10年愛される「テンキャラ」作り、1次通過作品を発表 角川書店の井上社長「想像以上に独創的」

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作家・あさのますみ氏と角川書店の井上伸一郎社長

 10年愛される次世代キャラクター、「テンキャラ」を作ろう――。ニコニコ生放送ではユーザーのアイデアを反映し、テンキャラを創造・育成するコンテスト企画「テンキャラグランプリ」が開催されている。2011年10月24日には、ニコニコ生放送「10年愛されるキャラクターを作ろう!テンキャラグランプリ」の第6回目の放送が行われ、キャラクター原案となるファーストシーズンの通過作品が発表された。角川書店代表取締役社長で「ニュータイプ」元編集長の井上伸一郎氏は、「想像以上に独創的」と評価し、「この作品が肉付けされ、色がついて動き出すのを待っている」と期待を語った。

 テンキャラグランプリは、キャラクター原案(世界観)を募集するファーストシーズン、キャラクターイラストや音楽、絵コンテなどのキャラ育成案を募集するセカンドシーズン、そして原案者が最終プレゼンを行うサードシーズンの三段階構成で行われるコンテストだ。ファーストシーズンに504通あった投稿作品の中から選ばれ、セカンドシーズンに進出したのは、以下の4作品となった。

『地獄ようちえん』 原案:杉山
『太鼓マスターバッチちゃん』 原案:裕(ゆう)
『サンタに神は八百万』 原案:今出川潤
『月面よんひゃくじ』 原案:hachi

テンキャラグランプリはいよいよ2ndシーズンに

 『地獄ようちえん』は、人間界を征服するために魔界のこどもを育てる「ねはん幼稚園」で主人公・キイチくんとさくらちゃんがアルバイトを始めるというストーリー。選考委員会は「キャラクターの個性がわかりやすくとっつきやすい」、角川書店代表取締役社長で「ニュータイプ」元編集長の井上伸一郎氏は「ウケる要素っていろいろあるけれども、(地獄と幼稚園という)全く違った要素を組み合わせるってウケる」と評価した。

 『太鼓マスターバッチちゃん』は、擬人化楽器によるバトル形式の対決が行われる近未来、主人公・りほが太鼓の擬人化キャラクターのバッチちゃんとコンビを組み、未知の音楽業界に進んでいくという物語。選考委員会からは「小学生向けの作品として楽器に触れる情操教育に」「楽器の擬人化ということで、ニコニコならではの展開ができるのではないか」といった意見が出た。

 『サンタに神は八百万』は、就職活動に行き詰まる主人公・坂梨樹が親のサンタクロース廃業の報せを聞き、サンタ再建のため、解散してしまった八百万のおもちゃの神々を呼び戻しはじめるという物語。井上氏は「ご時世が結構シビアなものが多い(リーマン・ショックなど)ので、子どもでも敏感にならざるを得ないかもしれない。でも、それを全面に出すのではなく、キャラクターものに置きかえて展開すると、意外と新しいものができる可能性がある」と語った。

 『月面よんひゃくじ』は、月の女王・カグヤさまがうきうきしていないと、月が落ちてくる世界の物語。主人公・しおりちゃんは、カグヤさまを楽しませるため地上に来たウサくんとともに物語を探す。しおりちゃんは、頭が悪いウサくんのために物語を400字のあらすじにしなくてはならない。選考委員会からは「集合知を活かしたウィキに似た企画」「ほとんどのエンタメへのリンクが可能である点で、メディアミックスを行う上で優位」といった意見が出た。作家のあさのますみ氏は、「面白いと思う半面、(話数を重ねるごとに)どんどんお話のハードルが上がっていくのでは」と作り続けていく難しさを指摘した。

 井上氏は、選ばれた4作品について

「ユニークな作品が集まった。想像以上に独創的」

と評し、今後の展開へ「見ているユーザーの皆さんから意見を言っていただいたり、描いていただいたり、お知恵を拝借して、素体となっているこの作品が肉付けされて、色がついて動き出すのを待っている」と期待を語った。

 なお、本日10月25日よりセカンドシーズンが始まり、4作品を原案としたキャラクターイラストなど、この世界観を膨らませ、育てるようなアイデアの募集が行われている。テンキャラグランプリの特設サイトより、それぞれの作品に応募することができる。

◇関連サイト
・[ニコニコ生放送]ファーストシーズン通過作品の発表から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv66867278?po=news&ref=news#09:02
・テンキャラグランプリ公式サイト
http://10chara.com/

(伊川佐保子)

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