【ミラノサローネ2017】若手デザイナーの小規模ブース『サローネサテリテ』がアツい!
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毎年4月にイタリア・ミラノで開催され、今年は4月4日から9日に開かれた世界最大の家具見本市『ミラノサローネ』。会場では家具だけでなく、小物、照明、ワークスペース、映画など多岐にわたる見本市・展示会が同時に開催。そしてそれらを内包するは、東京ビッグサイトの4倍の広さを誇るマンモス会場『ロー・フィエラミラノ』。前回の記事では、家具や小物についてお伝えしました。
前回の記事:【家具】予想を遥かに上回る規模の巨大見本市 ミラノサローネに行ってきた!
https://getnews.jp/archives/1713079
そんな超大型イベントとも言えるミラノサローネですが、今回初参加となる筆者が一番楽しいと感じたのは何と言っても『サローネサテリテ』でした。
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サローネサテリテは1998 年に生まれたサローネサテリテ。以来、35歳以下の若手デザイナー登竜門として、またミラノサローネ出展企業のデザイナー発掘の場として、国際的にその名を一躍不動のものとしました。
(プレスリリースより)
さらにサローネサテリテは会期中を通じて入場料無料!若手とは言え、世界レベルのデザイナーの作品を間近で無料にて観察する事ができるのです。
しかし若手デザイナーといって侮るなかれ、例えばトップ画像の「うねうね」としたソファのような斬新な展示品がこれでもかッ!というくらい沢山展示してあり、参加する若手の熱意に満ち溢れた「アツい」展示会場となっているのです。ご存知日本のトップデザイナーのひとり、佐藤オオキ氏もこのサローネサテリテで見出されました。
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棚のような、鳥の巣のような、ギザギザしたテイストの作品。細い棒の集合体は、自然で有機的な感触を与えます。
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完全にアートの領域に入っている、超個性的な照明も多数展示されていました。実際、照明器具を展示する人も多かったようです。
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なんとも言えない植物の様な形をした有機的な照明。じいっと魅入ってしまうような、不思議な感覚に陥ります。
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こちらは不思議な構造のオブジェクト。一見するとガラス板のようですが・・・
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近づくと、無数のレンズにより構成されていることが分かります。フレネルレンズを使用する事で、光の当たり具合や見る位置によって、全く異なる像をレンズが映し出します。
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ウルトラモダンなフィットネスバイクもありました。照明に照らし出された影も非常にクールです。
というように、奇想天外な一点もの作品が会場一杯に展示してあるのがサローネサテリテです。その数なんと650人!
じっくり鑑賞すれば、ここだけで1日が終わってしまいそうな数です。
照明ホールも見逃せない
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光を自在に操る照明は、隔年で開催される照明見本市『エウロルーチェ(Euroluce)』にて無数に堪能することが出来ます。29回目の開催となるこのエウローチェではまるで夢の空間にいるかのような、幻想的で耽美的な空間が、そこには広がっています。
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照明の花形と言えば「シャンデリア」でしょうが、個人的にはより創作的な照明器具に心惹かれました。ファンタジー映画のセットのような雰囲気です。
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空間をダイナミックに切り取り「光」を演出するのも、このエウローチェの見どころです。
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照明を強調するためか、全体的にホールの光量は抑え気味。ところどころにぼうっ、と浮かび上がる照明がとても印象的です。
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有機的なものから幾何学的なデザインまで、多種多様な照明を一気に体験することが出来ます。
『エウローチェ』は形のない「光」を主題に扱うためか、とても丁寧な雰囲気作りがなされているようです。ちょっとしたアトラクションのような、とても不思議な体験でした。
ひっそりとした雰囲気のクラシック館
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最後に『クラシック』について触れておきましょう。ミラノサローネの多くの出展品はモダンなものが多い中、純然たる正統派クラシック家具のパビリオンもしっかりと存在します。撮影禁止のブースが多かったため、詳しくお伝えすることは出来ませんが展示の様子はまるでヨーロッパの王宮を再現したかのような豪奢なものばかりです。
以上、2017年度の世界最大の家具見本市『ミラノサローネ』レポでした。
デザインのトレンドの最先端を一気に体感できるマンモス見本市、その圧倒的規模感を是非一度体感してみては如何でしょうか?
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ネット・オタクカルチャー全般に対応。専攻は歴史学。ガジェット通信では生放送業務全般にも従事。1年の1/3は海外。将来の夢は宇宙飛行。
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