『ヘッドマークチャームコレクション』鉄チャンがいるに違いない?その疑問を解決すべくサッポロビールを直撃取材!
サッポロビールのブランドであるヱビスビールが4月下旬から「Premium YEBISU×日本の鉄道」と銘打って同缶ビールに付いているいるヘッドマークチャームのおまけ。
「ヘッドマークチャームコレクション」全21種類は鉄道ファンの間で話題になっているのでご存知の方も多いだろう。
記者も鉄道ファンの端くれとして非常に気になる存在なのだが、実はこのおまけは今回で第2弾。そうなると、「この企画を考えたヱビスビールには絶対に鉄チャンがいるに違いない!」「それも相当なマニアなはずだ!」という声も聞こえる。
記者もそう思ったので、おまけのことなんかにメーカーがいちいち取材に付き合ってくれるのだろうかと不安もあったが、サッポロビールに直撃取材を申し込んだ。
サッポロビールの本社があるのは恵比寿ガーデンプレイスの中。
JR恵比寿駅のカフェバーでもヱビスビールが飲めるほど、地域的にヱビス一色だ。
早速やってきたサッポロビール本社。
札幌には札幌本社があるそうだが、登記上の本社はここ東京にある。
(写真は全コンビニ共通の3種類を除いた18種類)
同社広報室の御畑秀樹マネージャーと、ブランド戦略部ヱビスブランドグループ桑原敏輝マネージャーの二人が対応してくれた。
御畑マネージャーは札幌で取材したときにお会いしていたので、今回は同氏を頼って取材を申し込んでいた。
「いやー、まさかチャームについて取材を申し込まれるとは思ってませんでした(笑)」
(写真は全コンビニ共通の日本海・みずほ・あさかぜ)
--まず最初に第1弾と第2弾について概要を教えてください
「第1弾は昨年の夏で、6種類のヘッドマークを選びました。ちょうど7月のビール需要に合わせてヱビスビールを選んでいただけるきっかけとしてチャームを作りました。第2弾は、今年の4月下旬からですね。3月にクオリティをアップしましたので、新しいヱビスを味わっていただきたいとの思いからです」
(写真は各コンビニ限定の種類。特に注釈のない限り以下同じ)
--ところで、なぜ鉄道を取り入れようとお考えになったのですか?
「いろいろな案が社内でも出ましたが、案外鉄道というのは幅の広いコンテンツではないだろうかという結論になったのがきっかけです。第1弾は、北斗星やカシオペア、トワイライトエクスプレスなど廃止が発表されたり、うわさがあったりという話題の列車がありましたのでそれを採用しました。やはり、その列車には人それぞれの数だけ思い出があると思うのです。その思い出をビールとともに懐かしんでいただいたり、オーバーラップしていただくことでヱビスを楽しんでいただけたらと思って第2弾も考えました」
--そうしますと、社内ではかなりの鉄道マニアがいるのではないかと思うのですが?
「実はそうではないんですよ。列車の数も多い方が思い出に残る数も多いと思い、いろんな列車を想定したのですが今回のように21種類となると近年でそんなに多くの列車がなかったということもあり悩みました。それで、せっかく作るのであればクオリティの高いものを作ろうと思いまして、JR各社に相談して図柄を提供してもらい、試作品を戻してまたJR各社に色や図柄が忠実に再現されているかのチェックしてもらうなど、それなりに苦労しました。ですので、社内の鉄道マニアが考えたというご推測はごもっともなのですが、JR各社に協力いただいたというのが正解です(笑)」
--なるほど。それで高いクオリティのヘッドマークなんですね。他に苦労された点はありますか?
「そうですね。物流に乗せるのが結構大変でして、缶にチャームを付けるわけですけど、ゆるいと缶が落下して危険なので、そうならないようにかなりきつめにはめてあるんです。これは機械ではできませんから、すべて手作業でした。中には手の皮が擦り切れてしまったんではないだろうかと思うな人もいたほどで、物流段階でも相当な苦労があったようです」
--それは大変ですね。そのご苦労に報いることができるかどうかはわかりませんが、記者の独自取材でこんな使い方をされている方がいるのがわかりましたよ
実は、記者の独自取材網の中で鉄道ファンの友人からこんな情報が寄せられていた。
鉄道には全く興味も何もない着物女子が、このチャームを手にして玉を結び、根付けプレートに挟んで帯飾りにしているというのだ。
この話を二人に紹介した。
(写真は帯飾りにした第1弾のチャーム・トワイライトエクスプレス。読者提供)
「へぇー!それはそれは。帯飾りですか!そんなことに使っていただいているとは!感激です。私たちには全く予想も発想もありませんでした。大切にしていただいて、ありがとうございます。さっそく物流の担当にも伝えて、苦労をねぎらいたいと思います」
--今後のことはいかがでしょうか?
「残念ながらまだ何も決まってません。でも、鉄道を介して鉄道ファンの皆様はもとより、今のお話ではないですが着物女子の方にまでご縁が広がったことを思うと、そのご縁は大切にしていきたいと改めて思いました。確かに販促ツールであることは否定は致しません。でも、それでヱビスビールと私たちとご縁ができたと思いますので、ご縁をつなぐツールでもあったわけです。皆様のお声は大切にしていきたいと思います」
話を聞いていて記者は「ご縁」という言葉を頻繁に使っているのが印象的だった。
すでに同社の出荷段階では残ってないようなので、今まさに出回っている分がすべてだともいえる。
たかが販促ツール、されど販促ツール。
脳内の汽笛をさかなにビールを一杯やるのも悪くはない。
※写真はすべて記者撮影
取材・撮影協力 サッポロビール株式会社
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(執筆者: 古川 智規) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか
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