正しい姿勢で座ると、人生変わるよ!~マガジンハウス担当者の今推し本『Dr.クロワッサン 座り方を変えるだけで、不調は治る!』
こんにちは、マガジンハウスです。みなさんは、悩みはありますか? 私はあります。体が痛いんです。原因はわかってるんです、姿勢が悪いんです。猫背→背中とか首が痛い→普通に座れない→猫背→痛い……のループに苦しむ中、画期的な本に出合いました。それが今回ご紹介する『Dr.クロワッサン 座り方を変えるだけで、不調は治る!』。半分以上、私的な目的で、この本の監修をされた『からだクリエイト きらくかん』主宰の奥谷まゆみさんにお越しいただきました~。
――――奥谷さん、何はともあれ、このタイトルに惹かれましたよ! だって、座るだけで不調が治るなら、そんなおいしいことはないですよね。
奥谷 「それがね、結構治るんですよ~」
――――この本は座り方に特化してますよね。それはどうして?
奥谷 「私のところに来られる“調子悪い人”の話を聞くと、やっぱり座ってる時間が長い。座って仕事してる最中から、もうしんどいってなってるケースがとても多いので、座り方に秘密があるんじゃないかと思ったんですね」
――――この本には、「骨盤を立てて座る」と体調がよくなると書かれていたので、さっき本の通りに座ってみたんですけど、「骨盤が立つ」っていう感覚が初めてわかった気がしました。
奥谷 「うん、姿勢の要である骨盤をまっすぐに立てるには、座るのがいちばんやりやすい。骨盤の真下に椅子の座面という台があるから、固定しやすいんです。立つと、自力でなんとかしなきゃならなくなる」
――――お腹と背中をうーっすら使ってる感じも新鮮です!
奥谷 「そうなの! 座っているだけなんだけど、ちゃんと座ろうとすると背中やお腹の筋肉を使うんですよね。これが“支える筋肉”って呼んでる筋肉なんだけど、年齢を重ねるにつれて“支える筋肉”も減ってきて、重力に負けちゃうから、肩が痛くなったり、猫背になったり、頭痛になったり、いろいろな不調が起こってくるわけ」
――――えっ、そうなんですか? この不調は、重力に負けてたからなんですか?
奥谷 「うん、だって、内臓ってすごい重いわけ。人って、お腹に重いボールを抱えて生きているようなもんなのね。で、その重いボールを支えきれなくなると、骨盤が後ろに傾いてしまう。そうすると背中が丸くなって、首が前に出てしまう。パソコンをすると目が疲れるって言うけど、あれってパソコンのせいじゃなくて、首が前に出てるせいだから。姿勢が悪いから疲れるってだけのこと。首が前に出ていると肩から背中がガチガチになるし、血液やリンパの循環も悪くなるから目も疲れる」
――――私、マッサージに通っても通っても体が痛いのが全然治らなくて、どうしてだろうって思ってたんですけど、姿勢が悪いからだったんですね……。
奥谷 「そう、マッサージに行くとちょっと楽になった気がするのは、揉んでもらって姿勢がよくなるからなんです。でも、そのいい姿勢を維持できないから、すぐまた痛くなる」
――――もう、どんどん痛くなってて、いまやスマホを持つだけで腕が痛くなってるんですよ(泣)
奥谷 「大事なのはやっぱり“支える”ってことなんですよ。体を支える筋肉が落ちてきているから不調が出てくる。スマホだって、腕だけで持ってるように見えるけど、実はいろんなところの筋肉で支えてるの。だから、スマホ持ってて腕が疲れてくるっていうのは、ほんとはいろんな筋肉を使うべきところを、腕の筋肉だけで持ってるからなんですね。腕が疲れないようにしたかったら、背中の筋肉を使うといい」
――――背中ですか!
