【Charisma.com】ムカつく上司にファイティングポーズ!現役OL×毒舌ラッパーのリアルワークスタイル

【Charisma.com】ムカつく上司にファイティングポーズ!現役OL×毒舌ラッパーのリアルワークスタイル f:id:tany_tanimoto:20160212131921j:plain

OLから見た会社や上司への怒りをラップに乗せる現役OLラッパー、Charisma.com(カリスマドットコム)。MCいつかさんは雑貨メーカーの事務、DJゴンチさんは精密機器メーカーの事務としても働いています。自身が実際に企業で働くOLだからこそ、楽曲では「リアルな毒」を吐きまくり、多くの社会人の共感を得ているふたり。会社員とアーティストを兼業するというユニークなワークスタイルや、音楽との向き合い方について伺いました。

Charisma.com(カリスマドットコム)

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ゴンチ(右)によるエレクトロラップユニット。二人は中・高等学校の同級生で、いつかは雑貨メーカーの事務として、ゴンチは精密機器メーカーの事務として働いている。作詞はすべていつかが担当し、日常で感じる上司や会社へのストレスを歯に衣着せぬ言葉で歌にする。2016年1月にCD付き著書『がめつくストロング ~毒舌OLラッパー、世間をぶった斬る!』(扶桑社)を発売。公式HP: http://official-charisma.com

会社員とアーティスト活動を両立!?

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――OLとして働きながら、メジャーアーティストとして活動。正直、大変じゃないですか?

MCいつか(以下、いつか)最初は本当に両立が大変でした。いつか音楽で芽が出たらいいなあと思いながらも、普通に就職して、会社で働くことが生活の中心でした。やっぱり会社が第一優先だし、仕事以外の時間でカリスマドットコムの活動ができればと考えていたので、取材も必ず夜か土日。会社を休むこともほとんどありませんでした。平日にライブが入った時は、「リハーサルを休んでぶっつけ本番」なんてこともよくありましたね。あまりに忙しかったので、その頃はお肌がボロボロでした。

DJゴンチ(以下、ゴンチ)でも最近は、カリスマドットコムの比重が多くなってきました。

いつか:メジャーデビューしてから状況も変わってきて、会社に行けないことも多くなってしまって。会社が忙しい時は出勤するんですが、籍だけ置かせてもらっている状態に近いです。出勤についてはかなり柔軟に相談させていただいています。

ゴンチ:私はいっちゃん(MCいつか)に比べると、かなり出社しているかな。今月も週4、5日は行っています。でも午前中だけとか、時間調整をさせてもらっていました。もともとはフルタイムで働いていたんですけど、今はすごく融通を利かせていただいているのでとてもありがたいです。どこまで可能なのかを相談させていただきながら、アーティスト活動と両立しています。

――安定している会社員のお仕事が減ることは怖くありませんか?

いつか:最初は「とりあえず社会に出てみようかなぁ」という気持ちもあって就職したので、収入は特に気にしていなかったんです。もちろん親は就職が決まった時に「安心した」と喜んでいましたけどね。

ゴンチ:私もお金に関してはあんまり気にしてなかったかもしれない。就職するより前から音楽をやっていたので、できる限り続けたいと思っていましたし。でもやっぱり「やめたい」と思ったこともあって。「このまま普通に働いた方がいいのかもしれない」という気持ちがずっとあったので、いっちゃんに「やめようと思う」と言ったら…。

いつか:「今さらなに言ってるんだ!」と。撮影の前日だったんですよ!? 衣装もつくってもらっていたし。

ゴンチ:そう、説得されました。それからは「やめたい」とは言っていないです。ライブも楽しいし、お客さんの反応を見ると「やっててよかったな」って思います。

――昼間は会社員、夜はアーティストということで、ファンの方の会社勤めの女性が多いんですか?

いつか:最初は男性の方が多かったんですよ。いつの間にか「アンコール」のかわりにサラリーマンの方々が「残業! 残業!」とコールをくれるようになっていました(笑)。メジャーデビューしてからは同世代の女性の方が増えてきて、すごくうれしいですね。

上司や同僚は黙認!? 実体験をもとに毒舌フレーズを連発!

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――上司やお局さんの愚痴が共感を集めていますね。すべていつかさんが書かれているそうですが、実話をネタにするのは気まずくないですか?

いつか:うちの会社ではラジオがかかっているんですが、カリスマドットコムの曲が流れてくると…うつむきます(笑)。会社の人たちはみんな私の音楽活動を知っているので、「この曲って◯◯さん(いつかの本名)だよね?」って顔で私を見てきます。

ゴンチ:私の場合も会社の人は知っているけど、歌詞を書いていないからそんなに気まずくないかな。「これは誰のことなの?」って聞かれた時に、「これはたぶん…いっちゃんの会社の人です」って逃げちゃえるんですよね、ズルイけど。

いつか:もー! ほんとズルイわー!

ゴンチ:だよね(笑)。

いつか:でも誰も、面と向かって「これ私のこと?」って聞かないんですよ。

ゴンチ:聞けないと思うよ。私も「これ私のことだよね…」と思っている曲があるんですけど、怖くて聞けないです。

いつか:うん、ゴンチの歌はあるよ実際。『やれよ』っていう曲ね(笑)。

ゴンチ:次のアルバムにも、「これ、私かな?」って思う曲があります。でもやっぱりちょっと聞きづらい。心のなかで「そうだろうな」って思っておくだけにとどめています。

いつか:それがリアルな反応なんでしょうね。キツい歌詞を書いているので、実生活でも「すぐ噛みつくぞ」っていうイメージはつきやすいんだと思います(笑)。でもネタに取り上げる相手には、愛情を持って書くようにしているんですよ。

――それでも、いつかさんの勤務先の社長さんは応援してくれているんですよね?

