「ジャーナリストに恐怖心」 鉢呂前大臣「死のまち」言葉狩りを振り返る

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「今日は私の言葉の真意を伝えてほしい」と鉢呂吉雄前経産大臣

 民主党の鉢呂吉雄前経産大臣は2011年11月14日、日本外国人特派員協会主催の記者会見に出席。ことし9月に起きた大臣辞任劇について「ジャーナリストに大変恐怖心を持たされた」と語った。現在、鉢呂前大臣は民主党の経済連携プロジェクトチームの座長を務めている。

 ことし9月、鉢呂経産大臣(当時)は記者会見で、福島第1原発周辺を「死のまち」と表現し、メディアなどに非難された。さらに記者の前で「放射能つけちゃうぞ」と発言したとも報じられ、就任まもなく辞任に追い込まれている。

 「新聞・テレビは非難一色だった」――。会見冒頭、鉢呂前大臣は自身の「死のまち」発言当時のマスメディアの反応を振り返った。鉢呂前大臣によると、「あの時も記者会見で、このような事態に陥らせた経産省の責任の原点に帰って、事態を改善していかなければならないことを強調したのだが、『死のまち』だけが(メディアに)取り上げられた」という。このことで鉢呂前大臣は、

「ジャーナリストに大変恐怖心を持たされた」

と語った。しかし辞任後、新聞の読者欄で、一時帰宅した住民が「まさにその通りだった」と投稿しているのを見て、「ほっとした」という。鉢呂前大臣はさらに、

「言葉狩りではなくて、私の発言の真意を報道していただければ、ありがたい」

と付け加えた。

 一方、本題のTPPに関して、鉢呂前大臣は「国内の様々な意見は今後とも積極的に、国民的な論議をする」、「TPPに関わる情報の提供を積極的に国民に開示する」と政府に注文を付けつつ、「日本は内向きになりがちだが、アジア太平洋における日本は、もっと積極的に日本が主導する形で高いレベルの経済連携をルール作っていく立場の国であると思う」と持論を展開。その上で、

「これからTPPの具体化に向けて様々な問題が出てくると思うが、与党の立場として政権の下支えをしていきたい」

と述べ、TPP交渉参加を表明した野田首相に協力していくとした。

◇関連サイト
・[ニコニコ生放送] 鉢呂氏が「死のまち」発言を振り返る場面から視聴- 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv70598832?po=news&ref=news#10:24

(山下真史)

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