田原総一朗がニコファーレに登場 若者に「ジャーナリストの極意」を伝授

ニコファーレに初登場した田原総一朗氏

 ジャーナリストの田原総一朗氏は2011年8月30日、東京・六本木にあるニコファーレに初登場した。田原氏はニコファーレ初の”討論イベント”で、会場に集まったジャーナリスト志望の若者たちの質問に答えながら、長年の経験に裏打ちされた「ジャーナリスト論」を熱く語り、その極意の一端を伝授した。

 先月7月18日にグランドオープンしたニコファーレは、壁面4面と天井の360°に視聴者のコメントが流れる映像演出が特徴のひとつ。このニコファーレの機能を使った”初の討論イベント”に登場した田原氏は、長年にわたって日本の政治に切りこんできたジャーナリストだ。田原氏は、会場に集まったジャーナリスト志望の若者からの”挑戦”に対し、鋭く切り返すなど、貫禄の違いを見せていた。

 イベントでは視聴者から「ジャーナリストとしてアマチュアからプロに変わる条件は何か」という質問があった。これを受けて田原氏は「アマチュアとプロの違いはそれで食えるかどうかだ」とした上で、

「食えるためには、2条件ある。今まで誰もが発表しなかった新しい事実を出す。あるいは、今まで誰もが言わなかった新しい見方を出す。(2条件のうち)両方出せば、完全に商品になる。片方あればまぁ商品にはなる。両方無かったらダメだ」

と回答した。さらに「新しい視点・見方を持つために、ジャーナリスト志望の学生が日常的に訓練としてすべきことは何か」という質問が寄せられると、田原氏は「本を読むことだ」とし「古典は読んだほうがいい」と即答。その上で

「僕は40(歳)になってからマルクスの『資本論』を読んだ。学生時代に教えられたけど、全然興味がなかった。『資本論』を読んで、良かったと思った。何が良かったか。マルクスが(『資本論』で)言ったことは全部外れた。ただし『資本主義はこういうものだ』ということが実に分かりやすく説明してあった」

と自身の経験談を語った。このほかにも会場や視聴者の質問に対し、一つ一つ丁寧に答えていた田原氏だったが、自身が答えに窮すような質問が出てこなかったためか、最後の感想では「もうちょっと突っ込んでほしかったね」と、若者たちへの”注文”を笑顔で述べていた。

◇関連サイト
・[ニコニコ生放送] 視聴者の質問部分から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv59493535?po=news&ref=news#01:07:53

(山下真史)

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