マンガ『ヤング島耕作 主任編』に学ぶ、大きな組織で働く中で忘れてはいけないこと――大事なことは全部マンガが教えてくれた
「マンガ」のあるシーン・ある言葉に、ハッと気づきを与えられたこと、勇気づけられたこと、ありますか?
普通に仕事をしているだけでは、なかなか気づくことのできなかった考え方など「マンガから学べた!」ってこと、あると思います。そんな仕事に人生にジンジン効いてくるマンガの1フレーズを、紹介する「大事なことは全部マンガが教えてくれた」シリーズ。
今回は、ロングセラーを続ける島耕作シリーズから『ヤング島耕作 主任編』(©弘兼憲史 / 講談社)より、大きな組織で働く中で忘れてはいけないことをご紹介します。
自分の仕事の範囲を勝手に定義していないか?
大きな組織では、部署ごとに役割分担が明確になっており、それぞれのセクションで任された仕事を遂行することになります。ただ、それは時に「自分の仕事はここからここまで」と定義することになり、そこから先のことに対して関心を失うことにもつながってしまいます。そして結果的に「自分はここからここまでをやっておけばいい」という甘えを生んでしまうことがあります。
そのことを教えてくれる1フレーズがこちら!
©弘兼憲史 / 講談社
人にふり、その人間が人にふり、
更にその人間がまた人にふった!
丸投げの連鎖だ!!
仕事がダレていないか!?
自分の仕事に最後まで責任を持っていたか!?
©弘兼憲史 / 講談社
東北の営業所から本社販売助成部の販売店課へ異動していた芋阪は、ある日制作課の主任である島とその部下を呼び出しました。制作課のミスにより、九州エリアへ送る販促物が他のエリアより遅れたことで、販売店課の方にクレームが殺到してしまったためです。
事情を聞かれた島は「まさかそんな遅れがあったとはつい先日まで知りませんでした」と詫び、島の部下は「発送の1週間前に島から指示が出て、即日印刷会社に発送の依頼をした」と仕事を予定通り遂行したことを説明しました。芋阪に発送の確認をしたか、と問われると、その確認作業は各営業所の管轄になるため任せていた、と島の部下は答えます。
その返答を受けて芋阪は「今からキミたちを怒鳴りつける。みんなの前で晒し者にする。その意味を理解しろ」と告げ、2人を販売課の部下たちがいる事務所へと呼びつけることにしました。
事務所の自分のデスクの前に2人を立たせた芋阪は、大声で「バカもの」と叫び、続けます。
なぜ自分で最後まで確認しない!!
電話一本入れるのに一分間もいらんだろう!!
人にふり、その人間が人にふり、更にその人間がまた人にふった!丸投げの連鎖だ!!
仕事がダレていないか!?自分の仕事に最後まで責任を持っていたか!?
©弘兼憲史 / 講談社
そんな芋阪の指摘に、販売店課のメンバーは仕事をしつつも耳を傾け、中にはメモを取っている人間までいました。芋阪は本社の人間にも伝えたいがために、敢えて島たちを皆の前で叱りつけたのでした。
その夜、芋坂は二人を連れて飲みに出かけます。少し言い過ぎた、と詫びつつ、今回の行動に至った背景をこう説明します。
組織が大きくなればなるほどタテ割行政になる
そうなれば横の連絡が出来ないから、自分の仕事だけに専念し、
その結果、他の仕事には関心がなくなってくる
組織には時々、風を通すことが必要だ
俺のような外部の人間が入らないとセクショナリズムにこり固まってしまい
融通の利かない人間ばかりを作りあげる
©弘兼憲史 / 講談社
「自分の仕事」とは「自分が関わった仕事」
規模の大きな組織ほど、各部署の役割分担と責任分掌を明確にします。それは効率的な組織運営において必要不可欠なことではありますが、気を付けないとその「責任分掌の中でのみ」仕事をするようになってしまうことがあります。それが自分の責任分掌の外にあると感じれば、たった一本電話すらかけなくなることもあるのです。
何かトラブルがあった時、「私はちゃんとやりました」といったところで、最終的な目的が達成されなければ意味がありません。「自分の仕事」とは自分の責任分掌のことではなく、自分が関わった仕事のことと認識し、より正確に、より効率的に遂行されるために何ができるかを一歩踏み込んで考える。大きな組織で働くときこそ、忘れてはいけないことではないでしょうか。
>>『大事なことは全部マンガが教えてくれた』シリーズ監修:リクナビネクストジャーナル編集部
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