第16回 『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』ジェームズ・ボビン監督
映画情報連載「続・鴇田崇の映画でいっぱいいっぱい!」の16回目は、現在大ヒット公開中の映画、『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』のジェームズ・ボビン監督に直撃取材! 今回のアリスはマッドハッターを救うため”時間”に立ち向かうが、そのアイデアのヒントとは!? そしてボビン監督の初めての映画体験や、友だちがいない人の『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』の鑑賞法などなど、話題テラ盛りの来日取材です!
――時の番人=タイムというキャラクターやタイムトラベルなど、”時間”というアイデアは、どのように生まれたのでしょうか?
脚本家は初めから本作はタイムトラベルと時間について語ると、ハッキリと宣言していた。これには僕も賛成でね。時間というアイデアは、ルイス・キャロルにとっても魅力だった。彼は数学者だったが、数学者は方程式なども関係してくるので、タイムトラベルが好きなものだよ。時間というアイデアは、ルイス・キャロルから得たわけだね。
――時間そのものというタイムが、アリスの冒険に深くかかわってくる展開が面白いです。
タイムという男が出てくるというアイデアは気に入ったよ。彼はタイムトラベルを司る男で、タイムトラベルをするためには彼の持っている道具を借りなければならないという展開は楽しいシーンとなると思ったが、うまくいったよ。楽しかった。そうやってアイデアがアイデアを生み出していったわけだよね。
――そのタイム、実は原作にちょっとだけ登場しているそうですね?
彼の「不思議の国のアリス」を読むと、ハッターはアリスにティーパーティで出会うけれど、そこで彼はアリスに「時間と僕が喧嘩をしたので、去年の3月からずっとここに止まったままだ」と言う。だから原作では実際に出て来るわけではないけれど、ルイス・キャロルにとっては時間/タイムという存在は人物であると解釈したわけだよ。
――ところでボビン監督の最初の映画体験は何歳頃で、何を観ましたか?
1977年頃かな。『シンドバッド虎の目大冒険』か『スター・ウォーズ』だね。5歳だった。レイ・ハリーハウゼンとストップモーション・アニメーションが大好きでね。ただちょっと、『スター・ウォーズ』と言うと、話がうまくいきすぎかな(笑)。本当は映画監督じゃない職業にあこがれてはいたけれど、テリー・ギリアムの『バンデットQ』(81)を観て、映画監督になろうと思ったよ。
――あ、イギリスですもんね。それこそモンティ・パイソンの洗礼を受けてますでしょう?
そうだね。楽しくて、歴史を感じる作品が好きだけれど、めちゃくちゃ影響を受けているよ。イギリスで育った者は、それこそアリスとモンティ・パイソンは生活の一部だよ。
――さて最後になりますが、友だちがまったくいない人たちには、今回の映画、どうすすめますか???
(笑)。冒険モノ、アドベンチャー系コメディーが好きな人は楽しめると思うし、人生の中で1時間30分を過ごすには、とてもいい場所に行けると思う。映画を観て、そこを去ることが悲しくなるような場所にお連れします。僕が『ロード・オブ・ザ・リング』の中つ国が好きなように、アリスの世界はとても楽しいところであり、すごく娯楽性が強いので楽しめるのではないかな。
(取材・文/鴇田崇)
<STORY>
ティム・バートン、ジョニー・デップをはじめ、豪華スタッフ・キャストが集結した、『アリス・イン・ワンダーランド』の”はじまり”の物語。
悲しい過去に心を奪われ、帰らぬ家族を待ち続けるマッドハッターを救うため、時間をさかのぼるアリスの冒険を描くファンタジー・アドベンチャー。彼女を待ち受けるのは、秘められた真実と、時の番人”タイム”との戦い…。はたして、運命に逆らい、過去を変えることはできるのか?
全世界を魅了したあの「アリス・イン・ワンダーランド」のチェシャ猫たちや”赤”と”白”の女王も再結集。彼女たちの幼年期の驚くべき<秘密>も明らかになる。
映画『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』は、大ヒット上映中!
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
(C) 2016 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
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