マニア必見! ディテールにこだわりまくった「ダムカレー」をとくと味わう【新豊根ダム】【佐久間ダム】

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男子なら砂場で作った「川」に水を流して遊んだことがあるだろう。さらに「河口」を砂で塞いだ「ダム」を作り、あえて決壊させるのがこの砂遊びの醍醐味である。

ダムは男子にとって大きなロマンなのだ。

新豊根ダムの構造を具材で再現

今年の夏、長野県と静岡県に隣接した愛知県北設楽郡豊根村に避暑へ行ってきた。村内の日帰り温泉施設「湯~らんど パルとよね」に立ち寄ったとき、思わず私の目が釘付けにされたものがある。

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ライスをダムに、カレールーをダム湖に見立てた「ダムカレー」である。

ダム+カレーで、ダムカレー。

豊根村には新豊根と佐久間、2つのダムがあり、それらの周辺にある道の駅や喫茶店でダムカレーを出しているというのだ。その数、全5種類。どうしても、この目で実物を確かめたくなり、後日、再び豊根村を訪ねた。

まずはカレーのモデルになったダムを目に焼き付けるべく、新豊根ダムへ車を走らせた。

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目の前に広がるのは、巨大なアーチ状の堰堤(えんてい)。ここ、新豊根ダムは全国的に珍しい左右非対称のデザインを採用していて、ダムマニアにはたまらないだろう。ちなみにダム湖は「みどり湖」と命名されている。

新豊根ダムを後にして向かったのは、茶臼山高原。ここはハイキングや水遊び、スキーなど季節を通じて楽しむことができる人気スポット。

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ここに設置された「レストラン やはず」の「新豊根ダムカレー」(1,080円)がこれ!

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奥にある2つのご飯は標高1,415mの茶臼山(右)と福神漬けで芝桜の丘を表現した1,358mの萩太郎山。これは南アルプスを一望できる場所から新豊根ダムを見下ろすイメージとか。

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スタッフの奥田達之さんによると「チーズは水門、ブルーベリーは放水、フライドポテトは斜行式のエレベーターです」とのこと。かなり強引な気もするが(笑)、フライドポテトをあえてナナメに盛り付けてあったり、ダム湖のみどり湖はホウレン草のカレーで表現していたりとマニアも納得だ。

特筆すべきはこのボリューム。ご飯だけで400gもあるそうで、シェアするカップル客も多いという。

お店情報

レストラン やはず

住所:愛知県北設楽郡豊根村坂宇場字御所平70-185

電話番号:0536-87-2345

営業時間:春夏秋/9:00(芝桜まつり期間5月~6月は8:00)~16:30、スキーシーズン時は8:30(土日祝は8:00)~17:00

定休日:木曜日 ただしイベント期間中は無休 公式ウェブサイトで要確認を

ボリューム満点の新豊根ダムカレーも

次は新豊根ダム入り口にある「レストラン みどり」。

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こちらの「新豊根ダムカレー」(950円)で目を引くのは、大皿にテンコ盛りのご飯。

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アーチ状に盛り付けられていて、軽く2人前のボリュームがある。

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店主の新木秀一さんによると「分厚いハムカツはダムの操作所、コロッケは放水の際に水量を調節するクレストゲートです。ダイナミックな放水をサラダで表現してみました」と、かなり芸が細かい!

新豊根ダムの迫力をそのまま味わえるひと皿だ。

お店情報

レストラン みどり

住所:愛知県北設楽郡豊根村下黒川字蕨平2

電話番号:0536-85-1855

営業時間:11:30~13:30、17:00~21:30

定休日:水曜日、第3日曜日

龍神伝説をダムカレーで表現

次は今回の企画のきっかけとなった「湯~らんど パルとよね」。

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こちらの「新豊根ダムカレー」(940円、サラダ付き)は、日帰り温泉施設だけに温泉卵のトッピングが特徴。

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注目したいのは、その横にある蛇腹切りにしたキュウリ。

「ダムの湖畔には古くから竜神伝説があるんです。実際、竜神様をお祭りした御池神社もあります。蛇腹状のキュウリはそのイメージです」と語るのは、スタッフの村松文毅さん。

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ほかにもポテトはクレストゲート、万願寺唐辛子は斜行式エレベーターというこだわりも。“美人の湯”と定評のあるお風呂と、このカレーのダブルで汗を流してみては?

