海外で大人気のDIY工房「TechShop」が日本上陸。どんな場所?
今年4月、東京・赤坂にあるアーク森ビルのなかに、アメリカ生まれのDIY工房 “TechShop” のアジア第1号店である”TechShop Tokyo(テックショップ東京)” が誕生した。オープン後半年が経過した今、会員は500人を超え、多くの人の「モノをつくるのって楽しい!」をかなえているとか。どんなモノがつくれるのか、新しいDIYの可能性について聞いてきた。
米国発の会員制DIY工房が2016年春、日本に上陸!
TechShopは、アメリカ生まれの会員制DIY工房。世界的な「メイカームーブメント」の火付け役としても知られ、現在はアメリカ本国のみならず、フランスのパリとUAEのアブダビにも工房がある。そして、アジア圏初のTechShopとして2016年4月、TechShop Tokyoがオープン。米TechShop, Inc.との戦略的パートナーシップに基づき富士通が2015年100%子会社として設立したテックショップジャパン株式会社が運営にあたっている。
オフィスビルのイメージが強いアーク森ビルだが、扉をあけると1200㎡の広さの工房に木工や電気、樹脂、テキスタイル(裁縫も染色も)、溶接、3Dプリンターなどと、本格的な工作設備がずらりと並んでいる。取材時は平日の昼間だったが、性別も年代も異なる、多種多様な人々が作業をしていた。ちなみに、会員制のため入会金として3000円、工作機器を利用するにあたっては基礎トレーニング受講料(1コース4000円~)が必要だ。1日利用料は4500円、加工する材料は各自で持ち込む。(価格はすべて税別)【画像1】アーク森ビルの3階にあるTechShop Tokyoのフロントデスク。ここで受け付けをしてから入館する(写真撮影/嘉屋恭子)
「利用者の方は、年齢層も職業も、つくりたいというものも、実にさまざまなんです。現在のところ利用者の8割が男性、2割が女性ですね。最も混み合うのは、平日の夕方です。お仕事帰りに利用されている方も多いんですよ」と話してくれたのは、事業推進部の関和彦さん。開業時にプレス発表会を実施したところ、数十社の取材が入っただけでなく、開業後にもテレビ取材をはじめとして、各メディアの取材も続くなど、注目度も高いよう。TechShopを以前から知っていて、日本の上陸を楽しみにしていた人も多く、会員も順調に増えている。会社で加入するビジネス会員もいるが、多くが個人で使うものを自作しているという。【画像2】天井高8m、ダクトがむき出しになっていて、よりラボ・工房のような雰囲気に(写真撮影/嘉屋恭子)
家具や家電など、自由な発想で東京発のヒット商品ができるかも?
このTechShopに並んでいる工作機械は、どれもプロ顔負けの本格的なものばかりだが、そもそも素人でも扱えるものなのだろうか。
「現在の世界的なメイカームーブメントの背景にあるのは、工作機械のデジタル化なんです。データさえつくることができれば、あとは機械が勝手に作業してくれるので、人は見ているだけでいい。アメリカ本国では、このTechShopの利用者同士でアイデアが生まれ、実際に試作品(プロトタイプ)ができ、ベンチャーキャピタルにプレゼンをして、商品化して大ヒットなんてこともありました。東京でも、同じようにヒット商品が生まれてくれたらいいですね」と関さん。
なるほど、例えば最新の家庭用/職業用刺しゅうミシンではデータさえつくれてしまえば、あとは素材をセットすれば機械が刺しゅうしてくれるし、レーザーカッターでも機械が動いているかをチェックするだけ、という具合なのだ。ゆえに、肝心なのはアイデアといえる。 【画像3】データさえあればこんな高度な刺しゅうもこのとおり!人はできあがるのを待つだけでOK(写真撮影/嘉屋恭子) 【画像4】こちらは生地や織物に染色する「捺染機(なっせんき)」。何を染めよう、プリントしよう(写真撮影/嘉屋恭子)【画像5】木材や樹脂などに加工ができるレーザーカッター。こちらもデータをつくって、材料をセットしてしまえば、あとは機械がつくってくれる(写真撮影/嘉屋恭子)
「この場所で大切にしたいのは、コミュニティや交流が生まれること。技術者や研究者、メーカーの開発担当者などと、まったく関係ない分野の人が出会うことで、新しいアイデアや知見が生まれる。新しい可能性を生み出す場、クリエイティブな場にしていきたいんです」という。そのため、利用者同士が自然と会話が生まれるような空間づくりをしているほか、ワークショップなどのイベントも開催しているという。
ちなみに、夏休み期間中には特別に子どもも参加できるワークショップを行い、「ウェアラブルデバイス(!)」の開発を行ったとか。
「世界中のTechShopの事例では、会員が500名を超えると自然と会員同士でコラボレーションが起きることが分かっています。東京は今ちょうど500名を超えたところ。これから、どんなことが起きるのか、私も楽しみですね」と話す。
TechShop Tokyoであれば、家具やインテリア小物、表札、ランプシェードなど、住まいに関するありとあらゆるものが自作できそうだ。個人的には、日本の伝統的な建具や絵画・襖絵(ふすまえ)をもとに、現在の住まいに合うような作品がつくってみたい、という思いがうまれた。無限の可能性が広がっている、テックショップ東京。あなたなら何をつくりますか? 【画像6】スマホケースへのプリント・加工だってこのとおり。アイデアさえあれば、ヒット商品で億万長者の夢もかなうかも?(写真撮影/嘉屋恭子)【画像7】注目を集める3Dプリンター。ただ、立体データをつくれる人はまだまだ少数なので、利用者は多いわけではないのだそう。いち早く使ってみたい人は、今がチャンス?!(写真撮影/嘉屋恭子)●取材協力
・TechShop Tokyo
元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2016/12/123052_main.jpg
住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナル
関連記事リンク(外部サイト)
これだけでも印象が変わる! ドアノブ&取っ手をDIYでチェンジ
動画でわかる「プラスドライバー」 DIY工具の使い方[1]
新築住宅を購入してあえて「リフォーム&DIY」したワケ
~まだ見ぬ暮らしをみつけよう~。 SUUMOジャーナルは、住まい・暮らしに関する記事&ニュースサイトです。家を買う・借りる・リフォームに関する最新トレンドや、生活を快適にするコツ、調査・ランキング情報、住まい実例、これからの暮らしのヒントなどをお届けします。
ウェブサイト: http://suumo.jp/journal/
TwitterID: suumo_journal
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。