ツイッターのフォロワーは1人2.5ドル? 退職後も業務アカウントを使う元社員が訴えられる

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騒動を伝えるニューヨーヨクタイムズ紙

 今やビジネス上の宣伝ツールの一つとしても定着したツイッター。多くの企業が公式アカウントを持ち、ユーモアあふれるつぶやきで様々な告知をおこなっている。しかし、ツイッターの書き手個人と企業の公式アカウントが「一心同体」となっている場合、アカウントのフォロワーは、「企業のもの」か、それとも「書き手のもの」か。ましてやフォロワーの価値をお金に換算することはできるのか。これらをめぐって訴訟沙汰にまでなった事例を、米・ニューヨークタイムズ紙が報じている。

 同紙によると、アメリカの通信企業フォーンドッグ社は、業務で使用していたツイッターのアカウントを「退職後もフォロワーごと使い続けていた」として、元社員のノア・クラヴィッツ氏を北カリフォルニア連邦地裁に提訴した。

 クラヴィッツ氏は在職中、フォーンドッグ社の製品をツイッターの”Phonedog_Noah”(フォーンドッグのノア)というアカウントで紹介し、そのフォロワー数は約1万7000人にものぼった。同氏はすでに退職し、ライバル会社のテクノバッファロー社に勤務しているが、アカウントは名称を変えるだけで維持している。

 フォーンドッグ社は、クラヴィッツ氏のツイッターアカウントについて、「フォーンドッグの信用を落とすために使っている」と主張。、クラヴィッツ氏に対し、「フォロワー1人につき1ヶ月2.5ドルの価値がある」として、計34万ドル(約2600万円)の損害賠償を支払うよう求めている。

 米国では、ツイッターで「書き手が面白いからフォローしているんだ」とクラヴィッツ氏を擁護するものもあれば、「企業の公式アカウントなら、そのフォロワーも企業のものではないか」という意見もあり、反応は様々。「報道機関のジャーナリストのアカウントは、退職したらどうなるのか?」と、同様の騒動が他業種にも及んだ場合を懸念するツイートもあった。日本でも、「判断は日本にも影響する。興味深い裁判だ」と、今回の騒動がソーシャルメディアにおけるアカウントとフォロワーの所有権を示すひとつの前例となることを予期する意見があった。

◇関連サイト
・A Dispute Over Who Owns a Twitter Account Goes to Court – ニューヨークタイムズ(電子版)
http://www.nytimes.com/2011/12/26/technology/lawsuit-may-determine-who-owns-a-twitter-account.html?scp=5&sq=twitter&st=cse/
・Noah Kravitz – ツイッター
https://twitter.com/#!/noahkravitz/

(吉川慧)

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