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The xx『I See You』Interview

The xx Credit Alasdair McLellan

昨年12月に行われた一夜限りの来日公演。あの、新旧ナンバーがひとつのストーリーを描くようにしてシームレスに並べられたセットが物語るとおり、The xxの3作目となるニュー・アルバム『I See You』は、かれらのこれまでと現在とが分かちがたく結ばれた一枚、としてある。そして、そのふたつを繋ぐ重要なピースとなったジェイミー xxのソロ・アルバム『In Colour』(2015年)のフィーリングを引き継ぐように、そのメロディやビート、ひんやりとした気配をたたえていたサウンドスケープは、鮮やかな色彩と力強い高揚感で躍動している。今回の『I See You』とは一言ずばり、The xxによる満を持しての「ポップ・レコード」。ダンサブルで、ロマンチックで、親密さに溢れていて、けれど刹那的。インタヴューに応えてくれたジェイミーとオリヴァーの言葉からは、そんな現在のバンドを満たしている充実感が伝わってくるようだ。

―昨夜のライヴ、最高でした。バンドの過去と現在が、ジェイミーのソロ・レコードを介してひとつに結ばれるようなストーリーが浮かび上がってくる構成というか。

オリヴァー「本当にそうだよね。今はアルバム4枚ぶんの中から曲を選べる状況になったからね。The xxとしてのアルバム3枚ぶんとジェイミーのソロと。だから、セットリストを組むだけでも楽しかったし、こんなにバラエティのある中から曲が選べるっていうのが初めての経験だった」

―ニュー・アルバムのリリースを控えて、現在のバンドがとても充実した状態にあるってことを示すライヴだったように思います。

オリヴァー「自信がついたってことだろうね。自分に自信が持てるようになることで、世界がまた今までとは全然違って見えてくるものだし。実は僕は長いこと、ステージに立ってパフォーマンスすることは半ば義務みたいに感じてたところがあったんだ。自分が本当にやりたいことはただ曲を書いてレコーディングすることであって、ステージで演奏するのはあくまでも曲をみんなに聴いてもらうための手段に過ぎないって考えていたというか。ただ、長い間ステージから遠ざかっていたときに、自分がどれだけステージで演奏するのが好きだったのか実感した。僕の仕事の内訳の半分はスタジオで曲を作ることで、もう半分はステージで演奏することだと思うんだけど、今、そのステージで演奏することがどんどん楽しくなってきてる」

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―その「自信」というところとも繋がってくる話だと思いますが、今回のニュー・アルバムの『I See You』は極端な言い方をすると、静から動へ、モノローグからダイアローグへというふうに大きな飛躍を感じさせるアルバムだと思います。

ジェイミー「今回、何も決めずに……自分達が何をしたいのかも、どういうサウンドにしたいのかもはっきりわからなかったけど、ただ今までとはまったく違う経験をしてみたいという気持ちがあって。それはレコーディングに関しても同じで、それで地元からできるだけ離れたところで曲を作ってみようってことで、今まで行ったところのない土地に行って、3人で一緒に生活した。そうやって長い時間を一緒に過ごすことで、お互いのことをより深く知り合ったり、お互いや自分自身について今までとは違う新しい発見があったりしてね。それまではスタジオに篭って、緊張感のあるピリピリとした空気の中でレコーディングするのに馴れてたから、それはそれで良い経験にはなったけど、逆に難しい面もあって、作品との距離があまりにも近くなりすぎて、かえって難しいと感じることもあったよ」

―「新しい発見」?

ジェイミー「どうだろう、新しい何かを発見したというよりも、むしろ元々自分達が持っていた性質に気づいたって感じじゃないかな。ステージの上でこんなに楽しめる自分がいるんだってこととか……前はステージで何かやるにしても、頭でっかちになってあれこれ気にしてたりしてたけど、今は余計なことを考えずに楽しめるようになった」

―今回のアルバムは、より自分達の本質、本来の姿に近い感じですか?

ジェイミー「というか、単純に大人になったんだろうね。それに年齢的なことも絶対にあると思うよ。この仕事を始めたときはまだ10代だったのが、今は30代に近くになったんだから」

オリヴァー「失礼な(笑)、僕はいまだに18歳のままだからね(笑)。気持ちの上では、永遠の18歳だよ(笑)」

―(笑)資料によれば、今回のアルバムの制作に臨むうえで大きなモチヴェーションのひとつになったのが、オリヴァーとロミーも参加した去年のジェイミーのソロ・レコードだったそうですね。

オリヴァー「一番感動したのは、アルバムよりもむしろステージのほうだよね。観客としてステージで演奏するジェイミーの姿を初めて観たんだよ。普段はジェイミーがステージで演奏してる姿を目にする機会なんてないからさ。ステージでは観客側を向いて演奏してるし、たまにジェイミーの様子をチラッと伺うくらいで(笑)。ただ、実際、観客としてステージの上で演奏する姿を観て、すごく不思議だったし、ものすごく感動して……しかも、ジェイミーってあんなに踊れる人だったんだって意外な発見もあったりしてね(笑)。ステージで堂々と演奏してるジェイミーの姿を観て、こんなに自信に満ち溢れた人だったんだって。それに感動して、僕もロミーも、その自信に満ちたジェイミーの姿をもう一度観てみたい、僕が観客席から眺めていたあのジェイミーと一緒のステージに立ちたいって気持ちになっていったんじゃないかな。あの心から幸せそうで輝いている、まさに僕達2人にとっての自慢のジェイミーと一緒にステージに立ちたいという気持ちと同時に、僕もロミーも曲を書きたい衝動に駆られたし、今の自分達にできる最高の曲を書いて、ジェイミーと一緒のステージに立つんだっていう気持ち……そこに今回ものすごくインスパイアされたよね」

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