「電力自由化」はどれだけオトク? 8社で検証してみた

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「電力自由化」はどれだけオトク? 8社で検証してみた

いよいよ4月から電力の自由化がスタートする。すでに多くの電力会社から料金体系や新サービスの発表が続いているが、どう選べばいいのか? そして日経トレンディが2016年のヒット予測に選んだ「新電力トリプルセット割」とはなにか? 気になるオトク度について、2回に分けて紹介しよう。
その1 既存の電力会社が発表した新プランのおトク度をチェック

4月からの電力自由化を前に、連日のように新旧各社から電力料金の新メニューやポイントサービスなどが発表されている。電力とガスや通信費など、他の複数のサービスを組み合わせるセット割も登場している。激しい顧客獲得競争が始まったことは、電力消費者にとってうれしいことではあるが、「どこを選ぶといいのか分からない…」という人がほとんどだろう。

そこで、関西在住の筆者宅のケースで、現時点(1月中旬)の情報をもとに比較検討してみよう。順番は次のとおりで、首都圏や他のエリアでも同様の比較ができるはずだ。

その1)現在契約中の電力会社の新プランを検討
その2)新電力会社のプランを検討
その3)その他、セットプランなどを検討

【※現在の筆者宅の条件】
電力会社:関西電力 契約メニュー:従量電灯A、50A 年間電気料金:16万2372円 年間電気使用量:5598 kWh(月間平均約467kWh) 住居:3人家族でマンション居住、スマートメーター導入済み、電力ピークは6時台と19時台、自宅での仕事も多く日中の電気使用量も比較的多い。

【画像1】筆者宅の2016年1月の時間帯別電気使用量。朝型で活動しているので、22時以降8時までのオトクな「ナイトタイム」の使用量が少ない(画像:SUUMOジャーナル編集部)

【画像1】筆者宅の2016年1月の時間帯別電気使用量。朝型で活動しているので、22時以降8時までのオトクな「ナイトタイム」の使用量が少ない(画像:SUUMOジャーナル編集部)

なお、以下の料金比較結果は、あくまでも筆者宅の場合なので、各家庭で電気を使用する時間帯や、電気使用量によって結果が異なることは注意してほしい。

まず、既存の大手電力会社ということで関西電力の新プランを考えてみる。1月15日に発表された関西電力の新プラン「eスマート10」は季節や時間帯によって料金単価が異なる仕組みで、ひと月あたりの電気使用量が550kWh(従量電灯A)程度の場合は年間で約3700円~約6900円削減されるというもの。筆者宅では既にスマートメーターが導入されWEBサイトから料金や電力量確認ができる「はぴeみる電」にも登録済みなので、WEBサイト上のシミュレーションボタンを押すだけで新プランの料金が計算された。もちろんスマートメーター未導入でも、「はぴeみる電」に登録していなくても、料金のシミュレーションは行える。

結果は、新メニューの「eスマート10」にすると年間16万2372円が16万6076円と、年間約3700円のアップ!。「eスマート10」は22時から翌朝8時までの「ナイトタイム」が割安になるが、筆者宅は日中の使用量が多いことで逆効果に。また、料金単価が一番高い7月〜9月・13時〜16時の「デイタイム」の電気使用量も多いために料金がアップしてしまうようだ。条件によっては新メニューが安くなるとは限らないことを実感した。

関西電力では4月からポイント制度を開始して各種電子マネーなどとの交換が可能となるようなので、筆者宅ではメニュー見直しだけでもいいかもしれない。ただ、電気使用量が大きい家庭ではメリットが出るはずなので、しっかりシミュレーションしてほしい。その2 新電力会社のおトク度をチェック

つぎに、関西圏でサービス開始が発表されている新電力会社からいくつかピックアップしてシミュレーションしてみた。いずれも他のサービスとのセットなどではなく、電気単独で契約が可能なものだ。
●大阪ガス 電気のみを大阪ガスと契約する「ベースプランA長期2年割引」 年間約6718円削減
●東京電力 「スタンダートXプラン」 年間約1060円削減
●大阪いずみ市民生活協同組合「コープでんき」 年間約8000〜9000円削減
●HIS 一律5%オフの「HTBエナジー」 年間約8327円削減
関西圏でも、普通に“東京電力”を選択できるということが新鮮な感覚だ。その3 他のサービスとセット利用が前提となる新電力会社

つぎは、携帯電話、ガス、インターネット接続などとセットになった新電力会社のプランと比較してみる。
●ケイ・オプティコム 「eo電気」(インターネット接続とのセット割引プランとスタート割を適用) 年間約1万円削減
●大阪ガス 電気とガスのセット「ベースプランAガスセット長期2年割引」 年間約8361円削減
●KDDI 携帯電話とのセット「auでんきセット割(キャンペーン適用)」 年間約1万6700円削減
●SoftBank 携帯電話とインターネット接続とのセット「おうち割でんきセット」 年間約1万4400円削減

ただし、この結果は各社のWEBサイトを利用したシミュレーションだということにご注意。最近1カ月の電気料金(もしくは電気使用量)を入力して計算する方式がほとんどだが、入力する月を変えれば結果も大きく違うケースもあった。

現時点で考えると、筆者宅の場合は電気料金を一番削減できるのは「auでんき」になる。KDDIと関西電力が提携したことで、キャンペーンとして関西エリアの割引率が大きくなっていることも寄与しているようだ。筆者は現在も携帯電話会社はauなので問題はないのだが、こうしたセット割引プランを利用する場合は、携帯電話会社やインターネットプロバイダーの変更が必要になるケースも発生する。その際の解約料金なども含めたトータルで考える必要がある。次回、後編では「新電力トリプルセット割」の損得についても考えてみよう。●参考
・関西電力 「eスマート10」
・大阪ガスの電気
・東京電力の料金プラン
・大阪いずみ市民生活協同組合「コープでんき」
・HIS 「HTBエナジー」
・ケイ・オプティコム 「eo電気」
・KDDI 「auでんき」
・SoftBank 「ソフトバンクでんき」
元記事URL http://suumo.jp/journal/2016/02/04/105252/

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