『ニコニコ動画』で新サービス発表 クリエーターへの還元も

ニコニコ動画によるクリエーター奨励システムがスタート

12月12日『ニコニコ動画 新サービス発表会(仮)』が開催された。 多岐に渡るリニューアル、新サービスの発表が行われたが今回最も注目したいのが『ニコニ・コモンズ』の『クリエイター奨励システム』に関してだろう。 クリエーターへの還元が行われる本サービス。 果たして、どういったものになるのだろうか。

ニコニ・コモンズとは?

『ニコニ・コモンズ』とはクリエーターの創作活動の支援を行うサービスで、素材ライブラリーとしての機能と共に二次創作文化の推奨も目的となっており、利用者は『ニコニ・コモンズ』へ素材を公開し自分が指定した利用制限内で他のユーザーに自由に素材を使ってもらうことができる。 他のユーザーがどの素材を使ったかの申請は必要だが、自分の作品(素材)がどのような使われ方をしているのか、どのように拡散しているのか等を一元管理することが可能だ。素材の親子関係は『コンテンツツリー』と呼ばれる機能により確認が可能な点も特徴。また『ニコニ・コモンズ』は、あくまで素材ライブラリーの管理を目的としたサービスなので著作権が譲渡される、といったこともない。

総額4億円を想定 クリエーター奨励システム

それでは今回発表された『クリエイター奨励システム』とは何か? これは『ニコニ・コモンズ』にアップロードした素材の中で『クリエイター奨励システム』に申請された素材に関して報奨金が提供されるというものだ。 原資は『ニコニコ動画』のプレミアム会員(有料会員)の売上となっており、作品を提供したクリエーターへ『ニコニコポイント』または一定の金額を超えた場合、現金での支払いが予定されている。 また原資となる金額だが、現時点では「4億円程度」と想定しているとのことだ。 この原資を『クリエイター奨励システム』登録作品で分配する仕組みとなっている。 なお、その査定基準だが「単純な再生数ではない」とのことで、自身の作品自体の利用状況のみならず利用された子作品の状況なども加味されて算出される模様だ。

そのメリットは?

このサービスのメリットは実に大きい。 前項でも説明をした奨励金制度は、多くの時間を割いて作品を生み出すクリエーターにとって創作活動の一助となりえるだろう。 しかし、それよりも大きなメリットは『ニコニ・コモンズ』自体の活性化だ。 このサービスの立ち位置は「素材ライブラリーの管理」であるが、これまで草の根で活動をするクリエーターにとって、権利をクリアした上で他者の素材を使用することはハードルが高かった。

例えば使用したい素材があったとして、その作者へ使用許可を申請しようにも
・連絡先が公開されておらず分からない
・連絡が取れたとしてもレスポンスまでの時間がかかり作業が停滞してしまう
・逆に作者側としては寄せられる作品への使用許諾に一つ一つ対応しなければならず手間がかかる
・作者は自分の作品がどのような使われ方をしているかの管理が必要
など、 とかくクリエーターが苦手としがちな“事務作業”の分野を『ニコニ・コモンズ』に一任し簡略化、自身は創作活動に専念できる恩恵は計り知れない。

奨励システムは既にスタート

この『クリエイター奨励システム』は12月13日現在、既に開始されている。

利用の基準は
・『ニコニコ動画』のプレミアム会員であること
・『コンテンツツリー』を登録していること
・三か月間、削除されず公開すること(違法動画対策への猶予)
・作品の二次利用を歓迎すること
となっている。 自作品の更なる展開をはかるも良し、公開されている素材を利用することで一段のレベルアップをはかるも良し。 実際にどのような流れになるかはまだ未知数だが、二次創作活動の活性化は該当作品の底上げへとつながる起爆剤ともなりうる。 その展開に期待しよう。

ニコニ・コモンズ
http://commons.nicovideo.jp/
『原点回帰』ニコニコ動画5周年記念新サービス発表会(仮)
http://live.nicovideo.jp/gate/lv72117885[リンク]

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ひげおやじ

インターネットの賑わっているところに大概参加をしながら約20年。 ここ最近はニコニコなどの動画サイトを根城にしつつ、何だかよく分からない生活を送る。 生放送においては過去に、日本全国を生放送をしつつ巡ったり、ヨハネスブルグ、ジンバブエ、カザフスタンなど「そもそも回線は大丈夫なの?」といった場所から生放送を行ったことも。 しかし、一番好きな場所は『自分の部屋』とのたまう、自称「世界で一番忙しいニート」・「世界で一番仕事をしない自宅警備員」。

ウェブサイト: http://com.nicovideo.jp/community/co7201

TwitterID: higeoyaji

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