『パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト』世界に衝撃を与えた天才ギタリストの軌跡を辿るドキュメンタリー
2014年、66歳で急逝したパコ・デ・ルシア。その超絶技巧とジャンルを超えた活動でフラメンコ界に革命を起こし、世界のギタリストに衝撃を与えた伝説のギタリスト。このパコ・デ・ルシアのドキュメンタリー映画が、7月にロードショーとなる。
本作は、フラメンコの地・アンダルシアで生まれたパコが、7歳でギターを手にしてから2014年にリリースされた最後のアルバム『Cancion Andaluza』まで、60年間の軌跡を辿ったドキュメンタリー映画だ。わずか12歳でフラメンコ・ギタリストとしてデビュー。圧倒的なテクニックと音楽への探究心から、ジャズやフュージョンなどのジャンルを超えて活躍し、1979年にはアル・ディ・メオラ、ジョン・マクラフリンとの3人で、アコースティック・ギターのみのツアーを敢行し、81年に発表したアルバムによって、スーパー・ギター・トリオの愛称で世界的な人気を博した。
パコの、実の長男クーロ・サンチェスの初監督作品であり、心臓発作で急逝する直前まで回された映像には、身内ならではのプライベートな素顔とインタビューが満載だ。ストイックなリハーサルシーン、楽屋での爪の調整、そしてマジョルカ島の自宅が醸し出す空気が、パコが音楽とどのように向き合ってきたのか、その孤独と栄光を静かに鮮やかに描き出している。
初めてギターを手にした時の親子の会話、兄とともにホセ・グレコ舞踏団に加わりアメリカを巡演した当時の音楽的邂逅、そして伝説のカンタオール・カマロンと共に歩むことになることになった、とある夜の衝撃の歌声について。パコの口から語られるエピソードに、世界を股にかけたギタリストの生き様と熱を誰しもが感じることだろう。
カルロス・サンタナ、チック・コリアをはじめとする音楽界のレジェンド達が語るパコへの、当時の名演奏映像など、フラメンコファンならずとも音楽ファンなら見ておきたいお宝映像が満載だ。『パコ・デ・ルシア灼熱のギタリスト』7月23日よりBunkamuraル・シネマほか全国公開。text:yokano
◎公開内容『パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト』
7月、Bunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー
監督:クーロ・サンチェス
出演:パコ・デ・ルシア、チック・コリア、カルロス・サンタナ、ジョン・マクラフリン
配給:レスペ
原題:PACO DE LUCIA A JOURNEY/2014年/スペイン映画/90分
(c)Ziggurat Films
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