ドロンと消えるのはなぜ? 知られざる忍者の実態とは
いまや世界共通言語ともなった”忍者=NINJA”。小説や映画、マンガと、忍者が登場する作品は数多くあるものの、現実にどのような存在だったのか、その実態についてはあまり知られていないのではないでしょうか。
そもそも忍者という言葉は、戦後に一般化されたもの。それまでは、”忍び””細作(さいさく)””草(くさ)”、あるいは”伊賀者””甲賀者””風魔党(ふうまとう)””軒猿(のきざる)”といったように、さまざまな呼名があったそう。
そんな忍者の主な任務は大きくわけて、情報収集(スパイ活動や情報漏えいの監視)、謀略(偽情報を流すなど情報操作によるかく乱)、不正規戦闘(ゲリラ戦、奇襲、破壊工作、暗殺など)の3つ。
そしてTPOに応じ、虚無僧や放下師(大道芸人)、商人や山伏(修験者)、猿楽(能楽師)などに変装をし、あらゆる場に溶け込んでいたとのこと。
万が一、目撃されてしまった場合には、”遁走術”を使って逃げたという忍者。四方にトゲがある忍器を道にばら撒き、背後の追っ手を足止めする、撒き菱を使った術はよく知られるところですが、その他にも遁走術はあるのだそう。
まずは天候を利用した”天遁十法(てんとん)”。太陽を背にして敵の目をくらませて逃げる日遁(にっとん)や、突風や砂ぼこりで敵の気が逸れたスキに逃げる風遁(ふうとん)などがあるのだといいます。
続いて、自然物や地形を利用する”地遁十法(ちとん)”。これには、材木で妨害する木遁(もくとん)、草を結びあわせた簡易の罠の草遁(そうとん)、煙幕に紛れて逃げる煙遁(えんとん)などが含まれるそうです。
さらには、人や動物を利用したり、相手をだまして逃げる”人遁十法(じんとん)”。逃げる途中で”敵だ! 逃がすな!”などと叫び、追っ手になりすましたり、ヘビやガマガエル、ネズミなどを使って馬を驚かし、かく乱させる獣遁(じゅうとん)、あるいはカラスなどが巣にしている木を揺すり、驚いた動物たちが鳴き声とともに舞い飛び、追っ手が動揺しているあいだに逃げる禽遁(きんとん)などが挙げられるそう。こうしたさまざまな遁走術を組み合わせ、忍者たちは臨機応変にピンチを逃れたのだといいます。
本書『もっと知りたい!忍者』では、実際忍者たちがどのような忍器を用い、忍術を使っていたのかをはじめ、多角的に忍者の歴史を紐解いていきます。1300年以上に及ぶという忍者の歴史、意外な発見も多いはずです。
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