デキる人は、どうやって「自信」を身につけているのか?

12万部を超えるベストセラーシリーズとなった『プロフェッショナルサラリーマン』(プレジデント社、小学館文庫)。その著者である俣野成敏さんに、「ビジネスパーソンの仕事への向き合い方」についてお話しいただくこのコーナー。第8回の今回は、「自信が持てるようになる方法」についてです。 f:id:k_kushida:20170213152958j:plain

こんにちは。俣野成敏です。

あなたは、「仕事を一生懸命やっているのに、認めてもらえない」と感じたことはありませんか?おそらく感じたことがないという方はほとんどいないのではないでしょうか?このような状態が続いてしまうと、だんだん自分に自信がなくなって、ちょっとしたことで落ち込むようになってしまいがちです。

前回、「デキる人は「失敗し落ち込む自分」からどう回復しているのか?」で失敗からリカバリーする方法についてお伝えしましたが、今回は「自分に自信が持てるようになるにはどうしたらいいのか?」についてお話したいと思います。

頑張っても「良い点がもらえない」理由

仕事を一生懸命やるというのは、とても良いことです。ただ、問題は「その努力が評価に結びついていない」という点です。なぜ、頑張りが評価につながらないのでしょうか?考えられる要因としては、「行動が必ずしも評価者の評価基準に沿ったものになっていない」ということが挙げられます。

例えばスポーツを思い出していただきたいのですが、レフリーが判定を行い、認められたもののみが加点対象とされます。テストを受ける際なども、万一、「○×で答えなさい」と書かれた答案に「はい・いいえ」で答えたりすれば、いくら正解であっても丸はもらえません。このように点数を取るためには、まずはルールに則る必要があります。

同じように、あなたが仕事で評価されたいと思うなら、一生懸命やる前に「評価者の採点基準」を先に知っていなければなりません。もし頑張っているのに良い点がもらえていないのだとしたら、「相手のニーズを把握し切れていないのではないか?」ということをまずは疑ってみるべきなのです。

多くの人が見落としがちな「もうひとつの評価」

自信がない人が誤解しているのは、これだけではありません。もともと自信を持てるようになるには2つの評価が必要です。それは、

1.自分自身の評価

2.他人からの評価

この2つです。

「他人から評価される」ことが自信につながるのは言うまでもありませんが、そうなるにはある程度の時差があります。それはフィードバックのタイミングの問題だったり、評価者の力量や表現の仕方、さらには自分自身の受け止め方に問題がある場合もあったりするからです。

多くの人は、「自分で自分を評価する」ことに意識を向けていません。ですが、これは大事なポイントです。

時間差をハイブリッド発想で埋める

他者からの評価が安定するまでは、自分のことは自分で鼓舞する工夫を凝らすことで自信を持つことが可能となります。

例えばハイブリッド車は、より効果的な燃費効率のために、燃費を一番消費してしまう走り出しの段階をモーターのみで駆動させます。そして加速がついた段階では、逆にエンジンの駆動でモーターを充電させるのです。

これと同じように、評価を受けるまでのタイムラグを自分自身で埋めるのです。つまり、他者評価がついてくる前の第一段階では自分で自分を鼓舞し(モーター)、他者評価がついてきた第二段階では(エンジン)で加速させるというわけです。それでは、初期のモーターで走る段階で自分で自分を鼓舞する方法を見ていきましょう。

自信をつけるには「できないこと」ではなく「できること」を目標にする

自分で自分を鼓舞できるようになる方法。それは「自分のできることを目標にし、それをクリアする」ことです。つまりルーティンワークをきちんとこなし、それができる自分を自分で肯定することです。言葉にすると当たり前に思えることですが、これが大切なのです。 f:id:k_kushida:20170213153754j:plain

どんな人にも日々積み重ねている習慣が必ずあるものです。ただ本人にとっては当たり前すぎてそれに価値があることに気づいていないだけなのです。自分の通ってきた道を肯定する。そこに意味を見出す。ここからすべてが始まります。

メジャーリーガーのイチロー選手は、ある記者会見で「小さいことを積み重ねることが、とんでもないところに行くただひとつの道」だと答えています。自分にとって決まり切ったことを、日々きちんと行い、それを自分で確認することが「自信」へとつながるのです。

「自分を信じる」ことが、評価されるための第一歩

「自分に自信がない」なら、まずは2週間で構いませんので自分の「できたこと」を書き留めてみることをオススメします。完璧でなくてもいいので、1日の終わりにそれを眺め、数日溜まった日誌を読み返してみれば「自分は意外にできている」ということが分かるでしょう。

書き留めたことを見返してみて改善点が見つかれば、それを新しい習慣として取り入れてみてもいいですし、現在できていることをあえて目標にして、「毎日きちんとやっている自分」を確認するのもひとつの方法です。

他人から評価を受けるためには、まずは「自分で自分を満たす」ことから始めることが大切です。自分に自信が持てれば、他人のことにも自然と目が向くようになり、他人から喜ばれることをすれば、それが評価につながります。このサイクルが動き出せば、賞賛によってますます自己重要感も高まるという、好循環が生まれるのです。

俣野成敏(またの・なるとし)

大学卒業後、シチズン時計(株)入社。リストラと同時に公募された社内ベンチャー制度で一念発起。31歳でアウトレット流通を社内起業。年商14億円企業に育てる。33歳でグループ約130社の現役最年少の役員に抜擢され、さらに40歳で本社召還、史上最年少の上級顧問に就任。『プロフェッショナルサラリーマン』(プレジデント社)と『一流の人はなぜそこまで、◯◯にこだわるのか?』(クロスメディア・パブリッシング)のシリーズが共に12万部を超えるベストセラーに。近著では『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』が9刷となっている。著作累計は34万部超。2012年に独立後は、ビジネスオーナーや投資家としての活動の傍ら、私塾『プロ研』を創設。マネースクール等を主宰する。メディア掲載実績多数。『ZUU online』『MONEY VOICE』『リクナビNEXTジャーナル』等のオンラインメディアにも寄稿している。『まぐまぐ大賞2016』で1位(MONEY VOICE賞)を受賞。一般社団法人日本IFP協会金融教育顧問。

俣野成敏 公式サイト

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