自民・柴山議員、小沢氏元秘書ら有罪判決に「裁判所は状況証拠で合理的に判断した」

自民党・柴山昌彦衆院議員

 小沢一郎元民主党代表の資金管理団体「陸山会」をめぐる政治資金規正法違反事件で、虚偽記載罪に問われた元秘書の石川知裕衆院議員ら3人に2011年9月26日、有罪判決が言い渡された。この件に関し、弁護士出身の自民党・柴山昌彦衆院議員は27日のニコニコ生放送「角谷浩一と松嶋初音のニュースバックヤード」に出演し、「判決は、供述調書は排除されても、それ以外の状況証拠によって有罪と判断されたものであり、裁判所は合理的に判断した」と述べた。

 この事件で、石川議員ら小沢氏の元秘書3人はいずれも無罪を主張し、公判で東京地裁は検察側が請求した供述調書の多くを不採用としたが、判決は陸山会の政治資金収支報告書に、虚偽の内容を記入したと認定した。

 判決後、来月から初公判を控える小沢氏の弁護団は、「証拠に基づく事実認定の代わりに推測を積み重ねた不当な判決」との談話を発表した。自白調書に頼るのではなく、物証や法廷証言に重きをおいた今回の判決について、報道や世論ではさまざまな反応があった。

 この判決を受けて、2011年9月27日のニコニコ生放送「角谷浩一と松嶋初音のニュースバックヤード」の中で、弁護士出身の自民党・柴山議員は、「自白調書から出発した判決ではなく、一味違った判決として評価が分かれた」と前置きし、「状況証拠と聞くと、一段下のレベルの証拠のように思われるが、今回の裁判に限らず、完全黙秘事件など自白がない裁判では、検察官が客観的な証拠を積み上げて立証し、それによって有罪判決が下ることはある」と指摘。その上で、

「今回の公判は、供述調書は誘導されたもので排除したけれども、口座履歴など物証は山ほどあった。公判廷で、被告らは、なぜそういうものが出てきているのか説明できなかった。原資を隠すために画策していたとしか思えない、と裁判所は合理的に判断した」

と、有罪判決が下された背景について見解を述べた。

■小沢氏本人の裁判への影響は

 さらに、視聴者から「小沢さんを悪者にしようとした、国策判決のように思える」との質問が寄せられると、「裁判所の構造をご存じないと思う。システム的にも、人事的にも、お金の流れの面からもあり得ない」と説明。一方、裁判官個人への批判があることについては、

「地裁の裁判官は、控訴されても耐え得るように判断したのであって、裁判官の資質によってぶれるような裁判であったかどうかは今後、高裁や最高裁でチェックされることになるだろう」

と答えた。

 また、番組のアンカーを務めた政治ジャーナリスト・角谷浩一氏から、「判決文に『小沢事務所』という表現が出てくるが、小沢さん本人はどの程度犯行に関わっていたと見るべきか」との質問がなされると、柴山議員は、

「判決では、小沢さんの関与はほとんど触れられていない。10月6日からの小沢さん本人の裁判の中で、秘書との共謀関係が、今回の裁判とは独立して新たに問題となるだろう」

と述べ、「(今回の)判決を受けて、小沢議員本人の説明責任や会計責任者の責任は、厳しく追及してしかるべきだと思う」と今後の展開について言及した。

◇関連サイト
・[ニコニコ生放送]「陸山会判決」への柴山議員の見解から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv62296378?po=news&ref=news#10:50
・[ニコニコ生放送]視聴者質問「小沢氏を悪者にする国策判決に思える」から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv62296378?po=news&ref=news#1:06:40

(藤崎桂太郎)

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