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国家公務員宿舎は『全廃』を――朝霞宿舎建設中止から始まる『全廃』への流れ

野田氏

このエントリーのポイント
・事業仕分けで決定された通り、すべての国家公務員宿舎建設を中止
・「国家公務員宿舎法」は廃止
・既存の国家公務員宿舎の廃止・売却を進める

G7参加国で公務員宿舎があるのは日本だけ

日本ではいまだにくすぶり続けている公務員宿舎をはじめとする国家公務員に対する特権待遇の問題。しかしこれ、民主的な先進国ではなくなりつつあるそうです。例えば、先進国の集まるG7参加国で公務員宿舎と議員宿舎があるのは日本だけだとのこと。そんな問題で未だに足踏みをしている国は日本ぐらいのものだし、そもそも国家公務員はそのような特別待遇を受けるべきだというのは時代錯誤と言ってもよいでしょう。昭和24年に施行された「国家公務員宿舎法」は一刻もはやく廃止し、事業仕分けで決めた通り、すべての国家公務員宿舎建設を中止、既存のものも廃止・売却を進めるべきです。

国家公務員宿舎法

「朝霞の国家公務員宿舎建設中止」は当然の流れ

昨日の会見によれば、野田佳彦総理は自ら朝霞へ視察へ行き、国家公務員宿舎の建設をどうするか自ら判断するとのことです。そもそも朝霞の建設の凍結解除指示を出したのは財務大臣時代の野田氏本人です。「首相自らの視察」というワードが出てきた時点で既に政権内部では建設中止が決まっているものと推察されますが、この流れを「朝霞の中止」だけにとどめるものとしてはならないでしょう。すべての国家公務員宿舎の新規建設は当然中止し、既存の宿舎も解体・売却を進めるべきだと野田首相自ら述べて欲しいと思います。

朝霞国家公務員宿舎建設予定地

ちなみに、現地の方の情報によれば、朝霞の建設予定地の森の木は、もう7割以上伐られてしまったとのこと。朝霞基地跡地に森ができるまでに40年かかったのですが、政権サイドの判断が遅いばかりにこのような生煮えの議論となり、結局取り返しのつかない、無駄な伐採がわずかの期間でおこなわれてしまいました。これは本当に残念な話です。

たった1箇所の透明パネル

先週末、朝霞の現地を取材しました。建設地全体は厳重に高い塀で囲まれていますが、以前は一箇所だけ透明パネルが設置されて、中の様子が見えるようになっていました。しかし、先週末は、その透明パネルに内側からしっかりと幕がはられ、中がまったく見えないようにされていました。見せられないようなものなら、なぜ建てようとするのでしょう。見せられないことをしている、という罪の意識があるなら、なぜ作業を進めるのでしょう。

たった1箇所の透明パネルがふさがれる

財務省の反撃

事情をよく知る方によれば、財務省は現在、マスメディアに対して「宿舎を廃止したら違約金がかかる」「住宅手当に切り替えたらもっとコストがかかる」という猛烈な建設推進のための「逆キャンペーン」を始めているとのことです。それがそのままマスコミで報じられたら財務省の逆キャンペーンによる効果だな、と考えていただければよいかと思います。

反撃する財務省

計画通りにコトが進まなかったら財務省としては大きな失点となるかもしれませんが、それはあくまで財務省内部での失点というだけの話。そんなことより、各種試算への協力や情報公開をおこなって欲しいというのが正直なところです。例えば、住宅手当2万円を現在の国家公務員宿舎22万戸全員に支払うとしても年間530億円ほど。すべての宿舎の建設・維持・運営コストや22万戸が民間の自分達が好きな土地のアパート・マンションへ引越していくことによる効果を考えれば、どちらがプラスなのか、きちんと考えていくべきですが、財務省さんにはその試算や情報公開を手伝って欲しいと思います。また、全廃し宿舎を売却することにより2兆円のお金が生まれると言われています。これを復興資金として使うという考え方もあると思いますが、このような議論や判断の指標となる数字を出していって欲しいと思います。

着々と朝霞宿舎の工事が進んでいる

野田首相の朝霞訪問は10月3日

先日取材させていただいた「朝霞基地跡地利用市民連絡会」の大野さんによれば、野田首相の朝霞現地視察は10月3日(月)とのことで、連絡会の皆さんは10月3日の朝9時に現地第2ゲート前(青葉台公園前)にプラカードなどを持って集合されるそうです。野田首相の視察はヘリでおこなわれるという噂もありますが、果たしてどのような形でおこなわれ、どのような結論が出されるのでしょうか。この朝霞の宿舎の一件は、国家公務員宿舎全廃に向かっての第一歩となるのでしょうか。

最後に、野田首相の昨日の会見でのコメントを引用します

野田首相「(国家公務員宿舎建設の件は)被災者の感情とか国民感情を踏まえて、この国会でさまざまなご提起、ご示唆もいただきましたので、ご指摘は私としても真摯に受け止め、近々実際に現場に行って自分なりの考えをまとめた上で最終的な判断をすることとしたいと考えております」

首相が財務大臣のときに凍結解除をおこなわなければこのようなことになりませんでした。この問題に関しては首相自身がきっちり決着をつけ、さらに『全廃』へ向かって進んで欲しいと思います。世界的な流れをみても、コストを考えても宿舎を作り続ける合理的な理由はないのですから、そうしないとずっと問題はくすぶり続けるでしょう。

「朝霞基地跡地利用市民連絡会」ブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/asaka_kichimondai/folder/342848.html

建設中止の議論が進む中、工事は進んでいる
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深水英一郎(ふかみん)

記者:

トンチの効いた新製品が大好き。ITベンチャー「デジタルデザイン」創業参画後、メールマガジン発行システム「まぐまぐ」を個人で開発。利用者と共につくるネットメディアとかわいいキャラに興味がある。

ウェブサイト: http://getnews.jp/

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