富士重工業がSUBARUに社名変更 期待される効果とは?
富士重工業のように後から会社名をブランド名に変更した企業は多い
2017年度より、富士重工業はSUBARUに会社名を変更します。
この様に、後から会社名をブランド名(商品名・サービス名)に変更した企業は数多くあります。
同じ自動車業界では、1984年に東洋工業が会社名をMAZDAに変更しています。
その他には、オムロン(立石電気)、キャノン(精機光学研究所)、バスクリン(ツムラライフサイエンス)、セコム(日本警備保障)、パナソニック(松下電器)、ヤマハ(日本楽器製造)WOWOW(日本衛星放送)、マンダム(丹頂)、トクホン(鈴木日本堂)が挙げられます。
そもそも創業初期からブランド名を会社名にしている(又は含んでいる)企業も数多くあります。
例えば、コカ・コーラ、ヤクルト、アサヒビール、朝日新聞、太田胃散などが挙げられます。
出版業界では、文藝春秋、中央公論、主婦の友の様に、雑誌名を会社名にすることがよくあります。
海外企業では、Amazon、GAP、NIKE、adidas等が挙げられます。
ブランド名を会社名にすることのメリット
このように、有名企業がブランド名を会社名にしているのは、大きなメリットがあるからです。
それは、企業・ブランドの認知度・知名度の向上です。SUBARUは知っているけど、富士重工業は知らないという人(特に女性や外国人)は多いのではないでしょうか。
SUBARUのように、既に周知著名になっているブランドを持っている場合は、会社名をブランド名に変更すると、企業の認知度・知名度が上がり、企業イメージの向上に役立ちます。
企業イメージが向上すると、一般消費者はもちろん、取引業者や投資家に対しても企業アピールがしやすくなります。
これにより、業績の向上が期待できます。
創業初期から会社名をブランド名と同じにした場合は、ブランドの知名度を上げることが容易になります。
特に、販売する商品や展開するサービスがある程度定まっている場合には、その効果が大きくなります。
ブランドが有名になるほど一般消費者等への企業アピールがしやすくなり、業績の向上が期待できます。
つまり、企業・ブランドの認知度や企業イメージの向上により、業績が向上することが期待できるのです。
他のメリットとしては、社員の士気・モチベーションの向上です。企業イメージの向上や業績の向上が社員の士気・モチベーションを向上させ、さらに業績を向上させるという、好循環を生み出します。
一方、会社名をブランド名に変更した場合にデメリットは殆どないでしょう。
強いて挙げれば、企業の多角化を図るときに、現存のブランドとは全く異なるイメージの商品やサービスを開発・提供しても、現存のブランドのイメージに影響されてしまうおそれがあるかもしれません。
会社名をブランド名に変更するときに注意すること
なお、後から会社名をブランド名に変更する場合は、不正競争防止法に注意する必要があります。
周知・著名な他人の商号を、自分の会社名(商号)として使用できないからです。
もっとも、他人の商号と自己のブランド名が同一であり、しかも両方とも周知・著名になっていることはレアケースでしょう。
また、両方とも周知・著名になっていれば、不正競争防止法に抵触するおそれはないでしょう。
今回の例とは逆になりますが、後から商品名・サービス名として会社名を使う場合は、商標法に注意する必要があります。
過去には、商標権の侵害として訴えられた事例もあります(「モンシュシュ」商標権侵害差止等請求事件)。
(堀内 正優/弁理士)
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