お店情報

湯~らんど パルとよね

住所:愛知県北設楽郡豊根村上黒川字長野田20

電話番号:0536-85-1180

営業時間:11:00~21:00(LO 20:30)

定休日:木曜日(祝日の場合は翌日)

ウェブサイト:http://www.yume-sma.com/chausuyama_pal/

みどり湖だけにグリーンカレー!

次は’90年に村営の観光施設として開業し、’93年に建設省(現国土交通省)から愛知県第一号の道の駅に認定された「グリーンポート宮嶋」。昨年4月にリニューアルオープンし、ますます注目を集めている。

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地元の食材をふんだんに使ったレストランも好評で、「ダムカレー」(850円)も人気メニューの一つ。

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揚げたナスは斜行エレベーター、椎茸のうま煮は操作所、ウインナーは放水口、豆は堰堤(えんてい)の窓と、こちらもダムの細部までリアルに表現している。

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コロッケは水源から水を取り入れる取水口をイメージしました。実はこのコロッケがウチの名物なんですよ。また、カレーはタイのグリーンカレーを使っているのも特徴です」と、店長の森本寿人さん。

ダム湖の名称が「みどり湖」だけにグリーンカレーということだが、これがかなりの本格派。食べているうちにじんわりと汗がにじむ。しかし、ここは標高が高いので夏でも涼しく、窓から心地良い風が入ってくる。ほかのダムカレーにはない爽やかな辛さがクセになる。

お店情報

グリーンポート宮嶋

住所:愛知県北設楽郡豊根村坂宇場字宮ノ嶋29-3

電話番号:0536-87-2009

営業時間:9:00~17:00

定休日:水曜日(祝日の場合は翌日)

ウェブサイト:http://dsact.co.jp/toyonekanko/

トッピング豊富な佐久間ダムカレー

4つのダムカレーを紹介したところで、山道を車で1時間以上も走りまくって次の目的地へ。めざしたのは佐久間ダム。日本で最初に大型土木機械を本格導入し、わずか3年で完成させ、戦後の土木技術の原点となったダムだ。

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この佐久間ダムを模したカレーが食べられるのが「コーヒーショップ 栃の木」。店のある富山地区は、かつては日本一人口の少ない富山村だった。’05年に豊根村と合併したものの、このお店は地区で唯一の飲食店である。

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こちらの「佐久間ダムカレー」(1,000円)は新豊根ダムのそれよりもトッピングの種類が豊富。

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まるでお子様ランチのようなカレーだが、いちばん目を引くのは大きな豚カツだ。

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店主の安井敏博さんによると「豚カツは5門の真っ直ぐなローラーゲートです。エレベーター棟は赤ウインナーで、上流から流れ込み、貯水池の底にたまった“堆砂(たいさ)”と呼ばれる土砂はスクランブルエッグで表現しました」とか。

この際、ダムに見えるとか見えないとかはどうでもイイ(笑)。エビフライやたっぷりのサラダが何ともうまそうなこのカレー、満足度はかなり高い。

お店情報

コーヒーショップ 栃の木

住所:愛知県北設楽郡豊根村富山字湯之島25-4

電話番号:090-1740-3347

営業時間:12:00~16:00

定休日:月曜日

今回、5つのダムカレーを紹介したが、豊根村に限らず、全国各地のダムのある町には必ずと言っていいほど存在するという。ダムへのドライブがてら探してみるのも楽しい。

※金額はすべて消費税込です。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

書いた人:永谷正樹

永谷正樹

名古屋を拠点に活動するフードライター兼フォトグラファー。地元目線による名古屋の食文化を全国発信することをライフワークとして、グルメ情報誌や月刊誌、週刊誌などに写真と記事を提供。最近は「きしめん」の魅力にハマり、ほぼ毎日食べ歩いている。

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