奥谷 「背中も使って持つほうが少し疲れる感じがするかもしれないけど、腕は痛くならないでしょ?」
――――(やってみる)ほんとだ! いつもの持ち方だと、腕に全部かかってる感じです。あーわかる。
奥谷 「そういうこと。その支え方のコツがわかると、どこかに集中して負荷がかかることがなくなって、楽になりますよ。小さいお子さんがいて世話したりするときも、本を読んだり食事をするときなども、首だけを下げるのではなく、後頭部と背中が一直線になるように意識するといい」
――――ほほう……。いつもはつい首だけ下に向けちゃいます。
奥谷 「首だけ前に出ちゃうと、頭の重さで引っ張られるから、首・背中がしんどくなる。この本で紹介した座り方の通りにすると、首が前に出ないようになるんです。出そうと思っても出なくなってる(笑)。要するに、体の使い方をちょっと変えてあげれば、体って楽になるようにできてるの」
―――なるほど、だから座るだけでも不調は治せるということなんですね。
奥谷 「うん、筋肉っていうとムキムキ、ダンベルとかで鍛えるのを想像しちゃうけど、支える筋肉って全然違うの。そもそも使わなすぎて衰えているだけ。使い方を思い出させてあげる感じだから、ちゃんとした座り方を1週間も続ければ、肩が軽くなるとか、何かしら効果が感じられるはず」
――――1週間位なら続けられそうな気がします~。
奥谷 「でしょ? 運動しないと健康になれないって、みんな思いこみすぎ。支える筋肉さえ使えるようになれば、体調はどんどんよくなってくる。うちのスタジオに通っている人たちの中にも、あきらめていた症状が治って喜んでいる人、いっぱいいますから。それだけ、日常の動作が大事ってことなんです。わざわざジムに行ってストレッチするよりも、毎日、朝起きて夜寝るまでの動作を少し気を付けてみることのほうが、よほど体にはいい」
――――でも、その、日常の動作をちゃんとするっていうのもハードルが高いですよね……。
奥谷 「うん、ずっと気を付けているわけにはいかないよね。だから、いつもちゃんとしてなくちゃいけない、って思わないのがコツだと思うよ。電車で座っているときだけは背中が丸くならないように気をつけようとか、漫画を読むときだけは、首が前に出ないようにしようとか、〇〇するときだけはっていう感じで限定すると、意外とできるもんなの。そうやっているうちに、意識しなくても背中が丸くならないようになってくるの。だって、ちゃんと座るほうが体にとっては絶対に楽だから、無理しなくても骨盤を立てて座れるようになってくるはず」
キラキラの笑顔が素敵な奥谷さん。体だけじゃなくいろんな悩みを相談したくなります!
――――それにしても、奥谷さん、すごく素敵ですよね、座り姿が。
奥谷 「そう?(笑)でも、すごくちゃんとしようとか全然思ってないのよ」
(担当編集 「ま、確かに無意識に骨盤が立ってるんだとは思うんですけど、奥谷さん、スタジオで打ち合わせすると、床座りしながら、ずっと体のあちこち触ってるの。無意識にツボ押してるwww」)
――――道理で(笑)、お顔もすごくアッパーな感じで輝いてます。
奥谷 「ありがとうございます。首が前に出てると目線が落ちちゃうでしょ、そうすると精神的にもふさいじゃう。姿勢と感受性はセットになってるから、下向くとやっぱりそうなっちゃうの。あとね、私たちぐらいの年になると、重力といかに仲良くするかが重要になってくるんですよ。だから支える筋肉が大事だし、上向けば顔の筋肉も垂れづらいものね」
――――このライターさんの体験ルポもいいですね。たった2ヶ月でウエスト-6cmの激変!
奥谷 「これ2ヶ月ってあるけど、最初の2週間でもう全然違いました」
――――数値もそうですが、見た目が変わりましたよね。いいなあ。
奥谷 「支える筋肉がつくっていうのは、中身である内臓の位置が変わってくるということ。内臓が下がってくると、ヒップも大きくなるしウェストも太くなるから。支える筋肉が上にあがれば、中身の位置も変わるので、重さ自体は変わらなくてもシェイプが変わるんです」
――――あとここに、好きなものを好きなだけ食べていい、とも書いてありますね。これはどういう意味なんですか?
奥谷 「基本的に人間の食欲って、そのとき必要なものを食べたいっていうふうにできているの。だから、そんなに食欲をコントロールする必要はないし、食欲をコントロールすることのデメリットのほうが大きい(笑)。ストレスがたまっちゃって、逆にうまくいかないんです。でも、本にも書いたけど、体を作りだすと、自然と食べたいものは変わってくるんですよ」
――――一般的な健康法って、あれ食え、これ食うなってよく言うじゃないですか……。
奥谷 「ねえ、続かないよね。だから、好きなものを食べていいよ、でも好きなものがないときこそ大事に食べようねって言いたい。何も食べたいものないから今日は適当でいいか、じゃなくて、そういうときは体にやさしいものを食べる、といった食生活がいいんじゃないかな。食べたい時は何でもいいの」
――――最後のエッセイもよかったです。奥谷さんご自身も、色々体調に難ありの過去がおありで。
奥谷 「そうなの。だから、私のところに来て、“私こんなにダメダメだけど大丈夫?”って聞いてくる人にも、だーいじょーうぶ!って自信持って言える」
――――長く生きてるとありますよね、肉体的にすごく落ちちゃうときって……そうなるともう、動けているだけでマシだって思っちゃうんです。
奥谷 「わかるわかる。そうだよね、でも大丈夫。私だって、腰が痛すぎてATMの操作すらできなかったもん。手をついてタッチしてた」
――――そこまで!
奥谷 「うん、だから平気! 姿勢で持病治ったって人、何人もいます。姿勢、大事だよ」
ふだんは自転車移動という奥谷さん。この美姿勢で自転車をこぐ姿は、半径100mの視線を総取りだそう。(写真・中島慶子)
今週の推し本
『Dr.クロワッサン 座り方を変えるだけで、不調は治る!』(マガジンハウス 編)
ページ数:100頁
ISBN:9784838750900
定価:810円 (税込)
発売:2016.03.15
ジャンル:健康
[http://magazineworld.jp/books/paper/5090/]
ウェブサイト: http://magazineworld.jp/
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