共感・カミングアウト続出!“こじらせ女子”は新しいリアルな女性像か!?
今、“こじらせ女子”が続々現れている。現れている、というと正確ではない。AVライター雨宮まみさんのエッセイ『女子をこじらせて』(ポット出版)を読んだ女性からの共感や同意、または「イタい」といった感想が渦巻いているのだ。同書は文字通り、雨宮さんが“女子をこじらせた”半生を描いた自伝。中学に入り“美人”・“カワイイ”・“ブス”判定をされ「自分に勃起する男などいない」とまで悩む。初体験を済ませてからも、そのオトコを忘れるためにセフレを作り、「この世の無情を思いました」といい、にきびが治って女としてのコンプレックスが和らいでからは「美人で得をしている」と攻撃され、相変わらず恋愛ではひどい目に遭い「地獄だと思いました」という、女の業の修羅を赤裸々にしている。
『女子をこじらせて』は発売前から話題を呼び、ジュンク堂新宿店で12月10日に開催された雨宮さんと元AV女優でライターの峰なゆかさんとのトークセッション『こじらせ女子総決起集会!!』は早々に券が売り切れになり、注目度の高さがうかがえた。イベントでは、雨宮さんが自身の手書きのピラミッド図で女子カーストを説明。一番下の土台の部分がセックスができない“非モテ・喪女”ゾーンで、その上がセックスができる“セフレ”ゾーン。その上が本命彼女になれる“テクニックモテ”ゾーンで、そのさらに上に、何をしてもモテになる“天然モテ”ゾーンになるという。雨宮さんによると、「ブスでもセフレ的存在へは成り上がれる」といい、峰さんも「ブスでも顔をぐちゃぐちゃ塗っておけばいける」と発言。「濃いメイクは、綺麗(きれい)になりたいのではなくて、顔を隠したいだけ」という鋭い指摘に、会場全体が納得した様子だった。
「私のリア充イメージって、セックスできればリア充って発想で、童貞と同じなんですよね」という雨宮さんに、「私もそう、一回やったらもう一生勝ち組だと思ってた」という峰さん。「私はバブル期を経験した男にはモテるけれど、蒼井優が好きというような文系男子が好き。髪型も蒼井優みたいにしているんですけれど、最初はすごく嫌われる」と述べて、マッチングの合わなさを告白した。一方で、「この本を出したことで同窓会に行けなくなった」という雨宮さん。「モテないよりはましだけど、女の人に見下されるのは嫌なんです」というのには、峰さんをはじめ、会場内の女性が一斉にうなずいていた。
「こじらせるとどうやっても逃れらない。承認欲求が満たされてもダメだと思う。こじらせとともに生きるしかない。もう四十路の声が迫っているのに」と悲壮感を漂わせる雨宮さん。対して峰さんは、雨宮さんの著書のおかげでこじらせ女子がお互いに話す場ができたと述べる。「女子だけで、こじらせてるもの同士で話せばいいと思います。雨宮さんがこうして場所をつくってくれたことですし。それが私は本当に嬉(うれ)しい」雨宮さんも、「こじらせ女子に対して肯定的な気持ちを持っている。この本を踏み台にしてほしい」といじらしい発言をしたうえで、次のように後押しした。「こじらせてる女子は、男子の目から見てどう映るかはわからないけど、同性から見るとすごくかわいい人が多い。コンプレックスを克服し、劣等感をバネに社会でのし上がり、幸せなゴールへと突き進んでほしい」
雨宮さんが身を挺(てい)して作った“こじらせ女子”のコミュニティ。女性の自意識が表出することで、ますます男女の境界は険しく深くなってしまうのか。それともお互いの理解に繋(つな)がるのか。興味は尽きないところだ。
なお、『こじらせ女子総決起集会!!』はジュンク堂書店の『USTREAM』チャンネルにてアーカイブが閲覧できるようになる予定になっているという。惜しくも見逃した方は『女子をこじらせて』を読みつつアップされるのを待つことをおすすめしたい。
junkudo’s Videos on USTREAM
http://www.ustream.tv/user/junkudo/videos
※この記事はガジェ通ウェブライターの「ふじいりょう」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?
乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営。ネット、メディア、カルチャー情報を中心に各媒体に記事を提供している。
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