“365日チョコを食べ続ける男”が伝授! カカオからチョコレートができるまでを手作り体験
老若男女問わずみんな大好きなチョコレート。
でもふと考えると、チョコレートってどうやってできているんだっけ?
「カカオから作るんでしょ」っていうのは知ってても……じゃあカカオって何? カカオからどうやったらチョコレートになるの?
……と、よくよく考えたらチョコレートが作られる工程を知っているようで何も知らないことに気づいた私。
こんなにチョコレートを愛しているのに~!
と、思っていたところに、チョコレートをカカオから作るイベントを発見。ここに行けば、チョコレートの作り方の全貌が明らかになるに違いない。
この方が、イベントの主催者であるチョコレートくん。チョコレート探検家であり、“365日チョコを食べ続ける男”であります。チョコレート好きが高じて、「Chocolat du Cima」というショコラブランドの代表もしています。
私「写真撮りますね~」
チョコレートくん「あ、じゃあカカオポーズしますね……」
私「え? カカオポーズって……」
と思ったら、カカオを手に取るチョコレートくん。うん、誰にも真似できないよ、このポーズ!
物心ついたときから、チョコレートの虜だったというチョコレートくん。趣味で、カカオからチョコレートを作っていたところ、「ひとりでやるのは大変だな~」と「そうだ、イベントにしちゃおう」と思ったそう(その行動力、マジリスペクト!)。
今は、月に1回程度、不定期でカカオからチョコレートを作るイベントを主催されています。
私も、がっつり作らせていただきましたので、皆様にその全貌をお見せします。
というわけで、改めてカカオにご登場いただきましょう。
じゃーん!
思っていたよりデカい! というのが第一印象。しかも、これは乾燥させた状態で、実際のカカオの実はこれの1.5倍ほどあるそう。
カカオが育つのは、赤道から南北20度まで、降水量の多い地域のみ。パッションフルーツのような味の果肉なんだとか。
割ると、中に40~50粒の種子(=カカオ豆)があり発酵・乾燥処理されたものが麻袋に詰められ船で運ばれます。さらに、それを焙煎します。
右が乾燥されて運ばれてきカカオ豆。カカオの焙煎は120度で40分ほど、手網を使って焙煎するそう。焙煎は、チョコレートくんが自宅でコツコツやってきてくれます。
今回のカカオはニカラグア産のもの。産地や栽培状況、カカオの種類などによって味が変わるそうで、今回のカカオはフルーティーな酸味が特徴とのこと。
ここからが、我々の出番。まず、カカオ豆の皮を割ってむいていきます。親指の腹でグッと力をいれて……、
くるっと指を回すと、キレイにむけました! 最初は難しいですが、コツをつかむとちょっと楽しくなってきます。
4人でがんばってこんな感じに。これで板チョコ2枚分くらいの量。
ちなみに、この日の参加人数は8人。リピーターの主婦の方や、ひとりで参加しているチョコ好きの大学生などさまざま。グループに分かれて話しながら作業するうちに、不思議と一体感が生まれ、初めての私も楽しく過ごせました。
この日は、20~30代ぐらいの女性が多かったのですが、これまでにチョコ好きの男性のほか、お小遣いを全額チョコレートにつぎ込んでいる高校生、製菓学校の学生さんなど、色んな方が参加しているそうです。
お次に登場したのがこのマシーン。これは、米から米粉を作る家庭用の機械なのですが、これでカカオ豆を粉にします。
しばらく機械にかけるとこんな感じ。カカオ豆の約55%は油分なので、しっとりした粉になっています。
ここに、カカオバターを入れていきます。カカオバターとは、カカオ豆に含まれる油分のこと。
カカオバターを入れて、撹拌(かくはん)するとこんな感じ。もう、香りも見た目もチョコレートなんですが、全然甘くない状態です。
そこで、ここに砂糖を入れていきます。今回はきび砂糖を使用していますが、砂糖の種類はお好みで良いそう。
ちょこちょこ(あ、ギャグじゃないですよ)味見をしながら砂糖を足していきます。
いい感じの甘さになったら、すり鉢へ移します。この時点では、まだチョコレートの粒子が大きく、ザラザラした舌触り……。これを細かくすればするほど、なめらかなチョコレートになります。本来、お店ではコンチェと呼ばれる機械で半日〜3日間かける工程だそうですが、我々に与えられた時間は15分。
みんな、なめらかにしたい一心で、光の速さで混ぜます。おいしいチョコレートへの執念が、力となりすり鉢へ注ぎ込まれます。15分後には全員ぐったりしていましたが、そこはかとない達成感が。
すり鉢からボウルへ移します。とろーっとして、見た目にもなめらかになったのが分かります。
ここからは、テクニックのいる「テンパリング」の作業になります。湯せんで温度を45℃まで上げてから、今度はボウルを水につけ26℃ぐらいまで下げ、最後は31℃くらいまで温度を上げます。これは、カカオバターの結晶を安定させるための作業で、テンパリングをしないと、冷やしてもうまく固まらなかったり、白くなってしまったりするんですって。
これは、微妙な作業なので、チョコレートくんがやってくれるのをみんなで見守ります。
いよいよ、最終作業。
型にチョコレートを流し込んで、上にナッツやドライフルーツをのせていきます。すり鉢の疲れを忘れ、チョコレートを飾るのに夢中になる参加者たち。ここまで来れば、あとは冷蔵庫で冷やすだけ!
チョコレートが固まるのを待っている間に、今回は原宿のカフェ「REISSUE」の、ラテアート職人じょーじさんによる、ラテアートの講座もありました。
ミルクでおおまかな形をつくり、つまようじでちょんちょんと。
!?
てるてるぼうず~! あっという間にできました。
私も、チャレンジしました。『メシ通』のロゴ。コーヒーのなかにどんぶりで、全然おしゃれ感なかった…。土台のおおまかな形はじょーじさんが作ってくれるので、初心者でも意外と簡単に描けましたよ。
と、そうこうしている間に、チョコレートが固まったようです!
固まったチョコを、型からはずします。べろーん!
できました。チョコレートです! ちゃんとチョコレートになっています。
市販品に比べると、やはりなめらかさは負けますが、今回使ったカカオの特長であるフルーティーな酸味が広がる、大人味のチョコレートができました。
発酵食品でもあるチョコレートは、「時間が経つとまた味が変わっておいしい」ということで、1週間後食べると、角がとれ深みの増したチョコレートが味わえました。(とはいえ安全面を考えて10日ほどで食べきりましょう)
まとめると……。
現地で発酵・乾燥処理されたカカオ豆を焙煎
↓
皮をむいてカカオ豆を粉砕
↓
カカオバターを混ぜる
↓
砂糖を入れて味を調整
↓
ひたすらなめらかになるまで混ぜる
↓
テンパリング
↓
冷やし固める
何気なく食べているチョコレートですが、こんな工程で作られていたんですね。安価でおいしいチョコレートが食べられる日本の現状に感謝!
もっともっと「日本のチョコレート市場を広げたい」という野望をもつチョコレートくん。イベントの間、チョコレートを作っているのにも関わらず、新作のコンビニチョコを食べていて、チョコレートへのただならぬ愛を感じました。
今後も不定期でチョコレート作りのイベントを開催するとのことで、チョコレート好きなら一度は参加する価値ありです!
今後のイベント日程などはこちらで!
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チョコレートくん(@pyonkichi11011)さん | Twitter
書いた人:M井Mほこ
世の中酒で乗り切れると信じる、1982年生まれの編集ライター。週末は、立川付近の畑で育てた小麦でうどんを打つ小麦女。
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