いつか:本当にありがたいことに、そうなんです! 今の会社は、カリスマドットコムの活動が本格的になる直前に、転職をして入ったところなんですよ。社長も私の音楽活動をわかったうえで雇ってくださったので、相談もしやすいんです。たまたま社長の出張先で私たちがライブをしていたのを観に来てくれた時は驚きましたけど、楽しんでくれていたみたいで良かったです。

ゴンチ:私はずっと同じ会社で働いているんですが、カリスマドットコムの仕事が増えれば増えるほど、他の人に仕事をお願いしなきゃいけなくなってしまいます…。そんなこともあって、一緒にお昼を食べるようになったり、地方ツアーのお土産を買っていったり、前よりもよくコミュニケーションを取るようになりました。仕事の話というよりは、「最近流行ってるモノ」とか他愛のない話ですけど。

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――仕事と音楽活動はハッキリ分けているんですか?

いつか:とくに区切ってはいないです。でも会社に迷惑をかけているという認識はありますし、歌詞が職場の悪口のようにもなってしまうので、会社ではいいムードを作るように心がけています。笑顔で「おはようございます!」とあいさつしたり、後輩に「ご飯一緒行かない?」と誘ったり、できるだけ自分から心地いいコミュニケーションをとりたいなと思っています。

――会社員とアーティストを兼業することは、互いに影響はありますか?

ゴンチ:会社とライブはまったく違うので、それぞれが息抜きというか、メリハリになっているところはあるかなあ。ライブだと緊張感が強くて、会社の方は「ホーム」みたいな感じで落ち着きます。

いつか:歌詞を書くにしても、会社にはネタがたくさん転がっていますね。そもそも昔はこんな歌詞ではなかったんですが、社会に出て感じた怒りや理不尽さを感情に任せて歌にしてみたら反響があって、多くの人が共感してくれることがわかりました。メジャーデビューのときに初めて「“怒れるOL”をコンセプトに作品を作ったらいいんじゃないか」と思って、ますます会社の存在を意識しました。

実はふたりの仕事への価値観が違う!? “カリスマドットコム”という職場

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――おふたりはカリスマドットコムという職場においては“同僚”ですよね?

いつか:同僚…とは思ってないです。同僚となると同じスキルを求めがちなんですけど、ゴンチとは仕事に対する価値観が全然違うので。同僚というより、「なんとなくいつも一緒にいる人」だと思っています(笑)。そうじゃないと、イライラしちゃうこともあるし…。

ゴンチ:いっちゃんがピリっとした雰囲気の時は、そっとしておきます。空気を読んで。

いつか:どんなに話しても意見が擦り合わないこともあるんだなーと学びました。仕事への価値観が違う相手とうまくやるには、「相手を受け入れる」こと。人によって能力の違いはありますから、「ここは怒ってもしょうがない」と思うようになりました。そう考えると、基本は会社と同じかもしれません。

――仕事への価値観が違う、というのは、カリスマドットコムで実現したい事がそれぞれ違うということですか?

いつか:まさにそうです。私が明確に「こうしよう」と方向性を指し示すのに対して、ゴンチはあまり自分の意志を持ってないんですよ。私は流れを作りたいタイプで、ゴンチは船に乗っかるタイプなんです。

ゴンチ:できれば波風をたてずに流れにまかせたいんです。だからきっと根本的に違う考え方なんですよね…。でも、「いっちゃんに付いていけば大丈夫」みたいな安心感もあるかもしれません。

いつか:でもカリスマドットコムはふたりの船だからね!「一緒に乗るんだったら、もっとゴンチも漕ごうよ!」とは思います。

――最近はゴンチさんも歌うようになったりと、一緒に船を漕いでいるんじゃないですか?

ゴンチ:CDではないですけど、ライブの時は歌うようになりました。修行だと思ってソロでのDJ活動も増えたし…。いずれはもっと私が歌える歌を、いっちゃんが作ってくれるかなぁって期待してます。

いつか:えー、どうしようかなあ(笑)。

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――なんだかおふたりが「長年連れ添った夫婦」に見えてきました。いつかさんが亭主関白で、ゴンチさんがついていく!みたいな。

いつか:よくそんなふうに言われるんですよー! ついてくるにしても、ゴンチにはもっとがんばってほしいのに!

ゴンチ:ふふふ(笑)。

――さて、カリスマドットコムという船が目指す方向とは、どこですか?

いつか:横浜アリーナです。地元の横浜でライブをやりたいなってずっと目標にしているんですよ。

ゴンチ:私も一緒に横浜アリーナに向かっています。でももし途中で船を降りちゃうことがあったら、自力で泳ぐしかないよね…?

いつか:ちゃんと乗ってないと落とすからね!

ゴンチ:ええーっ!?(笑)

さて、この船が進むのは宣言通りの横浜アリーナなのか、それとも……? OLふたりの快進撃からはしばらく目が離せなさそうです。

WRITING 河野桃子+プレスラボ PHOTO 鶴田真実

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