中国の東シナ海ガス田「単独開発」 藤村長官「日中協力の精神に反し遺憾」
東シナ海の天然ガス田「樫(かし)」(中国名・天外天)で中国が採掘作業を継続していることに関して、藤村修官房長官は2012年2月10日午前の記者会見で、「日中両国が東シナ海を『平和・協力・友好の海』とすべく協力を進めていこうという状況にあって、協力の精神に反するということでは遺憾だ」と述べた。
東シナ海にある天然ガス田の1つ樫においては、2005年9月より天然ガスを燃やした際に出るフレア(炎)が確認されている。日本は「境界確定の合意のない中で一方的な開発は認められない」として、中国側に対して抗議を繰り返してきた。しかし現在、現場周辺では中国最大級の移動式ボーリング施設が稼働している。
会見で藤村長官は「2008年6月に合意した海域以外の、東シナ海の海域の取り扱いについては日中双方の立場がまだ収斂していない」とした上で、中国側に対して「協議も早くしようと申し入れをしている」と明らかにした。
■藤村修官房長官とニコニコ動画記者(七尾功)との一問一答
七尾記者: 東シナ海のガス田(樫)で中国が採掘を続けていることが分かりましたが、改めてご見解と今後の政府対応について教えてください。
藤村官房長官: 報道機関がそれぞれに写真を撮ってこられているということでありまして。日中中間線の西側にある「樫」ガス田において2005年9月以来フレアが確認されていたわけで、生産が行われている可能性は高い。このような活動に対して中国側に対し、「境界確定の合意のない中で一方的な開発は認められない」と常に累次、抗議をしてきたところであります。認識としては、日中両国が東シナ海を「平和・協力・友好の海」とすべく協力を進めていこうという状況にあって、このような事態が生ずることは、かかる協力の精神に反するということでは遺憾であります。
七尾記者: 中国との協議再開の見通しについてはいかがでしょうか。
藤村官房長官: 2008年6月に合意した海域以外の東シナ海の海域の取り扱いについては、日中双方の立場がまだ収斂していませんので、これら中国側が一方的に開発を進めることのないよう、累次様々申し入れるとともに、「協議も早くしよう」という申し入れもしているところであります。
◇関連サイト
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http://live.nicovideo.jp/watch/lv80900411?po=news&ref=news#14:58
(七尾功)
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