大学が学生をスカウト!?入学志願者確保に多様化する大学の取組み
国際教養大学が学生をスカウトへ
国際教養大学が2018年度の入試から、大学側が求める人材をスカウトし入学を呼びかける制度を開始します。
大学側の魅力を世の受験生にアピールし、大学に興味を持ってもらうための積極策の一つでしょう。
同様の制度として、将来の活躍が見込まれる運動選手をスカウトして、大学への進学を促すことはよくあります。
私立大学のスポーツ推薦制度などがあることは、周知の事実でしょう。
今回取り上げられている、国際教養大学は、2004年の開学以来、入学志望者が減り続けていました。
しかし、他大学との差別化された教育方針などがメディアで取り上げられ、ブームがおこり入学志望者が急増しました。
ここ数年は、そのブームが沈静化したこともあり、受験者数が前年比2割程度の急減が続いています。
18歳人口が減少する2018年問題 増える定員割れの大学
昨今の受験生の傾向として、地方より都市部への進学を希望する受験生が増えています。
また、大学のキャンパスの都心部へ移転・集約を実施し、入学志願者数を増やすことに成功している大学も、多く存在します。
一方で、地方にある私立の文系単科大学の中には、十分な学生数を確保できず、定員割れを起こしているところもあります。
入学志望者と学生の減少のため、大学自体の存続が困難になり、生徒募集を停止した大学も現れました。
私大だけでなく、地方にある文系単科の公立大学も例外ではなくなっています。
少子化の影響を受け、18歳人口が減少することは「2018年問題」として話題になりました。
18歳人口の減少に伴って、大学への進学希望者も今後は減少することが見込まれています。
入学志願者の獲得のために、あらゆる積極策を取らなければ、大学運営の死活問題になります。
このような背景から、日本全国の大学が、多様な方法で学生獲得に乗り出していることは、高校生の方なら、知っていることも多いはずです。
志願者確保のための大学の取り組みは高校生にとってもメリットが大きい
大学の先生たちが、様々な高校へ出向いて出張講義を行うことや、夏休み期間を利用して、高校生対象の授業解放やサマースクールを実施するなど、大学の存在を広くアピールし、高校生たちへの認知度を高める活動が格段に多くなりました。
一方で、推薦入試の出願資格の中に、オープンキャンパスへの複数回参加を必須とする大学もあります。
さらには、オープンキャンパスで予備校講師を招いて、過去問を使用した受験対策授業を、無料開講する大学までも存在します。
このような、入学の可能性が高そうな高校生を見つけ出し、早い時期から囲い込みを行って、入学者を確保するイベントも多数実施されています。
大学のパンフレットや、ネットから得られる情報だけでなく、現場を体験してわかることは多いはずです。
大学受験を控える高校生にとっては、身近にある大学が、入学後にどんなことをしてくれるのかを実体験でき、よく理解した上で入学ができることは、メリットが大きいのではないでしょうか。
(加藤 哲也/塾講師、大学受験ストラテジスト)
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