山本太郎「子どもたちの未来を守って」 ”声を政府に届ける”集会に出席
「原発反対」の声を上げている俳優の山本太郎氏は2011年8月17日、東京・衆議院第一議員会館で開かれた「福島の子どもたちの声を政府に届ける集会」に参加。山本氏は、会合に出席した原子力災害対策本部の職員ら政府側に対して、「(除染など)場当たり的なことはやめてください!」と声を上げ、「子どもたちの未来を守ってください」と語った。
山本氏は福島第1原発の事故を受け、「反対。って言うと、芸能界で仕事干されるんです、御存知でした?でも言ってやります、反対!」と自身のツイッターで反原発を訴えた。発言が波紋を呼んだのか、その後、所属事務所に迷惑をかけられないと、5月には自ら事務所を辞めている。
会合では、今でも福島県内に在住している小学生や福島県外に”疎開”した中学生ら4名から、原子力災害対策本部と文部科学省の担当者へ、福島県を中心とした子どもたちの「思い」を込めた手紙などが手渡された。これを受けて、政府側の担当者が感想を述べているところ、山本氏は
「保障はするんですか。毎日、毒が出ているのに住めるわけない。除染だけしたって。場当たり的なことはやめてください」
と会合の空気を変えるような叫び声を上げた。
その後、4名の子どもたちが質問をして、政府側が答える形式のやり取りが行われた。しかし、子どもの質問に対して、政府側は誰が答ればよいのか分からず、マイクを譲り合うような場面も見られた。主催者側から、こうしたやり取りについての感想を求められた山本氏は「非常に残念です。残念の一言に尽きる」ときっぱりと答え、
「ここにいらっしゃる(政府側の)皆さんは、おそらく決定権がない。おそらく(上司から)『お前たち行って来い』ということで、ここに来られた」
とした上で、
「この子どもたちの声を聞いたことで、おそらく(政府側の)個人レベルでは『変えていきたい』という思いはすごく強い(だろう)と思う。それが普通の人間だ。おそらく(政府側の)皆さん、この職業に就かれる前で志があった時は、『こういう状況にあった時は人々を救いたい』という、熱い思いで今の職業に就かれたと思う」
と、政府側の担当者の立場に理解を示した。その上で山本氏は
「だから、皆さんにも戦ってほしい。このように不条理を受けた人々が、日本の中にたくさんいらっしゃるということが分かっている。除染――はっきり言って除染したからどうだという話だ。毎日フレッシュなものが届いている。お金がかかるだけだ。やっているふりはいらない。疎開、そのくくりは何だ。(放射線の)線量が高い地域を言う。では、彼らが住んでいるところは線量が低いのか。彼らが浴びている線量は、健康になる線量なのか。そういうわけじゃない」
と政府の対応を批判しながら
「だから、皆さんにも戦ってほしい。すごくしがらみの中で大変だと思うけど、今変えなきゃ未来の納税者がここにいる。これから日本の未来を支える子どもたちがここに育っている。この先のこの子たちの孫の代までずっと続けていかなきゃいけない、日本という国を。あと20年、30年で終わりにするような政策を今続けてらっしゃると思う。ぜひ勇気を出して、一緒に皆で戦っていきませんか。今変わらないと本当に終わってしまう。”サテライト疎開”をしないと、もう終わってしまうと思う。福島の人たちはどうすればいいのか。このまま見殺しにされるのか。その福島で作られた食べ物とか、影響のあるところは全国に回って行く。瓦礫も全国にばらまいて、その先に何があるかは、皆さん一番ご存じだと思う。そういう情報にシャッターを閉じずに、しっかりと目を見開いて、日本の未来のために進んで行ってほしい。子どもたちの未来を守ってください。よろしくお願いします」
と訴え、自身の主張に対して協力を求めた。
(山下真史)
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