サッとかきこめば、鉄道員気分間違いなし!

憧れの「お子さまランチ」も

何と言っても、子どもたちに人気の「鉄道博物館」。当然ながらお子さまメニューも豊富なんです。

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「お子さまセット」(写真上、770円)と「お子さまカレー」(720円)は、初代の東北・上越新幹線の車両、200系を模したプレートで提供されます。

今や「はやぶさ・こまち」「かがやき・はくたか」などが主流となった東日本エリアの新幹線だけに、“みどりの新幹線”自体が、ちょっと懐かしい気持ちになりますね。

また「お子さまランチ」と聞いただけで、幼き日の憧れがこみ上げてくる方も多いのではないでしょうか。

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往年の名車に囲まれ、現役の電車が行き交う中でいただく、食堂車の懐かしい味!

「鉄道博物館」の展示同様、「カフェテリア 日本食堂」も、大の大人も小さい頃を思い出して、童心に帰ってしまいそうです。

たっぷり“鉄分補給”出来る一方で、昔ながらの「食堂車の味」を守ることにもつながっているのが「カフェテリア 日本食堂」。

実はココ、ただの食事処ではなく、日本の「食堂車文化」を後世に伝える場所でもあるのです。

【おまけ】

「日本食堂」のすぐそばには、駅弁コーナー「フレンドリートレイン前駅弁屋」もあり、ここで駅弁を買って、展示されている電車の車内で食べることもできます。

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こちらは「SL動輪太巻き」(550円)。

鉄道も食も満喫できる鉄博、ぜひ一度はどうぞ!

お店情報

カフェテリア 日本食堂

住所:埼玉県さいたま市大宮区大成町3-47

電話番号:048-653-6263

営業時間:月曜日・水曜日・木曜日・金曜日 11:00~18:00(LO 17:30)、土曜日・日曜日・祝日10:30~18:00(LO 17:30)

定休日:火曜日、年末年始

※この記事は2017年3月の情報です。

※金額はすべて税込みです。

書いた人:望月崇史

望月崇史

1975年静岡県生まれ。放送作家。 ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは足かけ15年、およそ4500個! 放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。 ラジオの鉄道特番出演、新聞・雑誌の駅弁特集でも紹介。 現在、ニッポン放送のウェブサイトで「ライター望月の駅弁膝栗毛」を連載中。 連載:ライター望月の駅弁膝栗毛|ニッポン放送「しゃベル」ラジオ ブログ:駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分

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