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「ボーイズ・ラブ」ってなに? 視聴者支持率98%超の「オタク女子文化」番組で解説

オタク女子文化研究所 番組の様子

 アニメ、ゲーム、漫画など「オタク女子文化」を徹底的に愛でて語り合うニコニコ生放送の「オタク女子文化研究所」。第3回となる2011年11月23日の放送では、オタク女子文化を語るうえで欠かせないジャンル「ボーイズ・ラブ(以下BL)」について、BLの歴史、系譜、様式美などが視聴者を交えて熱く語られた。

■「オタク女子」「腐女子」の違いとは?

 まず番組冒頭では、ジェンダー論・やおい研究を主とする社会学者・金田淳子氏が「オタク女子」「腐女子」の違いを説明。2者の違いは

「『オタク女子』とは二次元や芸能人など現実には手の届かないものに萌える女子」
「『腐女子』とは男性同士の関係(いわゆるBL)に萌える女子」

と説明する。この2つの属性を合わせ持つ女子は多いが、各作品を見る際に脳内でせめぎ合いが起こり、作品に応じて「腐女子目線」「オタク女子目線」を使い分けて楽しんでいるという。視聴者からは「間違えて欲しくないよな」「これ大事」「一緒にされたときの腹だたしさ」とのコメントが投稿され、この違いを知らずに発言してくる人に憤るオタク女子は少なくないようだ。

■すでに40年の歴史をもつBL

 BLの歴史はすでに40年以上前にさかのぼる。1960年末に萌芽が見られ、70年代には「24年組」と呼ばれる女性マンガ家たちが『風と木の詩』(竹宮惠子)、『摩利と新吾』(木原敏江)などを精力的に発表してブームとなった。

「ほんのりとみんなの間にあった『男同士の危うい関係いいよね』というのが形になった時代」(金田氏)

だという。さらに70年代末、男性同士の耽美的な恋愛関係を主に女性向けに取り扱う雑誌『JUNE』の創刊、80年のパロディ同人誌ブーム、90年代の商業BL雑誌の創刊ラッシュ等を経て今に至る。ここまでは「腐女子」の皆さんには常識ともいえる内容かもしれない。

■BLの歴史が動いた瞬間!

 しかしここで1970年代に 「24年組」マンガをリアルタイムで読んでいるお菓子研究家・福田里香氏(著作に「まんがキッチン」がある) が、BLの歴史が動いた瞬間に言及。氏によれば、まだ少女漫画誌が週刊誌だったころ、『週刊少女コミック』(当時)が人気作家陣のイラスト付きコラムを「わたしの初恋談義」として連載。この中でほかの作家陣が「メガネの生徒会長」「先生」など甘酸っぱい初恋の思い出を披露する中、「BLの開祖」ともいえる竹宮惠子氏は「陸上部にいた2人」という思い出を発表。氏は2人の男子学生のイラストとともに

「二人はなぜか、どっちがかけても不完全」「でもなぜふたりコミで好きなの?」「今度マンガに書くわ」「読んでね」

とも書いており、当時は本人自身もこの感情を整理できていなかった様子。そしてこの2人の関係への竹宮氏の感情のアンサーとして生まれたのが、BLの元祖ともいえるマンガ『風と木の詩』あたりの男子感の恋愛感情をテーマに描いた作品群だと思われる。 まさにこの竹宮氏のコラムこそ、BLの歴史が動いた瞬間といえよう。

■BLとは俳句! 反射!

 その後も番組ではBLの様式美、同人BLと商業BLの違いなどについて視聴者コメントを交えながら白熱した討論を展開。「BLとは」との質問に対して、太田出版編集者・両角織江氏は

 「BLは俳句。(商業BLは「美形でなくてはいけない」「ハッピーエンドであること」「ガチムチ禁止」など)お約束事が厳しめだが、その制約にすり寄せながらいかに創作していくか。あるいはそれを逸脱しつつ俳句が川柳になるのも面白い」

 ブックマン社編集者・山口美生氏は

「BLは(脊髄)反射。アタマで考えるものではない。感じるもの。男性2人を見たら、どっちがどっちかを(受けか攻めかを)自然に考えてしまう」

と、参加者各人がそれぞれ含蓄のある発言で締めくくり番組は終了。番組内容を問うアンケートでは「とても良かった」が87.5%、「まぁまぁ良かった」が10.9%で「良かった」合計が98.4%と、番組スタッフが「こんな数字初体験。。」と驚きのコメントを残すほど脅威の支持率を受ける熱い討論会となった。

◇関連サイト
・[ニコニコ生放送]オタク女子文化研究所 番組冒頭から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv71415956?po=news&ref=rews#0:51

(大塚千春)

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