元外交官、米が沖縄にこだわる理由は「日本に金を出してもらえるから」
「犯す前にこれから犯すと言うか?」――。沖縄県・米軍普天間飛行場の移設をめぐり女性への乱暴に例えた田中聡・前沖縄防衛局長の不適切発言が、波紋を呼んでいる。田中前局長は2011年11月29日付けで更迭。さらに、1995年に起きた沖縄少女暴行事件について「中身を詳細には知らない」と国会答弁した一川保夫防衛相に対する問責決議案が12月9日に参院で可決された。これらの発言は沖縄に対する政治家と官僚の意識の一端を示したとも言える。
2011年12月9日夜に放送された「ニコ生トークセッション」では、前泊博盛氏(沖縄国際大学教授、元琉球新報記者)、孫崎享氏(元外務省国際情報局長)の両氏を迎え、ジャーナリストの高田昌幸氏の司会のもと「沖縄が抱える問題と日米安保の問題点」について議論を行った。
番組で、高田氏が「田中前局長の”レイプ発言”を聞いた印象は?」と問うと、孫崎氏は「『沖縄の民意をないがしろにしてもいいんだ』という(政府・官僚たちの)雰囲気が伝わってきた」と語気を強めながら述べた。前泊氏は「(黙って犯される前に)そういう発言を逆にしてくれた田中さんは正直な人だったとも言える」と皮肉を込めて語った。
また議論では、在日米軍基地面積の70%以上が沖縄県に集中していることに話が及んだ。前泊氏は「沖縄に米軍海兵隊がこんなにいるのに、中国の海軍(の船)が自由に行き来し、尖閣で問題が起こるのは、抑止力が利いていないとなる。むしろ軍事力で解決できない問題だ」と述べた。同様に孫崎氏も、抑止力としての沖縄の基地の存在意義に疑問を呈した。
両氏の言うように抑止力がないのだとすれば、アメリカが沖縄に基地を持ち続けるメリットは何か。外務省で国際情報局長を務めたこともある孫崎氏は「金の問題」だと指摘する。
「安全保障の重要性ではなくて、海外の基地を置くのに日本だったら金を出してくれる。これが一番重要なポイントだ」
孫崎氏によると、財政難で各国の海外基地を閉鎖しているアメリカは日本の「思いやり予算」を当てにしているという。この孫崎氏の発言に対して、前泊氏も米国防次官補の言葉を引き合いに出しながら同意していた。
◇関連サイト
・[ニコニコ生放送] 孫崎享氏が語る米軍が沖縄にいる理由部分から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv72696636?po=news&ref=news#33:17
(山下剛)
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ウェブサイト: http://news.nicovideo.jp/
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