2007年から続く高江ヘリパッド建設反対運動の“今”

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2007年から続く高江ヘリパッド建設反対運動の“今”
J-WAVE平日20時からの番組「JAM THE WORLD」(火曜担当ナビゲーター:堀潤)。毎回、ニュースを読み取り感性を伝えるプログラムをお届けしていますが、長崎が「71回目の原爆の日」を迎えた8月9日のオンエアは、沖縄県東村「高江地区」で進むオスプレイのヘリパッド建設反対運動にフォーカスしました。

7月23日にヘリパッド建設に反対する住民の活動拠点「テント村」を訪れた堀は、テント村を囲むフェンスにこんな貼り紙を見つけました。

「8月5日までにテントを撤去しなければ、所有を放棄したとみなします」

このため反対活動を行う住民、市民の皆さんは8月5日以降、「今日、強制撤去されるのではないか?」と毎日、不安と緊張を感じながら24時間体制でテント村を守り、工事の進捗を監視しています。

そこで「THE CUTTING EDGE」のコーナーでは、8月5日に再度現地の様子を取材してきた堀が、沖縄タイムスの県政キャップの吉田央さんに電話を繋ぎ、最新の状況を伺いました。

*  *  *

:緊張が続いていますが、今朝、動きがありましたよね? 具体的には今、どのような状況ですか?

吉田:今、N1ゲートという基地の入口にヘリパッドを作るための資材が連日運び込まれています。ヘリパッド建設に反対する市民の皆さんは、この連日搬入される資材を止めないといけないということで、昨日から車を徐行して国側のダンプが基地に入るのを塞ぐような形で、止めるという動きを昨日から始めました。そして今日の朝、そのような抵抗に対して、機動隊が道を塞いでそれを排除するという動きをしていました。

:少しでも工事の着工を遅らせたいという思いから、いわゆる牛歩戦術のような形をとっているということだと思いますが、今朝、実際にテント村の住民の方々が排除される様子が現地からの映像でも伝わってきました。これはどんな動きだったのでしょうか?

吉田:はい、これは反対されている方々の車をこの地点から出さないと工事ができないということで、警察が一時的に県道を封鎖して新しく車が入れないようにして、すでに中にいる人たちを排除して、砂利をどうにか運び込んだというのが今日ありました。

:現場で僕も伺ったのですが、先月「N1地区」ゲート前の抗議車両とテントが強制撤去され、次々とヘリパッド建設のための資材の搬入が進んでいて、このN1を通ることができれば、工事はほとんど進んでいくと。一部、2か所ぐらい複雑なところは今テント村があるN1裏から行かなければいけないのだけど、すでにどんどん進んでいるんだと聞きました。実際のところはどうなんでしょうか?

吉田:N1というゲートは、N1地区という場所にヘリパッドを作るために通るゲートです。北部訓練所の中では他にG、それからHともう2カ所ヘリパッド建設が予定されていて、この2カ所に行くにはこのN1ゲート裏と呼ばれる、農道が通っているような道を通らないとN1に続くG、Hの工事ができないんです。だから国はN1裏のテントも強制撤去して、N1に続くG、Hの着工を視野に入れている状況です。

:この問題について「なんでここまで反対するの?」と思われる方がいらっしゃると思うのですが、基本的にはオスプレイの離着陸訓練というのが非常に地表の近いところまで降りてきて行なわれるので、轟音による騒音被害や、低周波による人体や生態系への影響が心配されていると。住民の皆さんがとても安心して暮らせない状況で、子どもたちも隣町に避難しているようなケースもあったり。これをどこに訴えればいい問題なのか、なかなか難しかったりすると思うのですが、建設予定地は米軍の敷地内になるわけですよね? 現状は国に対して「米軍に何か言ってくれ」という、そういう訴えになるのでしょうか。

吉田:はい、反対派の方々はそういう訴えをしていますね。「ここに新しくヘリパッドを作らないで」「断念してくれ」ということを米軍に伝えてほしいということで抵抗しているのだと思います。

:現場に投入されている機動隊員の皆さんのナンバーを見ると、先月は東京が目立つなと思っていたのですが、今回は関西方面が目立つなと思って。これは全国各地から応援部隊が来ているんですよね。

吉田:そうですね。延べ人数で約500人が投入されていると言われていますね。

:今後、建設工事が止まることはあるのでしょうか?

吉田:これはちょっと見通せないですね。

*  *  *

現場を取材した堀は「テント村ではN1裏をなんとか守りたいということで、皆さん炊き出しをやっていたりとか、本当に何か野戦病院のような状況で、胸が締めつけられる思いを抱いた」とのこと。

2007年7月から住民、市民による抗議・反対運動が続くこの「高江ヘリパッド」問題。まさに今、目が離せない状況です。

【関連サイト】
「JAM THE WORLD」オフィシャルサイト
http://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/

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