自称?外国人投資家で見る不動産価格の3つの公式

自称?外国人投資家で見る不動産価格の3つの公式

自称?外国人投資家から見る現在の不動産市況

先般、公示地価が公表されました。いわば「不動産価格の定点観測」、銀座の土地の1平米が○○万円というやつですが、それによれば商業地は上昇する一方、住宅地は下落と二極化しています。
どうしてそうなるのか?ここ最近存在感を増している自称?外国人投資家の目から見てみましょう。

土地価格上昇の第1公式:大きいことはイイコトダ

 突然ですが、あなたが外国人のお金持ちの大富豪になった気分で日本の土地に投資するとしましょう。最初に日本のどこを買いますか?日本といえば…まず東京を思い浮かべるはずです。だから、外国人が投資するお金は最初に東京に入り、東京の地価が最初に上昇します。

 しかし今回の地価公示でも上昇率の上位は東京ではなく大阪、上昇率トップ10のうち、4つが大阪、しかも「ミナミ」に集中しています。

 これは逆に言うと、東京の不動産は売り切れ状態、買えるものはもう残っていないのです。外国人の大富豪なら、「トウキョウ…タカイデスネ…ツギハ…オオサカ・ミナミ…イイデスネ」となるのです。

 この投資の波は、大きな都市から小さな都市の間をゆっくりと広がっていきます。順調に行けば来年は大阪からもう少し小さな都市に価格上昇の波が広がっているでしょう。

第2公式:シッテル・シラナイ

 「トウキョウ=シッテル」、「オオサカ=バクガイネ」、「カナザワ=聞イタコトアリマス」「トットリ=シラナイ」…外国人が投資するかどうかは、知名度も影響します。
実際、大阪の上昇率が目立つのは、外国人の観光客に注目されているからでもあります。

 その意味では、国際観光都市の京都、北陸新幹線で注目される金沢の地価上昇率が高いこともうなずけるでしょう。
実際、歴史も風情もあって、海外でも名前を知られた都市は、東京に比べてお買い得に見える「穴場」なのです。
実際、このような場所では異次元の高値で外国人が投資しているとの声がちらほら聞かれています。

第3公式:為替

 さて、株式の世界では、売買額の6割超が外国人投資家です。そのため、株価と為替は連動しています。
実際、円安の日の株価は上がり、円高の日の株価は下がっていますよね。

 長い目で見ると、ここ4年で1ドル75円から120円と大幅に円安になりました。外国人投資家から見れば、日本の不動産は4割もお買い得、実は、大バーゲンセール真っ只中なのです。

 ここで、国はぶち上げました。不動産投資市場を30兆円に倍増させる目標を掲げたのです。しかも東京オリンピックの2020年まで、残された時間はあと4年。4年で2倍…そのためにはもっと外国人投資家に日本の不動産を買ってもらわなければなりません。
詳細は省略しますが、先ごろそのための具体的方法が提言されました。

 国の後押しのもと、外国人投資家にとって日本の不動産はもっと買いやすくなります。当然、不動産価格は現在より為替の影響を大きく受けることになります。これを一言で表せば「円安相場」、「円安が終了すれば、不動産価格は下落する」実はそれだけだったのです。

おまけの公式:ネコに小判、外国人投資家に住宅地

 最後に、外国人投資家は、一戸建ての住宅に投資することはまずありません。
動かすお金は億を超え、兆、京と言った単位ですからたった1000万円の住宅に投資するのは効率が悪すぎです。

そうなると、現在の不動産価格の上昇は、商業地のみ、住宅地は完全に蚊帳の外です。
人口減少などどこ吹く風、今後も日本で、トウキョウでビジネスが成り立つ限り、商業地の地価だけが上がり続けるのです。

(中山 聡/一級建築士・不動産鑑定士)

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