海江田大臣会見「さよならだけが人生だ」

　海江田万里経済産業大臣は2011年8月30日、都内で記者会見を開いた。29日の民主党代表選挙で決選投票の末、野田佳彦財務大臣に敗れた海江田氏は、会見で論語から「任重くして道遠し」、井伏鱒二の訳詩から「さよならだけが人生だ」という言葉を引用しつつ在任期間を振り返った。

　海江田大臣は、会見前の閣議で菅内閣総辞職のとりまとめがあったとし、「私も改めてサインをしてまいりました」と報告。在任期間中の答弁と発言を調べたところ、1月28日の衆議院本会議から8月25日の参議院経済産業委員会までのあいだに、1913回の答弁と発言があったと述べた。

　記者から「最後の会見を迎えてどうか」と問われると、決選投票で敗れた民主党代表選挙に触れ、

「『戦い終わって日が暮れて』という小説があるが、「戦い終わって日が明けて」。私は戦ってよかったと思う。結果が敗北であっても、戦うことによって次の展望が広げてくるのではないか」

と語り、

「『任重くして道遠し』という言葉が論語にあるが、そういう心境。まあ、『さよならだけが人生だ』という言葉も井伏鱒二の小説にありますが」

と笑顔を見せた。

　そして、「君汲川流我拾薪（君は水を汲め、我は薪を拾う）」という漢詩を例に、東日本大震災の復興のためには「水くみであろうが、たき木拾いであろうがやるつもり」と語った。

◇関連サイト
・[ニコニコ生放送]海江田大臣「最後の会見を迎えて」から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv61958799?po=news&ref=news#27:38

（土井大輔）