高校野球応援曲に、いまだに「懐メロ」が多い理由とは?

高校野球応援曲に、いまだに「懐メロ」が多い理由とは?

8月7日からはじまった、第98回全国高校野球選手権。今年の夏も一体どのような熱いドラマが繰り広げられるのか楽しみなところですが、その甲子園のアルプススタンドから、演奏によって熱いエールを送る吹奏楽部員たちに注目したことはあるでしょうか。

 高校野球のブラバン応援にはまり、応援を聴くためだけに甲子園や地方球場に通っているというのは、自身も中高時代、吹奏楽部に所属しファゴットを担当していた梅津有希子さん。

 本書『ブラバン甲子園大研究』では、高校野球においてブラバン応援を担う吹奏楽部に注目。その歴史を辿りながら、誰もが耳にしたことのある定番応援曲から、全国の有名校オリジナル応援曲まで、さまざまな応援曲や応援スタイルを紹介。ブラスバンド応援の魅力に迫っていきます。

 まず、試合当日の吹奏楽部は、試合開始予定時間の2時間前(第1試合校は駐車場の開門時間)までに、甲子園の南側にある浜甲子園駐車場(甲子園まで徒歩15〜20分)に到着しなければならないそう。そしてバス及びトラックに積んでいる楽器をケースから出し、アルプススタンド入場口へ移動。前試合の5回裏終了頃までにアルプススタンド入場口付近に集合し、7回表をめどにアルプススタンドに入場。試合が終わるまで外野側の席で待機し、試合が終わり次第ブラスバンド席に移動して音出しやチューニングをはじめるそうです。

 楽器の並び方に決まりはないものの、グラウンド側により近い下段から打楽器、木管楽器(ピッコロ、フルート、クラリネット、サックス)、金管楽器(トランペット、トロンボーン、ホルン、ユーフォニアム、チューバまたはスーザフォン)という並び方がもっとも多いといいます。

 そしてその応援曲に耳を傾けてみると、いまだに昭和の懐メロや昔のアニメソングが中心。”狙いうち””サウスポー””タッチ””暴れん坊将軍””必殺仕事人””ポパイ””ルパン三世””トリトン”、新しい曲でも”夏祭り”や”さくらんぼ”といった、現役高校生にとってはリアルタイムではない曲が鉄板応援曲となっていることが多いそうですが、その大きな理由は、野球部員のリクエストが懐メロだから。代々伝わる懐メロ応援曲には、他に代えがたい魅力と重みがあるのだといいます。

「自分が生まれる前の曲だろうが、歌詞を知らなかろうが、アニメを見たことがなかろうが、一切関係ない。『先輩がホームランを打った曲』『決勝で負けた相手が吹いていたカッコいい曲』で打席に立ちたいのだ」(本書より)

今年の夏は、グラウンドのなかだけでなくアルプススタンドにも注目しながら観戦すれば、高校野球をより一層楽しめるかもしれません。

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