朝霞市長、動く。公務員宿舎問題「迅速かつ明確に本事業の中止決定を求める」
公務員宿舎朝霞住宅(仮称)整備事業の再凍結に伴う朝霞市の対応について
10月14日の午前、朝霞市議会全員協議会が開催され、市から市議会に対し公務員宿舎朝霞住宅建設事業の再凍結となった経緯及び今後の朝霞市の対応について説明がなされたそうです。内容として、朝霞市として、5年間凍結という問題の先送りではなく、迅速かつ明確に本事業の中止決定の要求を含んだものとなっています。
(以下、朝霞市ホームページより)
国の事業である公務員宿舎朝霞住宅(仮称)整備事業につきましては、本年9月1日から建設工事に着手しておりましたが、9月30日の国会閉会後の総理大臣記者会見において、総理大臣自ら現地を視察して最終的な判断をすると表明した旨報道がございました。
10月3日には、総理大臣が現地を視察した後、財務大臣に対し指示した内容は「少なくとも震災の集中復興期間である当面の5年間は朝霞市の宿舎を凍結する」というものでした。
市には、この間、何ら連絡はありませんでした。市といたしましては、総理大臣や財務大臣の発言を伝える報道を受け、市長が記者会見に臨み、「事業を中止して白紙に戻すべきだ。」「5年間の停滞は受け入れられない。宿舎附帯施設への市施設の設置は撤回する。」などとコメントしました。
10月12日には、財務省担当者が来庁し説明がありましたが、総理大臣からの「5年間の事業凍結」との指示に従い、事業を凍結したというものでした。その席上、市長は国に対し次の4点の意見・要望を行いました。
1点目は、公務員宿舎の附帯施設に市関連施設を設置するとの要望については、これを撤回するというものです。その理由は、これら施設の設置につきましては、平成20年6月6日付で、「市及び市の関連する施設(3,000 ㎡程度)の設置」を要望し、設置に向け協議を進めてきたものですが、今回の総理の決断により、今後5年間の事業凍結ということは、当然、附帯施設の建設も含めての凍結ということになります。
市が設置を予定している女性センター、児童館及び休日夜間診療所については、それぞれ市民ニーズを背景に、既に市の条例や計画等に位置付けている事業であり、その実現への期待は高いものと考えます。
しかしながら、これらの事業は、既に、平成21年11月の事業仕分けによる凍結により1年半、その具体化が遅れており、重ねて、今後5年間にわたる事業の停滞を受け入れる余地はないと判断したものです。
2点目は、地元自治体としては、5年間凍結という問題の先送りよりは、迅速かつ明確に本事業の中止決定を求めるというものです。 今回の5年間凍結するとの総理の判断については、震災からの復興を最優先にするというお考えの上のものとすれば、朝霞市としてもこれを重く受け止めざるを得ないと思っています。
しかしながら、地元自治体の立場から意見を申し上げるならば、朝霞の基地跡地が宿舎整備候補地となったという財務省からの申し入れから5年半余りを経過するこの間、平成21年11月の事業仕分けによる凍結、1年余りを経た後の事業再開の決定、本年9月から整備事業に着手するとの報を受けて、市の事業の具体化に動き始めたところでの今回の総理の判断と、判断が二転三転するなかで、市及び市民は正に翻弄されてきたとの感は否めないものがあります。さらに、今回の凍結との判断は、再開にも含みを持たせる趣旨とも受け取られ、多くの市民が困惑しています。
こうした不透明な状況が続くことは、今後の基地跡地全体の整備の推進にも影響を受けるととともに、市政全般にわたる市行政と市民の信頼関係を大きく損なうものと危惧しており、総理に、改めて朝霞住宅整備事業については、迅速かつ明確に中止するとの判断をしていただくよう、要望いたしました。
3点目は、宿舎予定地の土壌汚染対策は、凍結との判断に関わらず完全に履行することを求めるというものです。宿舎予定地3ヘクタール内の汚染土壌及びアスベストの除去については、本体工事に先行して進められ、現在、最終段階にあると聞いておりますが、現在のところ、事業凍結の判断により、この作業も停止しているようです。したがって、最後まで、国の責任において完全に安全な状態とするよう作業を完了することを求めました。
4点目は、宿舎建設予定地を含む基地跡地の土地利用のあり方(利用計画及び地区計画への宿舎建設凍結による影響)については、宿舎整備事業の凍結に関わらず、引き続き国の誠意ある対応(協議・調整)を求めるというものです。 事業凍結との判断は、直ちに市の基地跡地利用計画や地区計画全体に大きな影響を及ぼすものではないと考えていますが、今後、市の考えが受け入れられ、正式に事業中止の判断がなされれば、宿舎建設予定地3ヘクタールのその後の利用の問題を含め、大きな影響を受けることを想定し、対処していきたいと思っています。
また、既に協議を進めてきた公園等予定地の土壌汚染調査の続行、現在実施中のアスベスト除去については、引き続き実施することを強く求めました。さらに、公園等予定地で確認された土壌汚染に対する対策、暫定利用の問題、留保地の処分条件に関して、国有財産法第22条(公園用地の無償貸付け)の規定の適用等含めた協議についても引き続き誠実な対応を求めるという内容でした。上記の事項については、後日、国に対し正式に要望書を提出します。この際には、宿舎予定地の利用に変更が生じる場合は、地元朝霞市との協議を前提とすることとの要望を加えて申し入れを行います。
[東京プレスクラブより転載, 情報提供:弱腰記者,編集サポート:横山緑、ハニー大木]
参考)
朝霞市ホームページ「公務員宿舎朝霞住宅(仮称)整備事業の再凍結に伴う朝霞市の対応について」
http://www.city.asaka.saitama.jp/cgi-bin/news/article.cgi?id=7494 [リンク]
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