動物たちの“サイズ感”にこだわりアリ! 『ズートピア』が他の動物アニメと一線を画す理由

リトル・ローデンシア

3月に全米公開されるやいなや、オープニング興行成績が『アナと雪の女王』『ベイマックス』を超えてディズニー・アニメーション史上No.1。日本公開を前に、ディズニーの最新映画『ズートピア』が早くも世界中で大ヒット中。筆者も一足お先に観て来ましたが、可愛い! 面白い! だけでは無く、掘り下げようと思えばいくらでも掘り下げられるストーリーが素晴らしく、日本でも人気爆発する予感をヒシヒシと感じております。

メイン

本作の舞台は、動物たちが人間のように暮らすハイテク文明社会「ズートピア」。ヒロインであるウサギの新米警官ジュディが、キツネの詐欺師ニックを相棒に、“夢を信じる”強い心でズートピア最大の危機に立ち向かうファンタジー・アドベンチャー。

本作に人間は登場せず、キャラクターはすべて動物! しかも、種類やサイズが異なる動物たちが64種も登場し、さらにあらゆる動物たちに適した環境のエリアが、ズートピア内に複数用意されています。中でも、ズートピアの中心地としてさまざまなエリアから動物たちが集まる「サバンナ・セントラル」は、圧巻。たくさんの動物たちが行き交うなか、電車のドアが動物のサイズ別に分かれていたり、首の長いキリン用に高い位置で受け取れるジューススタンドがあったりと、いたるところに動物たちが快適に過ごすための工夫が光っています。

『ズートピア』本編映像:ジュディの旅立ち
https://www.youtube.com/watch?v=K0BEHEs8Rtc [リンク]

さらに、劇中に登場するキャラクターたちは、実際の動物のサイズに基づいてデザインされているというから驚き。単純に「大きい動物」「小さい動物」などではなく、サイズも現実に即した描き方にこだわっています。

ZOOTOPIA

動物のサイズ感は、ヒロインであるウサギのジュディを通して見るとわかりやすくなります。例えば、ジュディが初めてズートピア警察署に出勤するシーン。そこにはスイギュウのボゴ署長をはじめ、ゾウ、サイ、ライオンといった強そうな大型動物がズラリ。彼らを個々に見ると、大型ながらその大きさは実に様々です。そんな中でウサギのジュディは誰よりも小さく、机も椅子も大型動物仕様だから大きすぎて、仕方なく腰掛けずに椅子の上に立っている……そんなジュディの小さな抵抗が、なんともいえず可愛いのです。

『ズートピア』本編映像:ジュディ初出勤
https://www.youtube.com/watch?v=J9upgnQGm0Y [リンク]

ちなみに、本作の世界で警察は屈強な動物の職業であり、小柄なウサギのジュディはお呼びでない様子。初日から疎外感を覚えるジュディだが、だからこそ「誰よりも努力して立派な警察官になってやる!」と自らを奮い立たせていくことに!果たしてジュディは、「誰でも何にでもなれる」というズートピアのスローガンを体現することができるのか!?

大型動物の前では小さく見えるジュディだが、ズートピアには彼女よりもっともっと小さい動物が存在します。小型動物が暮らす街「リトル・ローデンシア」では、ズートピアで最も小さなネズミなどの動物たちが登場。劇中で、ジュディはイタチの泥棒を追いかけるなかで紛れ込んでしまうが、建ち並ぶ家々や街を行き交うネズミたちは、まるでミニチュアのように小さくてキュート。警察署では「小さなウサギ」扱いだったジュディも、この街では反対に「巨大ウサギ」のように見えてしまうことに! ここでもサイズの描き方のこだわりが発揮され、ユニークなシーンに仕上がっているのです。

『ズートピア』本編映像:小型動物が暮らす街「リトル・ローデンシア」で大暴れ!
https://www.youtube.com/watch?v=v7OvomOV2oE [リンク]

こうした動物たちの描き方について、本作のプロデューサーであるクラーク・スペンサーは、「それはこれまでのアニメーションの動物映画では、ほとんど行なわれてこなかったことです。私たちは明確でクリエイティブな方法で、あらゆるサイズの動物たちが暮らせる世界を描かなければなりませんでした」とコメント。

ほかのアニメーション作品と一線を画すディズニーのハイクオリティの秘訣、そして世界で広く愛される理由は、こうしたこだわりにあるのかも? 映画『ズートピア』では、そんなこだわりたっぷりの動物たちが画面いっぱいに登場。4月23日より公開です。

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藤本エリ

映画・アニメ・美容が好きなライターです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

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