みんなが考える、アルバイトの「遅刻」は何分から?
「5分前行動」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
学生時代に始業を意味する本鈴の前に予鈴があることからもわかるように、決められた時間にはすぐに始められるように、開始5分前から準備をしておきましょうという考え方です。
アルバイトの場合は1時間当たりいくらという形で報酬を得ることが多くなりますので、準備時間も仕事のうちという考え方もできそうです。その場合、始業時間に仕事を開始できなかったとしても、遅刻にはならないのでしょうか。
みんなは、スタート時間のいつから「遅刻」と考えているのでしょうか。アルバイトの「遅刻」の考え方についてアンケート調査を行いました。
【質問】
アルバイトの「遅刻」はいつからだと思いますか?
【回答数】
スタート時間の11分以前:0
スタート時間の10分前:3
スタート時間の5分前:12
スタート時ピッタリ:48
スタート時間を過ぎて1分:30
スタート時間を過ぎて5分:4
スタート時間を過ぎて10分:3
それ以降:0
スタート時間より前に到着していないと「遅刻」と考える回答が85%
アンケートの結果からは、少なくともスタート時間より前には到着していないと遅刻とみなされるようです。
「スタート時間ピッタリ」でも遅刻、「スタート時間の1分過ぎ」たら遅刻、と回答のボリュームが割れたので、このゾーンのコメントを見ていきましょう。
「スタート時間ピッタリ」は遅刻という回答が48%
一番多かった回答が「スタート時ピッタリ」。約半数の人が約束の時間ピッタリに到着してもセーフではないと考えているようです。 ・事業に支障の出る範囲内と考えたときに、最悪5分前までならどうにかなると思う。 ただ、開始時間に行った場合はなにかしらの影響が出ると思うから。(20代/男性/学生)
・余裕を持って5分前にはスタンバイしておくのが良いと思います。 が、就業開始は時間ピッタリからだとも思うので、その時間までに間に合えば遅刻にはならないと思います。(20代/女性/学生)
・準備のためスタート5?10分前につくべきだと思います。スタート時刻ぴったりの到着はスタート時刻に勤務に入ることができないということですので遅刻とみなすべきです。(20代/女性/学生)
・出勤時間、とは業務を開始する時間であるため、時間ピッタリに着いたらその時間から業務を始めることができないため。(10代/女性/学生)
仕事のスタート時間には、仕事を始められる状態にしておくべきという意見が多く挙げられました。多くの人が、「準備時間」は仕事の時間には含まれないと思っているようです。
スタート時間ピッタリに仕事を開始することができて初めて「遅刻ではない」と考えるわけですね。
また、遅刻は問題ですが、早く着く分には問題ないという意見も多く、ギリギリの到着はあまりよいことではないと考える方が多いことがうかがえます。
「スタート時間を過ぎて1分」でも遅刻は遅刻が30%
2番目に多かったのが、「スタート時間を過ぎて1分」という回答でした。 ・自分が入る予定のシフトからは働くということでその時刻に少しでも遅れたら遅刻だと思う。それに間に合うはやい分には全然問題ではないと思う。(20代/男性/学生)
・スタートの時間を過ぎた、という時点でそれがたった1分でも遅刻だと思う。スタート前に着いていて、遅刻とみなされるのには疑問を感じる。(20代/女性/学生)
・契約に示されている時間以降の出勤があくまで遅刻だと思うので。(20代/男性/学生)
・集合時間がスタート時間よりも前に設定されているなら、その集合時間にいないとダメだと思うけれど、スタート時にいればよいのなら、ぴったりまではセーフだと思う。タイムカードをきるようなシステムの場合、時間に間に合っているかどうかはっきりわかるから。(20代/女性/学生)
スタート時間を過ぎてしまった場合には、たとえ1分後であっても遅刻と考える人が多いようです。
特に働いた時間がそのまま報酬になるアルバイトでは、1分の遅刻もNGということですね。
また、集合時間とスタート時間が別々であるケースもあり、その場合にはスタート時間に間に合えばセーフという意見もありました。
しかし、多くの場合タイムカードで出勤時間が管理されますので、1分でも遅刻した場合には遅刻扱いとなることが多いでしょう。
「準備の時間」は仕事時間に含まれるのか
スタート時間ピッタリであれば遅刻ではないというコメントの中にも、ピッタリでも遅刻にはならないが、5分くらい前までには到着して準備を始めたほうがよいとする回答が多くみられました。
果たして、準備時間は仕事の時間に含まれるのでしょうか。
過去の判例では、どちらとも言えず、準備時間も労働時間のうちとする場合も、準備時間は労働時間に含まれないという場合もあります。
ただし、回答にも多くある通り「スタート時間には業務を開始できる状態である」ということを、マナーだと考えている人も多いため、なるべくスタート時間までには準備を終わらせておいた方がよいでしょう。
アルバイトは契約時に条件などを書面にして相互に確認していると思います。気になる場合には、書面上で「準備時間」がどのような扱いになっているのかを確認しておくとよいかもしれません。
職場の人間関係に大切なのはマナー
マナーは、相手を思いやる気持ちを行動で示すこと。
従って、ビジネスマナーの視点から考えて、時間より5分~10分ほど前に到着するようにして、仕事の準備に取り掛かることが望まれます。
雇用契約上は仕事を始める時間が始業時間であり、手を止めて仕事を終えるのが終業時間。仕事を始める前の準備と、仕事を終えて片づける時間は、契約に入っていないことが多いのです。
また、シフト制度で、人が入れ替わるような勤務形態なら、次の人に引き継ぐ時間も考えて、やはりスタート時間より前に職場に到着していることが望まれます。
時間を守るということは、信頼関係を築くために大切な行為です。周囲の人に信頼してもらえるように、遅くとも5分前には職場に到着できるように心がけた方がよいでしょう。 【識者紹介】
竹内和美(たけうちかずみ)株式会社オフィス・ウィズ代表取締役
企業研修講師人材育成請負人認定エグゼクティブキャリア・コーチ
百貨店にて販売・秘書・広報の業務を経験。
1999年「オフィス・ウィズ」を設立。
2015年株式会社オフィス・ウィズ設立
ロールプレイング中心の実践型研修やキャリアカウンセリング、コーチングに定評があり、企業や個人のリピートが多い。
【アンケート概要】
調査地域:全国
調査対象:【職業】学生
調査期間:2016年07月04日~2016年07月18日
有効回答数:100サンプル
協力会社:ウィルゲート
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